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【植栽家の日常】20221210 今日の植栽仕事。クリニックの一年草入れ替えメンテ
年に3〜4回、一年草ゾーンの入れ替えメンテをしています。
今日は、5年ほど前から植栽をお任せいただいているクリニックの冬の一年草入れ替えメンテdayでした。
通常ですと、私は自身の信条から植物を消耗品のように季節ごとに入れ替える植栽スタイルの計画はしないのですが、こちらのクリニックに関しては、心療内科でもあることから、患者さんの気持ちに元気を与えられるように、常設の宿根草や樹木に織り混ぜて、季節の花モノを多く取り入れた一年草エリアを設けてカラフルな演出をしています。
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今回は、前日の勉強会でテキストとして使用した、サラ・レイヴンさんの著書からのインスピレーションを受けて、派手なアネモネや濃色のストックなど、結構どギツめの色合いの花モノでコーディネートすることにしました。
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アネモネは、派手派手しい花色と黒藍色の蕊との対比が妖艶で大人っぽい魅力がありますね。
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その他、金魚草やストック、アリッサム、パンジーなど、冬の一年草ド定番なアイテムだけでポット苗数ケース仕入れましたが、今季のメンテではとにかく配色をドギツくすることで、普通に目にやさしい色合いの植栽との差別化を図っています。
これら現状開花中の苗たくさんに加え、来週に開花するチューリップやアリウムなどの球根も数百球植えて今回のメンテ完了😊✨
植えたての一年草植栽は地面剥き出しの部分が多く見映えがよくないので、今日時点での写真は撮っていませんが、株が根付いて植栽がなじんできたら撮影してアップしていきたいと思います。
今回は、サラ・レイヴンさんの著書から得たインスピレーションを基に、エグめな植栽の色みコーディネートを実験しました。
常に外部からの新しい刺激に触れ、それをマネするのではなく、自分のフィルターを通して自身のテイストを持って作品としてアウトプットするという作業は、植栽のみならずクリエイティブ領域にいる者にとってはとても必要な思考創作活動だと思っています。
既に誰かによって生み出された「名作」といわれる作品は確かに素晴らしい。しかし、それをマネしたりちょっと変えてみたりしたところで、それは上っ面だけの安直な偽物だと思うんですね。
ハイブランドの商品にはデザイナーの偉大なクリエイションやメゾンの技術などへのリスペクトやアート的な付加価値としての対価がついています。
そのコピー商品はたとえ完コピであっても、それはどこまで行ってもオリジナルにはなれず、「偽物」であることには変わりはないんですよね。なんとなく似たようなものを作って「私のオリジナル作です」と言ったところで、そのようなものからは薄っぺらな感じが漂うものだし尊敬の対象にはなり得ない。
意識していても無意識でも「マネっ子体質」の人が作り出すものは、たとえそれを売って利益が得られたとしても、作った本人的にはどこか後ろめたさみたいなものを感じるのではないでしょうか(完全に自身のオリジナルだと思いこんでいる人もいて、その方がよりタチが悪いのですが)。
近年、日本でも海外の某・超有名植栽家と植栽図の画風や植物のセレクトがとそっくりなランドスケープデザイナー(もどき)みたいな人もいて、なんだか「こういう生き方ってイタいな」と思う時があります。
この夏、ガーデンデザイナーの吉谷桂子さんにインタビューさせていただく機会があり、昨今の「もどき」っぽいランドスケープ・ガーデンデザイナーについてどう思っていらっしゃるかお訊きしてみました。
吉谷さんも私とほぼ同じ考えで、概略としては「前述の海外の某・超有名植栽家の方の植栽も思想も大好きだし尊敬もしている。好きだからこそ安易に氏の作風をマネるのは失礼だと思うし、氏から自分が受け取ったものを自身の表現に落とし込んで世に出すことが、氏へのリスペクトやオマージュを表する行為なのではないのか」ということでした。
相手を尊敬するからこそ、いただいたインスピレーションを原点に生み出す私自身の作品は、相手に対して私ができる限りの、敬意に満ちた最良のオリジナルクリエイションにしたいなと思っています。