サトウの釣りnoteと見せかけて『ミクロの世界。ペーパー工房金子さん』
みなさんごきげんよう。サトウです。
唐突ですが、箔押しという印刷技法を知っていますか?箔押しとは字の如く、金や銀で出来た箔を、熱と圧力が調整された金属型を押し付ける事で文字やデザインを転写する印刷技法です。箔押し特有のエッジの効いた輪郭は白地に引かれた一本の黒い線ですら、通常の顔料印刷との違いを感じる事が出来る魅力を持っています。
本日はそんな箔押し印刷のスペシャリスト、ペーパー工房金子さんをご紹介致します。
ペーパー工房金子さんは長野市安茂里に加工場がある印刷会社さんです。
https://paperkoubou-kaneko.com
印刷会社と言うものの、その事業内容は幅広く、各種特殊印刷から製本、自社ブランド『豆吉文具』の製作販売も積極的に行なっています。
▫️出会い
栞として二次利用可能なブランドタグを作ろうと決めた私たち。co:doに使用する紙と言えば内山紙。梱包用の和紙を依頼していた阿部製紙さんに早速相談を持ちかけたのでした。
https://note.com/_codo_/n/n85a6b64411de?magazine_key=mc33a76c61b3f
完成イメージ図だけをラフで描き、割とノープランでブランドタグを作りたいと話しを持っていったサトウ。『ただの印刷はウチでも出来るが、どうせならプロの印刷屋さんに。』と阿部さんにご紹介頂いたのがペーパー工房 金子さんでした。
まるで素人のサトウですから『一色印刷でもそんなに違いは出るのかしら』なんて事を内心思いつつ、ペーパー工房さんとの商談をスタートしました。印刷データーを入稿し、阿部製紙さんへ内山紙の発送を依頼。その時事件は起きたのでした。
なんとサトウは、栞完成サイズの内山紙をペーパー工房さんに送りつけたのです。その数1,000枚。通常栞のような小さなモノは、印刷をした後に裁断をした方が圧倒的に作業効率が良いのです。極端な話しデザインを100個並べる事が出来る用紙を用意すれば、印刷自体は10回で済みますからね。
1,000回印刷の刑を執行してしまったサトウ。ペーパー工房さんから連絡が入ります。『紙が小さ過ぎて印刷機にセッティング出来ません。。が、何とかしますのでお時間頂けますk』『お願いします』ザックリと食い気味にこんな会話を交わし、印刷サンプルを待つサトウ。待つしか出来ないサトウ。上がってきたサンプルを見て驚愕。ただの一色でブランドロゴが入ったその栞のなんともまあお上品な事。箔押しです。
これがサトウとペーパー工房金子さん及び箔押しとの出会いでした。
▫️技術
冒頭にも書いた通り箔押しは通常の顔料印刷では表現出来ないエッジの効いた線を表現する事が出来ます。どうしてか。
金属で出来た型で押し込む訳ですから、簡単に言ってしまうとその部分が凹む訳ですね。しかし想像してみてください。凹むと言っても紙の厚みの中で凹む訳ですから、0.0Xミリの世界の中で凹ましている訳です。
今回私たちが依頼したデザインは両面印刷。紙の厚みの中で表裏どちらのデザインにも影響が出ないようそれぞれを押し込む訳です。両面で2,000回。
さらに言うと、私たちが選んだ紙は内山紙。和紙です。機械的に整ったつるんとした洋紙ではなく、不均一に繊維の入り乱れる和紙なのです。表裏それぞれのデザインに影響が出ない程度、厚みの不均一な和紙の厚みの中両面押し込むのです。あのおじさんの細かなデザインを。
金子さんは何か悪い事をしたのでしょうか。
良くもまあこの様な条件の仕事を一発目から依頼したもんだと、今では思います。
『デザインが細かくてね。』と優しい声で呟きながらも、完璧に箔押しをしてしまうペーパー工房金子さん。見せて頂いた加工風景。
また驚きました。わかりますか。わずか0.0Xミリの調節をあの大きなハンドルで行うのです。デジタル画面のピッピッピッではないんですよ。まさに職人技ですよね。
この栞を目にする機会が有れば凝縮された技術を是非ご体感頂きたいです。
co:doを通して出会えたペーパー工房金子さん。今では和紙に加工をしたければ金子さんと、何でも無理を相談しております。
0.06ミリ厚の内山紙 薄雲竜への印刷も、どうしても和紙で作りたいと依頼をした指輪用の箱も。
co:doの輪が広がっていき、金子さんのような本物の技術を体感させてもらえる。こんな素晴らしい事はありません。
co:doに携わる全ての皆さんに感謝しかございません。
いやー本日も更新は日付を超えまいましたね。
それでは良い週末を。ごきげんよう。