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〇〇したら、BtoB展示会でのアポ獲得率が3倍にアップした話

こんにちは、マーケティング担当の福間(ふくま)です。
最近、うちの飼い猫が日差しの強い窓辺でサウナーのようにくつろいでいます。私も、展示会での「熱い」取り組みの結果をここでシェアしたいと思います。

1年前のnoteでは、BtoB展示会でのリアル出展の模様をお伝えしましたが、今回はその続編。展示会でのアポ獲得率をどうやって約3倍にアップさせたか、具体的な方法、ストレッチさせるための過程で何を考えたのかをご紹介します。BtoBマーケティングで展示会を活用し、成果を上げたい同志の方々に、少しでも参考になれば嬉しいです。

特にベンチャー企業など、これから展示会に出展しようと考えている方に向けて書いています。毎年、ゴリゴリに展示会出展をしている方とは当てはまらない内容になるかもしれませんが、ご容赦ください。

1年前と変わらない可愛さ。2歳半になりました。

1年前と比べて何が変わったか?(背景)

さて、1年前と比べて私たちの状況がどう変わったか、ちょっとお話しします。最近、AI搭載の生産計画DX「最適ワークス」の新バージョンを中堅・中小製造業向けにリリースしました。

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これもそのひとつですが、プロダクトの成長に伴って、マーケティングチームに求められる振る舞いも変化してきました。

具体的には、これまで幅広い製造業のお客様に対応してきましたが、ここ半年間は特に「中小・中堅規模」の製造業様に向けたアプローチに注力してきました。これは、様々な製造業のお客様をサポートする中で、生産計画が未整備、または不十分なお客様が初めてシステム化に取り組む際に、より価値を実感していただけることが分かったためです。

属性情報に制限を加えるほど、見込み客(リード)の母数は少なくなります。母数が限定的になる中で、アポの「数」を確保する。マーケティングチームとしては、インサイドセールスと連携しつつ、なんとかフィールドセールスにパスをつなぐ必要があります。
そのためには、そもそもの接点機会を爆増させるか、アポ化率を改善するしかない。そういった書いてみればあたり前ではあるのですが、改めて「あたり前」の数値改善に、展示会というフィールドで向き合ったという話です。


具体的にやったこと

ペルソナの明確化とコンテンツ戦略

まず起点にしたのが、ペルソナの整理とカスタマージャーニーマップの作成です。Yamamoriさんのインサイドセールス立ち上げのnoteでも触れていますが、中小・中堅規模の製造業様に向けたアプローチを設計する上で、これらの内容は展示会での訴求、イベント後のフォロー動線、すべてに影響しています。

タイミングを同じくして、コミュニケーションの中身も見直す必要に直面していました。単に「属人化解消」や「工数削減」という現場の関心事だけではなく、工場運営や事業継続のために「あるべき生産計画とは何か?」という、よりお客様の経営課題に踏み込んだ会話が、コミュニケーションの初期から必要ではないか……というのは、多くの商談を重ねる中で出てきた意見です。

このあたりもペルソナやフェーズに合わせて「よきタイミングで」「適した情報量の」コンテンツを提示したいのですが、まだ日々試行錯誤中です。
とにかく、今後の磨き込みも必要ですが、ペルソナやカスタマージャーニーマップは、"何か判断に迷うたびに立ち返るところ"として、展示会施策においても多分に役割を果たしてくれました。

展示会のオペレーション見直し、検証、検証、また検証…

さて、話を展示会に戻しまして。
数値成果を最大化するため、まずは展示会でのオペレーションを細かく分解し、改善できるポイントを確認しました。

これまでも展示会には幾度となく出展してきており、リード獲得数・アポ獲得数について、それぞれの指標を追いかけてきました。しかし、成果を最大化するには、これまでのやり方を俯瞰し、いちから見直す必要があるのではと感じていました。そんな中、こちらのnoteを読み、ジャーニーの構成要素を分解して考えれば、私たちのウィークポイント発見につながるのではと直感しました。

そこで、noteを参考にしつつ、ジャーニーを図示してオペレーションを分解。改善できる要素を、ひとつずつ確認することにしました。

まずは各地点の数値を把握するところから

この時点での実績数値を当てはめてみて、伸びる余地がありそうな変数には、仮に目標数値を設定しました。過去の実績などから試算できれば良いのですが、根拠となる数値がないときには、もう「このくらいは伸ばそう」という気概で見積もりました。急に脳筋ですみません。

ただこの時点での目標数値は、後で100%達成するかどうかは正直二の次で。ギャップの埋め方を思案するための、あくまで目安としていました。
それぞれの変数に対して「この数値を上げるには何ができる?」と焦点を絞ってゼロベースで施策を思案し、全体での優先順位をつけ、現場で検証しては継続/ストップを判断する
この半年間ほど、それを繰り返して、コツコツと改善活動を進めました。


効果的だった取り組み

目標は『当日確定のアポ数』のみ

思い返してみると、一番効果的だったのは「目標を当日確定したアポ獲得数のみに絞って再設定したこと」でした。
この目標のメリットは大きく2つ。「(1)あらゆる判断基準がシンプルになる」「(2)評価しやすいので改善しやすくなる」ことです。

1. 判断基準がシンプルになる

従来のやり方では、展示会では2つの目標「リード獲得数」「アポ獲得数」を掲げていました。
リード獲得数も同じく目標としていたために、展示会ブースでの対応として「多くの訪問客に対応できるように回転率を上げるべきか」「商談獲得のために深く踏み込んだ会話に時間を使うべきか」の方針がどっちつかずになり、その場での判断が複雑になります。
判断が複雑になるほど、展示会や商談の場数など経験値がものを言うので、メンバーの属人的なスキルや調子に依存しやすくなります。身も蓋もないことをいうと、参加メンバーが誰かによって、展示会全体の結果が大きく左右されるのです。

