読書日記 DIE WITH ZERO お金の使い方
アリとキリギリスという話があるけど、その真ん中くらいがいいんじゃない?
という主張の本だと理解している。
これは早死に、長生きに関してではなく、お金の使い方に関して。
日本人の多くは年金受給の先延ばしや減額、または増加する医療費の自己負担に備えて老後資金を蓄えてきた。いや、いまも蓄え続けてている。老後の生活資金には2500?万円が必要と麻生さんも言っていた。
ただ医療費は健康保険に加入していれば自己負担の上限はあるし、生活費も収入が支出をうわまわっていれば貯金を切り崩す必要もない。
この図解は非常に的を得ている。若い時は時間と健康はあるから肉体労働や深夜労働で不足する金を補うことができる。
シニアになると金と時間はあっても体にガタがきて旅行やアクティビティをしたくても出来ない。よってシニアに備えて潤沢に貯蓄していても、実際に使うのは難しい。
どうせなら一定の貯蓄ができた段階で、家族との時間や経験、そして思い出をつくるためにお金は使ったほうがいい。
それが記憶の分配としてその後の人生に継続的に幸せをもたらすのだ。
我が家はこの夏、予定外ではあったが2カ月半の育児休暇を取得した。前半は妻の体調回復に専念したが、後半の8月末あたりからは思い出つくりの為に遠出もした。
海を見に富山や静岡に出かけて、娘は初めての大浴場やホテル内のカラオケを楽しんだ。新潟の水族館では憧れのウツボを観察することができた。
育児休暇を取らずに毎日遅くまで働いていたら、これほどアクティブに活動することはできなかっただろう。
以前の投稿にも書いたが、日本人は真面目すぎで働きすぎだ。仕事の為に生きているような人生は避けたい。
死ぬ前に後悔することの第一位は、もっと自分の気持ちに正直にいきればよかった、第二位はあんなに働かなければ良かった、らしい。
あのスティーブ・ジョブズですら死ぬ前に『もっと家族と一緒に過ごすべきだった』と後悔したという。
勿論、働くことに生きがいを感じる人も多くいよう。かくいう私も海外駐在時は毎月欧州内を飛行機で出張に行き、徹夜でプレゼンの練習をしてくたくたになっていた。霞ヶ関では深夜まで働き毎日タクシー券で帰宅していた。それでも充足していた。
ただそれは若いからできたこと。
40を過ぎて家族ができた今はより家族との思い出にお金をつかいたいと強く思うようになった。つまり上の三角形で言えば、短くなっている時間という一辺をお金で買うのである。
この本がトリガーという訳ではないが、我が家は来年海外移住することを決めた。お金と健康があるいま、思い切って家族と娘の海外経験のために数年間私は主夫になる為に県庁を退職してアリのようにお金を老後に蓄えるのはもうやめた。大切なのはここぞというタイミングを見極めること。我が家にとっては今がそのタイミングだ。
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