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【私と本】「今を生きる」に反応した

 柚木沙弥郎ゆのきさみろうさんという染色工芸家のことを、私はごく最近まで存じ上げませんでした。ふとしたところから知るに至って、この本を図書館で借りてきました。

 この本のことに触れる前に、私の無知のことを書きます。
 私はこのnoteのなかに、自分が読んできた本を放り込む本棚をつくりたくて、マガジンにしています。トップ画像には、読んだ本の表紙を撮影したものを使ってきましたが、これが著作権法に触れる場合もあるということを、もりおゆうさんの記事で知りました。

(Q1のAnswer参照)

 好きな本、書き手の方のことを紹介したいというおもいだったのに、法に触れるような行為をしていたことに、少なからずショックを受けました。知って良かった、心からそういう気もちです。そういうことで、慌ててこのマガジンのトップ画像はすべて差し替えました。

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 この本を開くと、柚木氏の作品や制作風景を写した画像が数ページおさめられています。画像のページが終って、まえがきのようにして柚木氏の手書き文字で書かれた文章に、はっとしました。

 熱田さんが私の取材を始めて八年がたちました。そろそろ本にする時が来たようです。こんど渡されたゲラを見ると私の語った断片を紡ぐうちに次のようなユノキの人物像が浮かんでくるのです。
 変身をくりかえしそのたびに肩の力が抜けてゆき幸せの手ごたえを感じながら仕事を楽しんでいる 今を生きる人。
 私はこの本を手にとって下さる方々と著者に心から感謝します。沙弥郎
(柚木沙弥郎・熱田千鶴-『柚木沙弥郎のことば』- 21頁)

 うったえかけてきたのは、「変身をくりかえしそのたびに肩の力が抜けてゆき幸せの手ごたえを感じながら仕事を楽しんでいる 今を生きる人。」という一文です。これは、宮崎の旅のテーマ(と唐突にいいますが)と重なるものでした。変化というものを受け入れられないときがあったり、過去や未来にとらわれて今をしっかり体験してないことが、よくあります。自分の望みとしっかりつながっていることとか、季節や人との時間、その時の空気みたいなものまで五感をいっぱい使って感じることをしていきたい。この一文で、やはりそれは生きる上でたいせつなことのひとつなんだとおもいました。

 アーティスト、クリエイティブなひとってすごいなあとおもいます。私には絵は描けないし、音楽も奏でられないし、発明品を生み出すこともできません。でも、私は生きているということがすごく創造的なことだとおもっていて、だから生きているだけで充分だということにしています(自分に甘い)。

 今回記事を紹介させていただいたもりおゆうさんも、すてきなイラストレーションを描く方です。私を含めある年代の人たちがちょっと知っている昭和の風景や、その少し前のこと、おいしいレシピなどをイラストと文で綴っておられます。それからそのお立場からの著作権法のことまで。

 ネット上のマナーというのには、日ごろから気をつけたいとおもっているため、この「著作権のいろは」はとても身になるシリーズです。
 最後になりましたが、今回私の記事の中での紹介を承諾して下さったもりおゆうさんに感謝を申し上げます。



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片山 緑紗(かたやま つかさ)
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