企業のパートナーを目指すAdjustHRでしかできない「線の」社労士業務
人事労務関連の業務は、大きく「社会保険労務士」としての業務と、事業会社の「労務担当」としての業務の2つに分かれます。同じ人事労務といえども、両者には大きな隔たりがあり、「社会保険労務士」だからこそできることがたくさんあります。また、その中でも特に「AdjustHR」の業務は、「一般的な社労士」とどのような違いがあるのでしょうか?
AdjustHR代表の中野さんと原村さんに、AdjustHRだからこそ実現できる業務の面白さを伺いました!
社会保険労務士は身に付けられる専門性や知識量が圧倒的
―まず、事業会社の労務担当と社労士とでは、どんな違いがあるのでしょうか?
中野:身に付けられる人事労務の専門性の度合いが違います。事業会社の人事労務担当者になり、業務経験を積むことで労務知識について勉強することはできますが、知識の不足がある場合に周辺で相談できる同僚が少なく、ネットや一般書籍で情報収集する程度以上の知識が身につき難いです。そもそも、前職が労務は全くの未経験だったという方も多くいらっしゃいますしね。我流で経験したとしても、それは根拠のある専門的な知識ではなく、その会社に特化した労務能力ですから、労務担当者としての弱みになりがちのように感じます。
また、仮に社労士試験の勉強をしたり、労務に関する経験値があったとしても、労務担当者は社労士ほど他社事例を知り、経験することが難しいとも考えています。会社ごとに、業種や制度、人も課題も異なります。加えて社内の労務担当者は、労務課題に没頭するというよりも、経営者の方針、上長や周辺職種との調整、同僚との人間関係、自身の評価など、労務課題以前に自身が社内で生きていくために必要な物事があったりします。社内で牽制役として「ルールを遵守してもらうこと」を求める一方で、自身も社員の一人として調和が必要になり、積極的に考え行動できないケースを多く見ます。そうすると、労務や課題対応は萎縮的で事務的になり、経験値になり難いように感じますね。会社もあまり行動的で意に沿わない労務担当者がいると扱いづらいと考えるように感じます。
―では、社労士事務所の仕事は事業会社とどのように違うのでしょうか?
社労士は、どこまでも外部専門家ですから、法などの「根拠がある専門性」を顧問先企業から求められます。その専門性を価値として、企業は契約していますからね。よって、根拠から施策まで一貫して適正な知識を身につけることが重要ですから、適切な知識が身につくように根拠を調べる方法、資料が取り揃っており、学ぶことも仕事の一環として捉えられます。また、周囲の同僚も皆同じく、人事労務の専門性を高めたいと志を同じくする同僚ですから、明らかに人事労務の専門性を身につける環境が事業会社の労務担当者とは異なります。
また、当社AdjustHRはまだ創業4年目ですが、代表の私はこれまで200社以上の顧問先企業をご支援してきた「集合知」を蓄えています。これは弊社の社員も同様で、日々複数の顧問先の労務課題に向き合っており、その「集合知」があり、社内で各人の集合知を集積することで、より優れた労務課題への対応のノウハウを作り上げることが可能です。これも人事労務の専門性を高めることが企業の存在意義と言える社労士事務所の強みと言えます。
そして、社内政治や上下同僚の関係に巻き込まれず、専門性に没頭できる環境が社労士事務所(特にAdjustHR)にはあります。顧問先企業は自社の文化や企業方針を社労士事務所にも理解してほしいとは思っていますが、一方で外部の専門家であることも認識しています。私たちも外部という一歩引いた所から、客観的に考えられますし、施策を打つ上でも、「同僚から嫌われたらどうしよう」とか「私の評価はどうなるかな」という問題の当事者になりません。よって専門性を持ち、幅広く客観的に理解し、最善を尽くすことに責任は持ちつつ、萎縮せずに施策を提案し、実行のプロセスを描くことが可能なのです。
―なるほど、具体的に社労士事務所の仕事とはどのようなものなのでしょうか?
