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読書年報|2024年ベスト37選&読了本310冊の記録とふりかえり
2024年もあっという間に年の瀬…!
今年の読了本のなかから、あらためて「これほんとよかった…!」「出会えてよかった…!」「めちゃくちゃ再読している」「未読の方はぜひ読んでほしい…!」などの個人的な思いがあるベスト作品を選出し、ブクログの記録とともにさかのぼって書きだすと37作品となりました。
個人的な題目を考えていろんな「〇〇〇3選」というのもやってみようかなと思ったのですが、ちょっと間に合わなかったです。
(やったところで誰得なのですが…)
1作品ずつ週報や月報のようにふりかえるとえらい分量になるので、何作品かピックアップしながらふりかえるという超個人的な取り組みをします。
【小説】と【エッセイ(ビジネス書なども含む)】に分けてみたので、ご興味があるジャンル、もちろん両方でもぜひ読んでいただけたらうれしいです!
それぞれ敬称略、順不同となっております。
小説
• 朝井リョウ 『生殖記』
• 岩下悠子 『漣の王国』
• 金原ひとみ 『アンソーシャルディスタンス』
• 木爾チレン 『二人一組になってください』
• 九段理江 『東京都同情塔』
• 斜線堂有紀 『星が人を愛すことなかれ』
•高瀬隼子 『新しい恋愛』
• 多崎礼 『レーエンデ国物語』 4作品
• 辻堂ゆめ 『ダブルマザー』
• 野﨑まど 『2』
• 平野啓一郎 『富士山』
• 松田いりの 『ハイパーたいくつ』
• 三津田信三 『首無の如き祟るもの』
• 森博嗣 『すべてがFになる』
• 芦花公園 『極楽に至る忌門』
• S•A•コスビー,加賀山卓朗
『すべての罪は血を流す』
• M•W•クレイヴン,東野さやか
ワシントン・ポー刑事シリーズ 4作品
• キミ•カニンガム•グラント,山﨑美紀
『この密やかな森の奥で』
・レベッカ•ヤロス,原島文世
『フォース・ウィング-第四騎竜団の戦姫-』
【小説編のふりかえり】
Xで仲良くしてくださっている方から教えていただいた三津田信三先生の刀城言耶シリーズ第三作目『首無の如き祟るもの』は、わたしが読んだミステリ史上最高傑作でした…!ずっとおもしろいことはもちろん、弩級の驚きと背筋がひんやりゾッとする体験をした一冊。本当に出会えて良かったです。
ホラーとミステリの相性のよさを実感!
多崎礼先生『レーエンデ国物語』もめちゃくちゃ良かった…!ファンタジー小説は『ハリー・ポッター』や『ダレン・シャン』シリーズ以降読んでいなかったのでは…と10、15年?ほど久しく遠のいていたジャンルでしたが最高でした!
レーエンデという美しく幻想的で悲しい国が積み重ねてきた歴史そのものが、歩んできた人々がそれぞれの理念や覚悟ともに立ち上がり刻んできた全てが、何冊もの歴史書となっているようで…来年の夏頃完結するらしいので、刊行を楽しみにしています。
M•W•クレイヴンのワシントン・ポー刑事シリーズ(ストーンサークルの殺人、ブラックサマーの殺人、キュレーターの殺人、グレイラットの殺人、ボタニストの殺人(上下))は『ボタニストの殺人』が発売する1ヶ月前に急に読みたくなって読みはじめたんですが、このシリーズを読んでいた期間は可処分時間の全てを費やすくらい本当におもしろくて…!
