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【短縮版】そして誰もコメントできなくなった

『そして誰もシリーズ』は、短編小説の本文よりも自己解説が長いこと、さらにその自己解説を超えるほどコメント欄が充実しているという画期的な特徴を持つ作品群です。このシリーズは、本日からさらに進化し、本文を省略し、いきなり自己解説から始めるという、これまでにない試みで本文の文字数ゼロという偉業を達成しました。

自己解説

SNSにおける他者の記事のコメント欄での自分語り現象

『カンナ|をかし探究隊隊長』が言及された『SNSにおいて他者の記事のコメント欄で自分語りしてしまう現象』は『AI無知倫理学(AI Agnoethics)』、『AI倫理学』、『情報倫理学』などの分野では、非常に重要な問題として取り上げられています。

#AI倫理 やAI無知倫理では、 #個人情報保護 #プライバシー )、 #バイアス #差別 、AIシステムの挙動や判断基準の説明可能性、 #システムセキュリティ #著作権問題 #データ削除権 に至るまで、幅広いテーマを扱います。掲載された現象はこれら全ての問題にまたがる重要な課題です。

 オンラインでの自己表現やコミュニケーションのパターン、特に人々がコメント欄で自分語りをする現象は、 #精神医学 #社会病理学 #社会心理学 #コミュニケーション 学、メディア学、 #マーケティング 学、 #プロモーション 科学、情報科学、心理学、社会学などの多岐にわたる学術分野で重要なテーマとされています。

 オンラインの記事やソーシャルメディアのコメント欄で自己の体験や意見を不必要に共有する行動を表現する現象名としては、以下のような候補が挙げられます。

一、コメント自伝症候群(Comment Autobiography Syndrome):略称『CAS』
二、自己参照コメント癖(Self-Referential Comment Habit):略称『SRC』
三、話題乗っ取り現象(Topic Hijack Phenomenon):略称『THP』
四、自己語り侵入行動(Ego Intrusion Behavior):略称『EIB』
五、コメント内自己展開症(Comment Self-Expansion Syndrome):略称『CES』
六、話題シフト自我症(Topic Shift Ego Syndrome):略称『TSE』
七、自伝的コメント反射(Autobiographic Comment Reflex):略称『ACR』
八、自我中心コメント癖(Egocentric Comment Quirk):略称『ECQ』
九、会話軌道乱入現象(Conversational Orbit Intrusion):略称『COI』
十、ナルシコメント症候群(Narcissistic Comment Syndrome):略称『NCS』

 単にSNSにコメントを書くだけで、アルファベット三文字の社会病理や精神疾患扱いできるような状況を作り出すと、『そして誰もコメントできなくなった』のような作品を生み出すのは容易です。しかし、問題は、このような現象がフィクション小説に留まらず、実社会で莫大な資金が動き、病名を付けることによって大きな社会的損失が発生しているという現実にあります。

 この現象を顕著に示す例として、 #ADHD を挙げてみましょう。ADHDは、1980年代までほとんど病気として認識されておらず、単に落ち着きがない子供と見なされていました。しかし、子供のADHDに注目が集まり始めると、製薬会社はこの新しい市場を見据え、治療薬の開発と販売に注力しました。医療業界もADHDの診断基準を拡大し、より多くの子供たちを治療の対象にすることで、治療に伴う収益の増加に貢献しました。マスメディアはADHDの認知度を高め、公共の関心を集め、広告収入を増やしました。

 しかし、これらの業界は子供たちだけでは十分ではないと判断し、次に大人にターゲットを移しました。ADHDが子供だけの問題ではなく、成人にも影響を及ぼすという新たな認識が広まり、ADHDビジネスはさらに拡大しました。成人のADHD診断が増えるほど、治療薬の処方は増加し、医療業界と製薬会社の収益はさらに増大しました。マスメディアもこの動きに乗じて、ADHDに関する特集や広告を通じて視聴率や読者数を増やし、広告主からの収入を増加させています。

 こうして、ADHDビジネスは子供から大人へとその範囲を広げ、関係者の財布を肥やすシステムへと成長しました。ADHDビジネスの成功を受け、 #医療業界 #製薬会社 はさらなる市場拡大を目指して、様々なアルファベット三文字の #精神疾患 #症候群 の『発見』とその治療法の普及に力を入れてきました。こうした状況は、社会に新たな精神医学的ラベルを付け、治療薬の需要を創出することで、さらなる収益を追求するビジネスモデルの典型となっています。

 例えば、 #GAD #全般性不安障害 )、 #OCD #強迫性障害 )、 #ASD #自閉スペクトラム症 )、 #BPD #境界性人格障害 )、 #SAD #社会不安障害 )など、これらの症状は以前から存在していましたが、近年になってから病名が普及し、治療薬の処方が一般化しています。これらの病名が広く認知されるようになった背景には、製薬会社のマーケティング戦略と、医療業界の診断基準の拡大があります。

 製薬会社は、病気の認知度を高め、治療薬の必要性を訴えることで市場を拡大しようとします。一方、医療業界は新たな診断基準を採用することで、より多くの患者を『発見』し、治療の対象としています。マスメディアもこれらの症状に関する情報を広めることで、公共の関心を高め、結果的に治療薬の需要を増加させています。

 これらの現象を、例えば、精神医学の観点からさらに定義するためには、研究すべき現象、原因、対策が大きく異なる以下のような視点も考慮される必要があります。

オンライン行動依存症(Online Behavioral Addiction):SNSやオンラインプラットフォームへの過度の依存が自己表現の過剰な形を取る原因となる可能性。

社会的孤立感とオンラインでの自己表現(Social Isolation and Online Self-expression):リアルな社会的つながりが乏しい人々がオンライン上で自己表現を通じて属する感覚や承認を求める心理。

自己肯定感の低さと自己顕示欲(Low Self-esteem and Exhibitionism):自己肯定感の低さを補うためにオンライン上での注目を集めようとする行動。

バーチャルアイデンティティ障害(Virtual Identity Disorder):オンライン上での自己表現とリアルな自己認識との間に齟齬が生じ、精神的な不調につながる可能性。

情報過多による自己中心性の増大(Information Overload and Increased Egocentrism):情報過多のオンライン環境が、自分と他者との関係性を歪め、自己中心的な行動を促す可能性。

 これらの観点から、人々がオンライン上で自分語りをする行動の背景にある心理的メカニズムや社会的要因を探り、個人や社会に与える影響を理解し、健全なオンラインコミュニティの構築に役立てる戦略を開発することが、研究者や臨床家にとって重要です。

 このように説明すると、もっともらしいく聞こえるかも知れませんが、このアプローチにより、全ての個性が精神疾患として定義づけられる可能性があります。感情認識や表情認識AI、スマートウォッチのヘルスデータをAIが分析することは、今や当然のこととなっています。

 そのため、適切なAI倫理ガイドラインや法律の適用がなければ、ほんの数年後には、殆どの人がAIによって精神疾患に分類される時代に突入することになります。実際にスマートウォッチを利用している人々は、既にその時代に足を踏み入れているという認識が必要です。

#武智倫太郎 |をかし探究隊書記

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