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そあ
2021年5月21日 21:30
夢なんて重くならないうちに 綿毛みたいに飛んでしまえばいいのにさ いつまでも涙を吸い込んで ぐずって 情けなくって 散っていけないのよ 交差点 うつむいて下がる前髪 白い軽トラックのライトがスローモーション イエローグリーンの光に僕の亡霊だけ轢かせておいたんです あの扉を開けたらあの子がいて だらしなく口の端を上げておかえりって言うんだ 薔薇の棘でトびたいっていう君は
2021年2月26日 21:00
黒い月が染み出す夜に 青い鳥を探す狼は誰 飼い殺しの時限爆弾の中身は 滑稽な道化師であればいいのに 手を合わせたら 虚夢に溶けてほら 音もなく魂まで融解する 懺悔なんて 大そうなものじゃない 見よう見まねで 傲慢に祈るだけ ステンドグラスで照らされた眼窩は 白昼 君の目元の鮮やかさに似て 赦されたみたいな清々しい顔で ヒトの目を欺く 「嫌いになったでしょう」 不釣合
2021年2月16日 21:00
白百合を口に詰められて 窒息する夢を見よう 僕に触れないで 綺麗にしてみせてよ もう 何も汚したくないから 待ち構える太陽には とびきりの作り笑いを 大好きな音楽を 消える感傷にしないで 君が僕を忘れる前に 僕が僕を忘れる算段で 排煙ファンの隣で息をする 瞳は 何度目かの雑踏を捉えた 三日月の破片を水槽に沈めて 逃げる魚の残映が 何もない部屋の壁に 仄暗く 陰って
2020年10月12日 20:55
開ければ 幸せが出てくる箱なら君は 喜んで値を付けた?売った時間と 人肌と 後悔記憶の中 自画像に爪を立てる昨日まで蕾だった 花 踏んで狂ったみたいに 笑い出す蹴り上げる靴の先は檻の中から吹き出す シャボン玉 潰していった絵本の兎が 赤い瞳に涙を溜めた怯える剥製は 言葉を持たず 不満の色鏡に映ったのは 古びた体躯だけ幸いだ 誰も心など見たくはない首をもたげた サーカス
2020年10月9日 20:50
女学生に道を譲れない雨の道は 醜く濡れていた黒い服を好んで着るのは少し優しくするだけで 喜ばれるから駅のホームのどこまで歩いたら平穏な気持ちでいられるかな誰だっていいさ 思い通りにならない日の僕の心を 逆撫でしないなら車内 不眠明けの頭は 感傷までバグって幼い少女の大げさなセリフが 刺さったまま『 だ い す き 』 その言葉を誰もが 誰かに 言われたがっているのに無
2020年8月19日 21:05
路上で廻る パペットショーに投げ銭対価は心 狂うほどの高値構って欲しそうな顔が いくつも並んで搾取されるのを待っている昨日の詐欺師は 今日の被害者避雷針の上で カラスが嗤う聞こえないふりをしてダミーの善人を あしらってゆけ ここじゃ皆が人間不信さマッチ売りの少女は 喫煙所でダウナー憐憫と同情は 好奇の眼差しネオン街で夢を追うインソムニア・ボーイとすれ違う迷路になって
2020年6月3日 20:45
瞳を凝らして見つめた 道路の先に気球子供の頃から飛び立たないまま道化に目的を求めては 一人傷ついて仮面が割れ落ちる 歪な音がうるさい 3階のアパートの誰かの部屋にはまだ明かりがついていてベランダの椅子で 出ない煙を吸うのでしょうドーム型の白い月と青狂いだした昼下がりに 手を振っていたなら一方通行で 友達になってくれますか 運ばれていく 透過した雲の一群が意識のない
2020年5月31日 22:01
3、2、1 アンサーの次に Q倒れた写真立て カーテンは風を逃がす目隠しされた籠の鳥の自由は 空想の世界君はそれを 幸せじゃないと言うの 虹がかかるときの 光と街の不調和思い出した 知っていた これは救済の前触れ 今年最初の入道雲を見て青くハイライトされた空に怯えた あの日 君が 切り落とした封筒から サルビアの花びらが飛び散った約束なんてしていない僕はいつだっ
2020年5月22日 21:05
悲しみの石を 夜の海に投げ捨てたあの光の溜まり場まで 飛んでいっただろうか喜びは離着陸 悲しみは操車場 片翼の天使 一輪の花に 飽きてしまった 喜怒哀楽はレンタルだから いつまでも待っていてはくれないの感情のクローゼット ノスタルジアの甘い毒取り出しては 身につけて 眺めてこの身にも君の心にも 戦闘服があるのでしょう 何も感じなくなるのを待っていた囚われていた 君が幸せにな
2020年4月28日 21:20
昨日と今日を切り分ける 午前7時の光は春で行く宛の無い シャドーブラウンの猫が眠るいつか頭を撫でられると 期待し続けていた待ち惚けの耳が落ちる 涙を忘れた無関心な双眸 すりガラスの水槽で 熱帯魚が滲み出す極彩色の体躯の前に 僕の悩みは薄汚れたこの孤独に目が慣れた時 世界はどう見えるのか 押し固めた幻覚は紙粘土みたいに遊び飽きた頃には 軽くなって 転がっていた 不自然な人形劇の