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マーケティング&セールス

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顧客のインサイト把握手段におけるB2BマーケターのB2Cマーケターとの違い

広告代理店側から企業のB2Bマーケターをサポートする中で、B2Cマーケターとの違いの中でも顧客のインサイトを把握する手段の違いは大きいと感じる。

B2Cの顧客インサイト把握手段の例B2Cマーケターが顧客インサイトを把握する手段は幾つかある。

- 外部調査会社のアンケートモニター
- 自社商品の会員組織や直接コンタクトの取れる購入者
- (店舗がある場合)店舗での観察や店員からの情報
- 自分自

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”機能的価値”より”情緒的価値”、”モノ”より”体験”、と二元論的に考えるより、ずっと人は「ストーリー」を消費してきたと考える方が間違えない

「”機能的価値”では差がつかないので”情緒的価値”でブランディングせよ」「モノが売れない時代」「”モノ”より”体験”が重視されている」と言われることがあるが、余りこの言葉に惑わされてはいけない。機能的価値は今でも必要だし、人はずっと”情緒的価値”、”体験”を、言い換えると”ストーリー”を消費してきたと考える方が間違えない。

昔から”ストーリー”で”モノ”と”体験”をセットで売ってきた。「モノをた

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テレビ広告は、安いのか?リーチするのか?分析ツールに意味はあるのか?

テレビ広告は、安いのか?リーチするのか?分析ツールに意味はあるのか?

広告施策の中でもテレビ広告がもっと費用対効果が高いことは、洗剤やファストフード店のように毎週テレビ広告を放映している企業にとっては暗黙の常識でしたが、最近はアプリゲームやプラットフォーム系のベンチャー企業界隈でも理解されつつあるようです。一方で、多くの企業にとってテレビ広告は「お金がかかる」「効率が悪い」という漠然としたイメージもあると思います。

テレビ広告は特長と注意点について、簡単にまとめま

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SDGsブームを弱者の台頭と捉えてみる

「サステナビリティ経営」「パーパス」「SDGsへの取り組み」と大企業を中心にこの数年で急速にSDGsブームーーより正確にはサステナビリティへの注目ーーが起きている。しかし、急に「パーパスをもっとアピールするように」「当社のSDGsへの取り組みをちゃんと伝えていきたい」と経営陣に言われたところで、”一体何故急にそんなことを言うのか?”が納得できないとマーケティング部隊も施策の目的が設定できないだろう

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バルクオムのYoutube広告のクリエイティブが非常によくできている

最近、バルクオムという男性用シャンプーのYoutube広告に接触した。とてもよくできていると感じた点を簡単にまとめておきたい。

消費者は複雑なインサイトを抱えていることがある消費者の心理は複雑な場合が多く、今回の広告のターゲット像は恐らく、お洒落な男子ではなく、モテることに興味がない男性でもなく、モテない自覚があるが”モテようとしている”と気が付かれるのも少し恥ずかしいというタイプの男子だと思わ

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Google 検索のサジェスト機能からデータを取得する。(Python、XML、2021年5月)

Google 検索のサジェスト機能(Google suggest)のAPIを使ってデータを取得するための情報は多いが、古くなっている情報も多いので最新の情報をメモしておく。

PythonによるXML形式でのGoogle suggest API 取得Google suggest API は、JSONで取得するコードが多いが、JSON形式はいつの間にか廃止されているようなのでXML形式を採用する

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広告の基本戦術は、せいぜい4つ

マーケティング業界は毎年バズワードが生まれる。しかし、ベースとなる基本戦術の数はそう多くない。マーケティング業界の中の広告業界で使うのはせいぜい4つだ。

単純接触効果全ての広告活動の基本。何度も接触しているとそれが無意識のことであろうと悪い印象であろうと回数が増えると好感度が上がるという実験がある。

1968年や1980年のザイアンスという社会心理学者の実験や論文に端を発し、その後も似たような

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スターバックスの魅力とは何か?

米国のスターバックスは本格的なエスプレッソの提供と職場・家以外の場所サードプレイスとして中興したとされている。

しかし、日本のスターバックスがどのように受容されているか?を考えるときサードプレイスという言葉で納得するのは無理があるだろう。まだルノアールの方がサードプレイスに近い。

スターバックスは甘い飲み物をカッコよく飲める場所スターバックスで一番飲まれているのはキャラメル マキアートである。

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広告代理店の営業の業務内容

自分の棚卸し半分、新社会人向けの参考資料半分で、広告代理店の営業の業務内容を分解してみたい。

営業業務- キーマンを見つける
- 顧客の課題を把握する
- 自社の提供ソリューションのうち顧客が高く評価してくれそうなもの決める
- セールスすると決めたものの必要性を売り込む
- 顧客リストのメンテナンス
- 業務を通じた信頼関係のメンテナンスと紹介のお願い

新規営業が多いか、既存顧客対応が多いか

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精緻なターゲティング広告と「在庫/リーチ」のトレードオフ問題

「デジタルマーケティングでは精緻なターゲティングができる」と言われるが、これは半分正しくて半分は重要なことを敢えて言及しないポジショントークでもある。企業の広告・プロモーション担当者が気にすべき「在庫」や「リーチ」の視点を加えたときに、精緻なターゲティング広告類で起きがちな課題にについて、いくつか列挙したい。

マスリーチはテレビとYoutubeLINEやメルカリ或いは各種アプリゲームは、最初はテ

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ブランディング、プリファレンス、ポジショニング

ブランディング、プリファレンス、ポジショニング

「この施策はブランディングですので・・・」とマーケティング支援会社の人が言及するとき、必ずしも何か厳密に定義されたものの言い方をしているわけではないし深く気にする必要はない。ただ、「ブランディング」という言葉が様々な意図で使われているため、少なくとも自分の中では混乱しないように使い分けをしておくことは重要だ。例えば、プリファレンスやポジショニングという言葉と比べて、こう捉えてみてははどうか?と思う

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良い広告代理店 営業の見分け方

属人的な組織の場合、提供するソリューションのクオリティが担当営業の能力に大きく左右される場合がある。広告代理店もその傾向があると思う。良い営業さんだと思っても広告代理店社内の構造を把握した上で判断すると、意外な落とし穴もある。

「値引きをのんでくれる営業」はチームビルディングが必要な大きな仕事ができない「~さんはいつもこちらの金額のお願いをのんでくれる。よくしてくれる。」そう思って頼っていること

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製品の効能より他人との軋轢の忌避が利益を生むことがある

製品(ブランド)が高い収益を出すケースは幾つかあるだろう。

・憧れのブランド
・特許技術による独占
・サプライチェーンマネジメントによるコストダウン
etc...

王道は、競合と差別化し製品の効果効能を評価されて対価を得ることだ。

しかし、「他人との軋轢を避けたい」と思う人間の心の弱さが利益になっているケースもある。クライアント企業にとっては逆に勿体ないことをしているということでもあるが、人

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