連休中に読書をしませんか?読みやすい歴史研究の本を紹介します
こんにちは。
今回は読書のお話です。
最近読んだ歴史研究の本を2つ紹介します。
内容もいいけど、「歴史研究」って面白そうだと思わせてくれる本でした。
太平洋戦争に到るまでのお話です。
日露戦争を経て傀儡国家である満州国を建国した日本ですが、国際社会からは非難されてしまいます。当たり前だよなあ。
しかし当時の日本は国際連盟の中でも上位の国力があり、ただ非難されるだけではなく譲歩もされていたのです。
それでも差し伸べられた手を振り払って対米開戦に到ったのはどのような経緯だったのか?というお話です。
「リットン報告書」、「ハルノート」というと、言葉だけ覚えて中身をよく知りませんでした。イメージとは違って日本を説得する意図のものだったようです。
国のトップ、実務担当者にそれぞれ思惑があり複数の視点から見ることができるのも面白かったです。
本書は著者が中高生向けにやさしく講義した内容をそのまま本にしたものです。
戦前の交渉を題材にしてはいますが、「歴史研究とはこういうものだ」ということも紹介したかったのだと思います。
ぜひ気楽に読んでください。
こちらの2冊は戦後から現在に到るお話です。
敗戦してからの日本はアメリカに占領され、GHQの方針で武装解除させられたかと思ったら、アメリカの都合で再軍備させられ、いいように不平等条約を結ばされてしまいます。
本書では、「なぜ日本国内どこでも米軍基地が作れるのか」、「なぜ米軍は治外法権を持っているのか」、「戦後70年以上経ってなぜこの状態が継続しているのか」といったことを解き明かしています。
日米安保に書かれた「表向きの条文」に加え、「密約」によって取り決められているのですが、「密約」にしてしまった弊害が大きすぎて…。
条文があれば検証できますが、国の数人しか知らないのではそれもできません。
圧倒的軍事力だけでなく狡猾さも併せ持つアメリカの交渉(恫喝?)方法は必見です。
私は日本がアメリカに逆らえないのは「米軍が国内に駐留していていつでも国民が虐殺されてしまうから」だとか、「核の抑止力を持っておらず一方的に核攻撃されてしまうから」だと思っていました。
しかし本書を読んでみると、そんなことせずとも「アメリカは法的根拠に基づいて行動し、日本を支配している」ということがわかり少し安心し、そして絶望しました。
タイトルが「知ってはいけない」なのは「高齢の人が残りの余生を心穏やかに過ごしたいなら知らない方がいい」の意だそうで、若い世代はむしろ知らなければいけない内容です。
こちらは少し心の準備をして読みましょう。
本書では日本の外交交渉にいいとこなしです(´・ω・`)
アメリカに服従していることで朝鮮戦争特需の恩恵を受けることができた、アメリカの商圏に入り込むことができた…とフォローになってるかわからないフォローだけして終わります。
※なぜ歴史を学ぶのか?
私が高校生のとき日本史の先生が最初の授業で「なぜ歴史を学ぶのか?」と問いかけ、「より良い未来を作るため」だと言いました。
過去を正当化するのではなく、「どうすればより良い選択ができたのか」を考えることがより良い未来に繋がると私は思います。