中野:大きく2つの領域に分類できます。一つは、社会保険手続きや、給与計算、助成金申請など、何かの資料を反映するという、手を動かすオペレーションが多く含まれる業務です。特に私たちAdjustHRは「専門的な事務業務」という呼び方をしています。知識があれば誰でも簡単にできるとは言えませんが、深い気付きのポイントを除けば、比較的短期間の経験値でも、一定の成果が上げられる業務です。多くの社労士事務所の社員は、品質の差はありますがこの業務を手掛けています。
もう一つは、人事制度の策定や、労使紛争対応、会社にフィットした規程類の作成、人事労務部門の構築、労務DDやPMI、最適なDX化の支援などの労務コンサルティングです。私たちは「専門的な高度業務」と位置づけています。単に知識だけではなく、多角的な視点や経験値を持ち、その1分野のみでも強みとすれば極わずかの競争相手しかいない分野です。これらはオペレーション化しがたく、属人性が高いので、人事労務分野の専門家としての醍醐味を味わえる分野といえますね。
この2領域を見た際に、圧倒的に前者の業務領域に限定された仕事をしている社労士事務所やその社員が多く、よく社労士事務所に仕事をお願いしているのに、「なにか物足りないな」とみられる所以もそこにあります。一方で、「全員が専門的な高度業務しかしない」という位置づけですと、多くの事業会社は相談しづらいですよね。
AdjustHRは専門的な事務業務の前・後工程まで連続的に携わり労務のベースを整えるのが役目
―ありがとうございます。AdjustHRが手掛けているのは、花形の「労務コンサル」なのでしょうか?
中野:そうですね、当社が担う分野は3つあります。「専門的な事務業務の幅を広げていく」こと、「事務業務と高度業務の狭間を埋める」こと、「DXやDD、労務部門構築など高度な専門業務を増やす」ことで、他社には無い領域を確立しています。特に今回は、「専門的な事務業務の幅を広げていく」についてお話します。
AdjustHRは、もちろん多くの社労士が手掛ける専門的な事務業務に対応します。しかし、専門的な事務業務には、その前後に下記の表の様に、前後の業務があり、そのオペレーションや仕組みが整っていないのであれば、全体として業務が滞ります。この課題について顧問先企業の実務に入ったアドバイザリーも行うのが、AdjustHRの特徴です。
さらにわかりやすく言うと以下の表のようになります。
オペレーション的な専門的な事務業務も、俯瞰的に見ると実は顧問先企業における人事労務業務の一部です。前工程・後工程があり、それらは今まで専門家が支援することが殆どない領域でした。表における「標準的な事務業務」が一般的な社労士事務所の領域であると言えます。結果として、事業会社の労務担当者は社内のオペレーションは自力で確立し、一方で社労士事務所から不備を指摘されるという状況がありました。AdjustHRはこの点に問題を感じており、一つ一つの専門的事務業務について幅広く自社が支援する領域と捉え、連続的に担うことを意識しています。
例えば「手続き」という事務業務の前には、必ず社内や従業員から情報を収集する必要があります。それは、必要な情報が適切に記載された資料や法定書式などに則った状態で、定めた期限内に回収できなければ、不十分となり何度も回収のオペレーションが空転します。幾ら手続きは30分で終わり問題なかったとしても、その前工程に問題が山積していれば、人事労務を広い視点で見れば、十分に良い仕事とは言えないですよね。私たちAdjustHRであれば、企業の担当者と一緒にオペレーションを回すための準備から考えます。従業員に対する情報回収の仕組みや、フォーマットの作成などですね。その上で実際に手続きが終わったら、当社と企業との間で情報をしっかり一元的に管理して、リスト化します。労務の動きをきちんと記録して、いつでも情報を取得できる状態を作るわけです。
全ての情報が整えば、人事労務担当者顧客は社内で迅速かつ正確な対応ができるようになり、本当に必要な社内業務ご支援だけに集中できます。一つひとつの業務は繋がっていますから、幅広く工程が改善されることで、他の事務業務についても改善の影響が出ます。
―それぞれの専門的な事務業務は全て一つにつながっているということですか?
中野:そうですね。その認識で間違いありません。人事部門の業務というのは、断片的ではなく採用内定時から在職中の労務管理まで全て繋がっています。一つ一つの業務を、上手く連携させれば、経営上重要な人事施策の判断や運用も早くなります。また、昨今企業に求められているDX化も同じことで、業務や情報の連携に支障があれば、一部の業務をデジタルに置き換えても、結局仕事は効率的になりません。同じ作業を違うツールに置き換えたに過ぎないからですね。顧問先の企業から何か一つご要望をいただいたら、AdjustHRが実施する高度な事務的業務は、「高度な専門的業務を実施する上での下地にもなり得る」こういう理想像をイメージを、社員皆で共有しています。
担当者が一気通貫で企業の労務を担い、唯一無二のパートナーに
―なぜ、AdjustHRではこうした包括的な動きが可能なのでしょうか?
