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奈良天川村の夏・『山の神さま』とイチョウの木

遠方からも参拝する人が絶えない天河大辨財天社
十津川村の玉置神社と同様、『呼ばれないとたどり着けない』神社として有名ですが、今までは2回、友人の車で連れて行ってもらいました。
今回はひとり旅(路線バス)でたどりつけるか、チャレンジ!

天河大辨財天社から洞川・龍泉寺へ行って、役行者えんのぎょうじゃゆかりの場所を巡るのが目的でしたが、見つけたのは地元の方に大切に守られている『山の神さま』と、イチョウの木でした。



◇来迎院のイチョウの木

バスの本数が少ないので14時過ぎの到着になりましたが、近鉄・下市口駅から奈良交通さんのバスに乗り、天河神社にたどり着くことができました。

拝殿が混んでいそうだったので、まず向かいのイチョウの木にご挨拶。
いつも元気をくれるイチョウです。

銀杏がすずなり!
パワフルすぎ~!

※天河神社のHPでは、空海さんによるお手植えで樹齢1200年以上、とされていることを最近見つけました。


◇天河大辨財天社

前回行きそびれていた禊殿へ。

天ノ川
水がきれい!
やっと拝殿へ
ひっそりと『役行者堂』
池の近くにいた鳥

池のまわりで仲良しペアで戯れていた鳥さん、かわいすぎたので2ショット入れました!(何鳥がわからない…。)

天河神社は夏でも祭典が多いので、多くの人で賑わいそうです。


◇天川・栃尾


宿泊は、天河神社から車で5分ほど山奥にある、大谷屋さん。

高齢のご夫妻2人だけできりもりされている民宿ですが、これ以上ないくらいの贅沢な時間を過ごすことができました。

栃尾バス停前にある民宿なのですが、観光するにはバス時刻が合わずキャンセルしようとしたところ、今回だけご好意で送迎していただけることに。

天ノ川沿いにある大谷屋さん(お食事はここで)
夕食は『季節の和風料理膳』・天川名物アマゴも
ツバメのヒナ・奥にもう1匹でぎゅうぎゅう詰め!
お部屋は隣の一軒家

山と川に挟まれた場所で、夏でも夜になるとひんやり、山の空気を満喫できます。
外に出てみると星空が見えました。
たくさんの星の中でひときわ光っていたのは、白鳥座だったのかも。

高野山と山続きなので空気が似ていて、山の中で宿泊できる贅沢さを感じます。
外泊すると眠れないことがあるのですが、今回も。
おかげで一晩中星空と、夜明けの山の様子を眺めることができました。

明るくなる前にまず小鳥が鳴き始め、次にヒグラシが一匹ずつ増えていって、大合唱になっていく様子は感動的!
自然のLIVEを見せてもらったようでした。
(そのあとに、窓のすぐ近くにウグイスも。)

朝の光が美しすぎる!

朝食後、女将さんに教えてもらった散歩コースへ。
普段山登りはしていないので、早朝に山の中を歩くのは貴重な時間です。
集落の方々が大切に守っている、教えてもらわないと行けなかった場所。
そこが素敵すぎました!


◆円空仏とイチョウの木

観音堂・靴をぬいで、中に入れます
お堂の中には4つの『円空仏』

お堂の中には、コロッケさんなどのサインが飾られていました。
(2015年にNHK「ええとこ」の撮影で、大谷屋さんの取材にもいらっしゃったそう。)

NHKのサイトに、天川村の取材記録が残っていました。(観音堂の紹介は最後。)

なんともいえず優しい微笑みの仏さま

円空さんのことは、今回初めて知りました。
江戸時代前期の修験僧・仏師・歌人で、各地に「円空仏」と呼ばれる木彫りの仏像を約12万体彫ったと推定され、約5,300体以上の像が発見されているとのこと。

温かい『微笑み』の仏さまは、各地で大切に守られているそうです。


観音堂左に円空さんのお手植えと伝わる、『円空銀杏』と呼ばれるイチョウの木がありました。

そして左側のきれいに整備された木々の上から、明らかに温度が違う冷風が吹いていました。(登ってみたいところだけど!立ち入り禁止区域。)


◆山の神さま

この近くのキャンプ場の奥に、『山の神さま』がお祀りされていると教えていただきました。
Googleマップには表示されていないけれど、舗装された歩きやすい道を進みます。
美しい川と滝を見ながら、最高の朝のお散歩!

あちこちに小さな滝
スポットライトが当たっているように輝く、美しい場所

川に見とれているうちにかなり先まで歩いてしまい、帰り道で山の神さまをお祀りしている建物を見つけました。
(気づかず通り過ぎてしまってすみません、とご挨拶。)


その近くに、とっても気になる磐座いわくらのような場所が。

ここはなに?

何かをお祀りしているようだけど、台座?の上にもない。

パワーがありそうな巨大な岩の上に、木々が生い茂っています。

近づいてみると、一瞬シュッと霊気のような風が降りてきました。

もっと岩に近づこうとした時・・
足元ヘビさんが!!
踏まなくてよかった・・
(毎月のように出会うけど、今回は近すぎて心臓バクバク!)

眠っているのか動かなかったけど、どう見てもヘビさん・・

チェックアウトの際に、女将さんに尋ねてみました。
『石の台があったところは、何の場所ですか?』
するとパズルのピースがはまるような、納得!の答え。

『そこはもともと山の神さまが祀られていた場所で、石の上にが置かれていたんですよ。今の場所に移したんです。』

ヘビさんを見たのは私だけだったようです。
(ご主人はヘビが苦手で、めったに見かけないそう。)
ヘビさんは聖域に入られないよう、守っていたのかもしれません。

このあと念願の修験道の聖地龍泉寺に行くのですが、既に神奈備かんなび(古代からの『祈り』の場所)を見つけてしまいました。
もう今回の旅の目的は達成してしまったような、満足感でいっぱいに。

大谷屋さんご夫妻には大変お世話になりました。
またいつかお邪魔できますように。


《おまけ》

余談ですがかなり前に一度だけ、イチョウの木に話しかけられたことがあるんです。
税務署を探して自転車でうろうろしていた時に、高校らしき学校内に立つ、大きなイチョウが目に入りました。

鮮やかな黄色の葉に見とれていると、『ここは良い高校だよ!』と言われた気がしました。
(え~? 全然知らなかったけど、どこの高校かな? )と思っていたら、数年後、息子が第一希望を落ちて、そこに入学することに。

そのイチョウの木のことがあったので、あの高校なら大丈夫だろう、という気がしていました。
思った通り3年間、息子は高校生活を満喫していたようです。
そして数年後、今度は娘もその高校に入学。
(またー?と、その時はちょっとびっくり。)

そのことがあってから、イチョウは大好きな木になりました。(銀杏も大好物!)

いつかまた、話しかけてくれないかな~?と思っています。


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