ホームランの打ち方。
「ホームラン!」
私にとってホームランの思い出は10年以上前、
中学2年生まで遡る。(大学時代は試合にも出れずじまいだった)
初めてホームランを打った感触は、今でも覚えている。
ベースを回る自分に注がれる視線が心地よかった。
また数少ない「野球が楽しい」と思える時間だった
また毎晩取り組んだ父との素振りが報われた、素直に嬉しい時間だった。
そんなことを思い出したのは
ベストセラー『嫌われる勇気』著者で古賀史健さんの記事を読んだから。
下記引用
仕事に置き換えていうと、ぼくは「あのときのあれはホームランだった」と思える本が、少ないながらもいくつかある。打ったときの手応えを、しっかり憶えている。だからこそいまでも強い球を打った瞬間に、「でも、レフトフライかも」と思える自分がいる。あのときの感触に及んでいないと、冷静にわかる。毎打席ホームランなんてできるはずがないけれど、打球のゆくえを追わずともホームランか外野フライかの判断がつくようになったのは、ありがたいことだと思っている。
一緒に組む編集者にもまた、できれば「ホームランを打ったことのある人」であってほしい。そうすれば原稿を手放す前に、打球がバットから放たれる前に、「まだホームランじゃない」がわかり合えるはずだから。
ホームランを打ったことのない人の打撃理論は、ぼくにはいらない。打ったことのある人は、みんなそう思っているはずだ。
なかなかシビアな意見ではある。
しかしこうも言っている。
・たくさん打席にたつこと。
・素振りをすること。
野球をしてきた身として何とわかりやすい表現だろう!
ホームランを打つまで「ホームランの感覚」を知らなかった。
しかしその感覚を得る、経験するまでに、何万本もバットを振り込んだことは事実だ。
また素振りも自分なりに考えて「どうしたら打てるようになる?もっとスイングを速くするには?」と取り組んでいた。
そこで多くのサラリーマンが経験するであろう、
営業職における”素振り”のための本を思い出した。
僕は明日もお客様に会いに行く。/川田 修
『かばんはハンカチの上に置きなさい』という著書でも知られる
プルデンシャル生命トップ営業マン川田修さんが書いた物語。
↑(この本も個人的にオススメです。本当にハンカチの上にカバンを置くようになりました。)
プルデンシャル生命をモデルにしたであろう生命保険会社で
主人公である中くらいの成績の若手営業マンと伝説の営業マンが接した1ヶ月を描く。
本書には、本屋によくある『営業の極意教えます!』ではなく、
スキルというより『”営業人”として何が大切か?』を教えてくれる。
要は『徹底的にお客に思いを馳せる』ことが話のキーになってくる。
では『じゃあどんな行動おこせばいいの?』という読者の問いも
物語形式なので、頭に入りやすい。
どうしてもビジネス書だと”知識”や”インプットせねば”的な要素もあるが、
本書は脳内に情景を描ける。
そして本書に書かれる具体的行動には、何も難しいことは書かれていない。
”今からできる”ことばかりだ。
先ほどからの野球例えでいうと
素振りの仕方がここには書かれている。
架空ではあるが、限りなく実話に近い1人の営業の物語。
そして素振りのように1本1本が”ホームラン”へと繋がる。
「千里の道も一歩から」
そう思わせられる作品だった。
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