原村:大半の工程を担当者が一貫して担い、労務を「線」でつなげて考えられることが大きいと思います。一般的な社労士事務所の場合は、例えば「手続きチーム」「助成金チーム」といった形の縦割りでで、業務ごとにチームが分かれています。担当者は自分の「業務」だけを集中して行うことになりますから、どうしても顧問先の企業目線になり難く、またそれぞれの業務が「点」で終わってしまうんです。
当社のように担当者が一気通貫で担当するスタイルは、「自分が顧問先企業のパートナーである」という意識の醸成につながりますし、今後も変えたくないと思っています。
―一気通貫で手を動かし、コンサルも行う形にした狙いはなんですか?
中野:ひとえに、顧問先企業にしっかり寄り添い、些細な事もふくめて担当者が声を聴き続ける体制を持つことが、人に関わる分野の専門職として企業をご支援する仕事を提供する上で、重要であると捉えているからです。また、専門職である士業の強みは、社会的に経営者や責任者の声を聞きやすい立場であること、つまり進んで色々話してくださる環境があります。
例えば、労務課題の質問に対して、親身にならずネットで分かるような単なる一問一答で済ませたり、専門的な事務業務を言われたまま「点」で作業を行っていると、経営者や責任者の望むことの実現に至らず、それが実現できません。ただ単に手続きや給与計算の手続きをしてくれるだけの作業員とみなされます。相手に、顧問先企業の皆様は暇ではないので、作業員と見なされれば、もはや相談相手とはならず、企業の高度な課題解決に向き合う機会にもたどり着きません。
一方で労務コンサルのみをしていても、事務業務と分断されていては、顧問先の企業の日々の人事労務情報に向き合えません。たとえ手続き一つであったとしても、それは顧問先企業における人の異動情報なのです。常に人事情報に寄り添っていない状態で高度な業務に対応した場合、実態を把握していないので、毎回打ち合わせで同じような知識のアドバイスをして、皆で内容を振り返り、また確認してと、一部の人が自己満足するだけで実態は何も変わらない……というケースを起こします。
こうした状況を避けるため、当社は一人の担当者が受け持つ範囲を可能な限り幅広く取り、顧問先の人事に向き合える仕事をしたいと考えています。もちろん、社内でも社員同士が連携をしてノウハウを蓄積し、仕組み化することで皆で活用できるように工夫していますし、業務を後方支援する職員もいます。
企業の根本課題にまで踏み込む「攻めの姿勢」が武器
―そのほかに、AdjustHRだからこそできることはありますか?
中野:AdjustHRの人事労務支援について、特筆する特徴は「待ち」ではなく、「攻め」の姿勢で顧客の問題を深掘りしてヒアリングし、進んで課題の根本的な要因に向き合えることでしょうか。
社労士事務所は一般的に、顧問先企業の社内に、深く踏み込む姿勢が弱いです。なぜなら、社内の労務課題は社労士試験の知識や労働法で解消するようなものだけではなく、複雑な人の感情や、大人の事情、経営側の損得判断など、正解のない問題が含まれます。多くの社労士事務所の職員は、経営者や責任者と深い信頼関係が構築できておらず、社労士事務所自体そのようなリスクのある局面で、職員を守る仕組みに欠けることがあり、担当者は踏み込みたくないという意識が働きます。結果として、毎回表面的な対応策のご提案に終始してしまうものです。
しかし、当社は創業以来、この社労士事務所がいまいち顧問先企業としっかり向き合い、本質的な支援ができない課題の解消に取り組んでおり、内部・外部に至るAdjustHRの職員の品質保証や、サポートに力を入れています。結果として、私たちがやりたい、「常に前のめりに企業の労務課題問題に踏み込む」、そして企業と一緒に解決しようと試みる点で、他社とは大きな違いがあります。
原村:これもやはり、企業をパートナーだと意識しているからこそですね。経営に安心してダイナミックなチャレンジをしてもらうためにも、目に見える範囲の問題は全て解決したいんです。そのために顧客のニーズに合わせてカスタマイズした提案ができるのも、AdjustHRの魅力だと思います。
本ブログは以上です!
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