寝るに関してはちょっと侵食してた気が……。
夫に「おもしろすぎる…読み終わりたくない…でもつづきが気になる…つらい…」とずっと言っていた記憶があります。
来年以降も続々と翻訳されたものが刊行されるらしいのでそれを楽しみに、完結するまでずっと追いつづけたいシリーズです。
松田いりの先生『ハイパーたいくつ』もすごく好きな作品。小説で笑っちゃうのは初めてな気がするくらい(全然コメディ作品ではないんですが)深刻さが突き抜けすぎて、言葉を文章を追いかけて置いてかれないようにしているうちにこんな息切れしているとは…
エッセイなど
• 青山南 『本は眺めたり触ったりが楽しい』
•イ・スラ,原田里美,宮里綾羽
『日刊イ・スラ 私たちのあいだの話』
• 稲垣えみ子 『アフロえみ子の四季の食卓』
• 稲垣えみ子,大原扁理 『シン・ファイヤー』
• 小津夜景 『ロゴスと巻貝』
• くどうれいん 『日記の練習』
• 古賀及子 『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』
• 古賀史健,ならの 『さみしい夜にはペンを持て』
• 國分功一郎 『哲学の先生と人生の話をしよう』
• 近藤康太郎
『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』
• 坂口恭平
『躁鬱大学 気分の波で悩んでいるのはあなただけではありません』
• ジェーン•スー,桜林直子
『過去の握力、未来の浮力』
• 島田潤一郎 『長い読書』
• 土門蘭 『死ぬまで生きる日記』
• 中島岳志 『思いがけず利他』
• 永井玲衣 『水中の哲学者たち』
• 平野啓一郎 『私とは何か「個人」から「分人」へ』
• 山本善行,清水裕也 『漱石全集を買った日』
【エッセイなど編のふりかえり】
稲垣えみ子さん『アフロえみ子の四季の食卓』をはじめ稲垣さんの著書にかなり影響を受けた1年でした。
(去年読んだ作品ですが『家事か地獄か』もすごく良かったです。物事の考え方や捉え方だったり、当時悩んでいたことがかなりクリアになりました。)
そしてさらに前進させてくれる内容だったのが、稲垣えみ子さん、大原扁理さん『シン・ファイヤー』
発売前から楽しみにしていて、発売後からいまに至るまで繰りかえし読んでいる一冊。
(大原扁理さん『年収90万円でハッピーライフ』もめちゃくちゃおもしろくて大好きです)
FIREについての話ではあるけれど、お金に囚われすぎず、人生の生き方や楽しみ方、もっと広い考え方で世界(生活)をみるチカラや、SNSや情報を取り入れすぎて凝り固まりがちな頭の筋肉をやわらかくほぐしてくれます。わたしもおふたりのように生きていきたく試行錯誤中。
近藤康太郎さん 『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』も定期的に読みかえしている一冊。
自分にビシビシ刺さる言葉がたくさんあって、本を持ち歩けないときはスクショした画像を出先で見かえしたりしています。読むことに集中できなかった時期もこの本を読みかえして読書の楽しさだったり難しさに向き合う姿勢だったり、本を読むことは意図的であってもそうでなくても、まさにコツコツと自分を耕している時間だなと感じて、読みたいきもちを取り戻すきっかけにもなりました。
永井玲衣さん『水中の哲学者たち』を読んで哲学に興味をもった一冊。永井さんの言葉の数々がわたしのこころのささくれをなだらかにしてくれて、荒波にのまれて暴走しそうになるきもちをおだやかにしてくれる。わたしのお守りのような一冊。
本ではありませんが、永井さんが大島育宙さん、西川あやのさんと3人で『夜ふかしの読み明かし』というラジオをやっておられるのですが、哲学対話や読書会のコンテンツがめちゃくちゃおもしろいし勉強になるので何度も繰りかえし聞いています。
平野啓一郎さん『私とは何か「個人」から「分人」へ』は特に人と接するのがあまり得意ではないわたしにとってめちゃくちゃ勉強になった一冊。人の顔色を伺いがちだったり人の機嫌に引っ張られがちだったり、自分と別の相手だと態度や打ち解け方みたいなのが違っていると「わたしといるよりあの人といるほうがいいよね…」みたいな考えになったりと、なにかと人間関係に敏感すぎて悩んだりした時期もあったけれど、この一冊できもちが楽になったというか、自分もそうだしそんなものだと考えすぎないようになった。
國分功一郎先生『哲学の先生と人生の話をしよう』はもう先生の相談をきく姿勢に脱帽すぎて…。
相談者の相談のなかで書かれていないことを読み解く、本当にきいてほしいこと・思っていることなどを掬いあげる先生がすごすぎて。
相談をきく側、する側どちらも勉強になった一冊。
ひとに相談する段階で、自分の相談ごとのなかに隠していることやあえて伏せていること、自分にとって都合のよいような言い方や表現になっていないかなど、一旦落ちついて考えるといつのまにか相談するまえに解決の糸口を発見できる思考回路が育ちます。
山本善行さん、清水裕也さん『漱石全集を買った日』は、もう沼……!!わたしの読書生活に新たな文脈が開通された一冊。近代文学という路線地図が、航路が、開けつつあります。新たな世界を知ってしまい目の前が眩しすぎる…!