また、従来のやり方では展示会後、後日フォローにてアポが確定することが大半。その場ではブース対応の良し悪しが評価できず、短いスパンで軌道修正しづらい部分がありました。

新たに目標を『当日確定のアポ数』に絞ったことで、そのためにどうすれば良いか、ブース対応の判断基準がシンプルになりました。また、その場で結果が出るので、フィードバックが得られやすいのも利点でした。

各自が得たフィードバックは、翌日に向けての改善アイデアとして共有

リード獲得数については、展示会やブース位置を選定した時点で勝負の大局は決まっています。そこで外部の支援企業にサポートを受ける形で、社員メンバーで当日の目標数値を追うのはやめました。これにより、社員メンバーは接客対応にリソースを集中できるようになりました。

2. 評価しやすいので改善できる

さらに、目標の粒度が細かくなったことで「成功パターン」がより明確になりました。成功パターンのオペレーションが具体化すると、ノウハウ共有もしやすくなりました。

ターニングポイントになったのは、2024年6月の展示会です。とあるセールスメンバーがぶっちぎりのアポ数を獲得したのです。
しめた!と彼の成功パターンをインタビューさせてもらい、意識してやっていることを言語化し、次の展示会から共通のオペレーションとして取り入れることにしました。

当日のアポ獲得に必要なオペレーションを共通化

翌7月の展示会では、他の参加メンバーが実際にオペレーションをやってみて「この会話ポイントが効果的だった」「この切り返しがよかった!」といったノウハウ共有の波が起こりました。
成功基準が明確だからこそできた会話ではありますが、メンバーたちの積極性に感謝しかありません。これ驚くのがセールスメンバーに限った話ではないのです。すごい。

あわせて、オペレーションが共通化したおかげで、成功パターンを誰でも再現できるようなツールの整備も進めることができました。トークの流れに沿ったヒアリング項目や資料など、脱・属人化にかなり効いてます。

そんなこんなで、もちろん数としてはセールスメンバーが決めることが多いですが、普段の業務にかかわらず、チーム総力戦で『当日確定のアポ』を獲得できるようになりました。
またさらに、当日確定のアポ獲得を目標とすることで、ブース対応でのコミュニケーションの質が上がり、副次的に、全体のアポ獲得率が上がるということもわかりました。

チーム総力戦!当日確定のアポを報告する、怒涛のSlackスレッド


マーケは準備7割、当日3割

展示会当日のオペレーションを洗練させることと両輪で、イベント終了後のフォローとの連動にも取り組みました。

会期中は『当日確定のアポ数』に集中するためにこそ、イベント後の動きはなるべく会期前に準備完了しておく必要があります。展示会施策にてマーケティング機能としてやることを図示化してみたら、実に70%は事前の仕込みでした。

会期前にドミノを並べておくイメージ

施策をトライする中では、次から次へとメールをたくさん送ってしまって顧客体験を悪くしてしまった失敗もありました。メールの向こう側には受け取り手がいることを忘れるべからず……。現在は丁寧にコミュニケーション量を調整をしています。
このあたりはインサイドセールスチームとの連携も必須。互いに声をかけあっていて、心強い限りです。


結果:アポ獲得率が3倍にアップ!

他にも言い出せばキリがないほど細かな改善活動を重ねまして、今のところこの半年間でアポ獲得率は約3倍にアップしました。わーい!

展示会終了後から2週間経過時点での比較

また、オペレーションを分解して数値改善に取り組んだことで、「展示会の種類ごとに、改善できる数値に違いがある」ということも定量的に把握できるようになってきました。
たとえば、都市部で開催される大型展示会と、地域で開催される中小規模イベントでは、参加者の行動パターンが異なるので改善できる項目も異なってくるということです。それぞれの特色にあわせた攻略方法づくりも、今後やりたいところです。

さいごに

なんとなく数値やパーセンテージを用いてオペレーション改善の話をすると、現場の手触り感なく伝わってしまう恐れがあるので補足をば。ツッコむならば「1件を数字でしか見てないじゃん」みたいな違和感が生じかねません(マーケターはときにそれがある)。

勝手な持論ですが、自分は1件を「出会いのきっかけ」だと解釈してます。
最適ワークスとの出会いにより、毎日の業務負担やストレスが楽になったり、ひいては工場運営や業績改善に効果を得られたり。
出会うことで良い変化が生まれる、そんな出会いを必要としているお客様とできるだけ多くつながり、誤解なく知っていただく。そのために必要なブラッシュアップを進めていくぞ!の心持ちで、あらゆる施策の改善に向き合っています。

まだまだたくさんの問題があるけれど、他のチームとも連携しながら改善を重ねています。整備している途中だからこその困難はありますが、そんな状況を楽しめるような方、成果を追求しながらお客様との『出会い』を大切にしたいと考える方、ぜひ一緒に働きませんか。
業界特有の課題解決に特化したバーティカルSaaSの成長を支え、製造業のお客様に価値を届ける仕事に挑戦したい方、まずはカジュアル面談からでも!ぜひお声がけください。

展示会ブースの雰囲気を一部お届け 2024夏

展示会風景。青いTシャツが印象的
大小さまざまな展示会に参加しました
初めての形式に戸惑うことも
ブース内ミニセミナーでは数多くの方に立ち寄っていただく
まだまだ一部ですが、お疲れさまでした!


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