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歯ごたえがほしい

 自宅のデスク(っていうか)でじっと作業をしていてハッと気づいたら16時だった。昨夜雨が降ったみたいだったけれど今朝にはやんで、お天気になったのに。
 朝からチョコを食べて(テイスティングの)、コーヒーを飲んで、それから何も口にしていなかったからお腹がさみしかった。夕飯には早い。
 夜に少し出るようにしていたから、まあいいかとおもって何か食べようとおもったところで買い物にすら出ていない。あるもののうちどれが食べたいかなと頭をめぐらせて、貰ったあと冷凍庫に放り込んでいたかんころ餅を思い出した。

 かんころ餅って、たとえば食後のデザート的に食べるにはヘビーだし、日中のおやつと言ったって夕飯に響きそうだし、実はなかなか手がでない。そういうわけで貰うとたいてい冷凍庫行きとなる。
 かんころ餅を夕飯にしよう(そして片付けよう)。
 解凍して、半月に切り分けて、焼いた。小値賀で作られる生姜入りのかんころ餅だった。これは、自分では初めて食べる(お土産にしたことがある)。
 なよっとした焼きたてのかんころもち、アチアチしながら口を動かしながらおもったんだけれども、私は歯ごたえのある食べ物が好きだ。

 正月というので先日母の雑煮を食べた。母方の祖父の好みで、我が家はずっと島原地方の具雑煮を食べている。伝統的には丸餅をそのまま投入して炊く雑煮で、私はチビの頃から雑煮の餅を好まないので入れない。汁に溶けた餅がだめである。
 で、餅を入れる派の人々のために母は焼いた餅を入れていたけれどまあ焼いたって同じことで、いずれ餅は溶けるしとにかく私は餅はいらない。

 かんころ餅は搗いた餅と違ってのびないけれど、前に書いたように切って焼くと表面はカサッと香ばしく、なかはとろりとする。したがって歯ごたえというのは皆無だし、はっきりしないものをはふはふ、もごもごと食べていて、おいしいんだけれど何か物足りなかった。
 白餅なんかは、歯ごたえというか存在感は非常に大きく、その弾力と口中へのまとわりつくテクスチャがあまり快感というのでもない。すかっとした歯ごたえの、硬めに炊いた白米の方が好きだ。

 なんだかまとまりがない内容になってきたけれど、つまり私はもっともっと、しっかりした歯ごたえの、というか噛みごたえのあるものを食べているときの方がたのしいようである。かりかりしたり、さくさくしたり、バリバリしている食べ物はたのしい。
 かりかり、さくさく、バリバリはどれも乾いたものを想起するけれど、それ以外のもの、たとえば白米だって書いたようにやわらかめよりも硬めがいい。うどんだったら口の中を支配する讃岐のものより博多のやわいのとか、五島うどんのつるっとしたののほうがいい。
 餅は飲み込みどころの判断がつかないけれど、こういったいつまで噛み続けるか悩む食べ物でいけば、焼きスルメみたいな噛み締めるもののほうを断然好む。

 ・・・すごくどうでもいいことを書いているような気がする。

 記事にするほどでもないとおもったけれどせっかく書いたので残すことにして、この話題を終わらせるために、もうひとつどうでもいいことを書いて終いにする。
 うちの母は餅が好きだ。全盛期(私がチビのころ)なんかは母の雑煮の椀には餅が5、6個入っていた。このごろはさすがに減って、それでも3個はかたい。年末の買い物で、売り出しというのもあったけどやたらと餅を買うから食べきれるのか訊いてみたら、横から姉が、この間味噌汁に入れているのを見たと言った。味噌汁に・・・?
 そういえば鍋物やグラタンにも入れていたのを思い出した。それにしても味噌汁である。

↑かんころ餅について

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今日の「におい」:かんころ餅を焼いたあと、しばらく台所にそのにおいが漂っていた。いいにおいである(歯ごたえはないけど)。あ、トップ画像はうなぎパイです。

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