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流れない星

流れない星

飾らない夜を抱きしめて
笑えない夜に花束を。

眠れない夜にキスをして
流れない星を取りに行こう。

あなたを思ってこぼれた愛は
今日も枕へ溶けてゆく。

あなたを思って溢れた愛は
今日も夜空を駆け抜ける。

今日も夜空を駆け抜ける。

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今回の絵は、私が描いたものです

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トッキョー ⑥

6話

「ぐっ…うぅぐ…」
少年は苦しそうに、悔しい表情を浮かべてその大きな手の持ち主を睨みつけた。
主は、少年の前に立っていた大きな男だった。
「うるさいぞ、少年。」
無機質な瞳が、少年に覆いかぶさる。
男のその、目に見えない、得体の知れない大きさに少年は恐怖を感じた。
少年は精一杯の意地と足掻きで遠のく意識の中、喉元の大きな手をパタパタと叩いた。
男は、ゆっくりと力を緩めた。
げほげほと少年が

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トッキョー ⑤

5話

その瞳はあの時、「もう大丈夫だ」と囁いた1人とは思えないほど冷たかった。1人はしばらく少年を見下ろしていた。
少年はぽかんと口を開けて冷たい瞳の1人を見つめていた。いや、見つめていたと言うよりは固まっていた。蛇に睨まれた蛙みたいに。
少年はハッと我に帰るとむすっと下から1人を睨んだ。
「なんでだよ」
ずっと口を開けていたせいか、声は少し枯れていた。
1人は、ゆっくりと視線を前に戻した。

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トッキョー ④

4話

るりこの母親の嘆きは、少年の方までも聞こえてきていた。

るりこ。
さっきの赤いリボンの少女と、るりこという文字を重ねる。
うん、いい名前だ。
少年はそう思って、いやいやそんなことより、と頭の中を整理した。
いくつかの疑問が浮かんでいた。

一体、この列車はなんなんだ?
どこへ行くんだ?
なぜ、列車に乗らなかったるりこは哀れまれているんだ?
なぜ、皆この列車に乗ることにあれほど必死だったん

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トッキョー ③

3話

「あぁ…るりこ…」
太い声の女性はぶつぶつと呟いていた。
「なぜ…なぜ降りてしまったの…」
「せっかく列車に乗れたのに…」
「るりこ…どうして…」
少女の名前はるりこといった。
そしてこの声の太い女性はるりこの母親の様だった。

ひそひそひそひそひそひそ

「バカだねぇあの子せっかく列車に乗れそうだったのにねぇ。」
「かわいそうにねぇ。列車に乗らないなんて。何考えているのかしら。」
「あの

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トッキョー ②

2話

少年は、少年を引っ張った1人と怒鳴った1人に挟まれながら、まだ乗り込んでくる人々にぎゅうぎゅうと列車に詰め込まれていった。
『扉が閉まります。ご注意ください。』
ピーッと駅員の笛の音が響いた、その時。

「待ってー!お、降りまーす!」

高い声が響いた。少女の声だった。
皆、彼女の方を見た。
「る、るりこ!」
太い声の女性が叫んだ。
「ちょ、ちょっと待ちなさい!ダメよ!るりこ!」
少女は人

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トッキョー ①

1話

少年は歩いていた。
行きたい場所があった。
だけどそこに向かって歩いているわけではなかった。
行き方が分からないからだ。
少年はただ、目の前にある道を、てくてくと歩いていた。
行きたい場所を思い浮かべては、あぁ、行きたいなぁ行きたいなぁと呟きながら歩いていた。

しばらく歩いていると、少年は大きな駅を見つけた。
それはそれは大きな駅だった。
少年は中の様子を見ようと駅の中に入った。
中には

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