まだ卵の殻すら割っていない初心者も初心者なので、来年は古本の勉強しながら積極的に読んでふれて味わっていこうと思います!
【2024年 読了本一覧】
今年読んだ読みものという読みもの(雑誌、漫画、絵本も含め)の310作品の一覧です。
ブクログに登録できなかったものは最後に別途写真を載せています。(ZINEなど)
固まっているジャンルなどをみると、そのときそのときに自分が興味をもっていたことが分かっておもしろい。
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『模倣犯』は(ニ)まで読んでそれ以降読んでないということに気づく。
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夏葉社が出版している本を少しずつ読みはじめる。
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わたしも同じくハマる。
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『古本大全』を読んで古本の魅力に魅せられはじめる。
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〈マリア&漣シリーズ〉良い…!一気読み。
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1番右下は有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』です。
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いつかわたしもZINEを作ってみたいと思っている。
【2024年の読書記録を振りかえって】
お金や暮らし(ミニマリスト・食など)、哲学(哲学対話)日記文学、生きること、書くこと、読書について、古本などそのときそのときに興味があることに関連する本を読んできた濃い1年だったなと思います。
世界を広げてもらったり、知らない世界との出会い、物事の捉え方、可能性、視点の幅などたくさんすぎる気づきを体感することができました。
わたしは“自分ってなんだろう”“自分になにがあるんだろう”“自分になにができるんだろう”など、自分の何も無さや生産性の無さに常に打ちひしがれることがあって(朝井リョウ『生殖記』をまた読み返したくなる……)
自分に向きあうことや自分が物事に対してどう思っているか感じているか、自分はこれが好きでこれは苦手、これが良いということを伝えられる勇気だったり、なにができてできないのか、分からなさのもどかしさ、ままならなさ……取りこぼしてしまったりこぼれ落ちてしまいそうなきもちの断面やカケラについて立ち止まって考えること(練習)が少しずつできはじめているのがよい兆しだと思っています。
自分丸ごと変えたいと思いつづけた数年間でしたが、自分の本質や根っこの部分を変えることはできなくても、成長することや考え方の選択肢を増やすことはできると実感しはじめました。
読了ポストやnoteに書くようになってからは、自分が読み終わって感想を書きおえるまで同じ作品の感想を検索したり見たりしないようにして、自分のなかで湧いてくるきもちを言葉にすることを意識するようになりました(アウトプットするようになるまでは、本や映像作品など含めて自分の感じた感想が合っているのだろうか…と答え合わせのため、安心するために検索していた)
わたしの記事を読んでくださった方がいたら、あらすじは書いていないし、内容に沿わない感想だったり、内容が全く分からんというようなこともあるだろうし、誤読もあるだろうし。
なのでそうして湧いてきたきもちだったり、作品を読んだことで自分の内側に触れたものを書いたりということがあるので、自分語りになってしまったり。
基本的に人から影響を受けやすいし受けまくってきもちが揺さぶられまくるブレブレ人間なので、人の感想などを読んだり見たり聞いたりするうちに自分が分かった気や感じた気になって、誰かの思いや言葉や意見がいつの間にか自分の言葉だと思い込んだりしてないかなといつも不安になったりもしつつ、いつかこの積み重ねが自分の言葉となって育ちつづけるために、これからも無理のない範囲でつづけていこうと思います。
(三宅香帆『「好き」を言語化する技術』がとても参考になっています。)
それが誰かの“読んでみたい”につながるきっかけになれたらもっとうれしいです。
わたしにとっての“読書”が好きなこと・読む理由のひとつは、自分の考えや意見や思いに芯をもってぐらつかない柱の一本(自分)を育てる糸口や道筋を見つけることができるひとつの手立てだと感じた1年でした。
来年も変わらず興味があるものの方へ、そのときそのときに読みたいと思った作品を読んで、そしてまだ自分が知らない作品や言葉との出会いも楽しみにしながら新たな年を迎えたいと思います。
2025年はどんな作品たちを読むのか…わたし自身も来年の年報がすでに楽しみになっています。
そして2025年の読書計画も年明けに投稿しようと書きはじめているので、そちらもよろしければぜひ読んでいただけたらうれしいです。
長々と最後まで読んでくださった方ありがとうございました!結局えらい分量になりました…!
良い年末をお過ごしください。
そして新しい年を無事に迎えられますように。