【書評エッセイ】利休の茶席より至福かも。
本物のおいしい料理より、おいしい小説はあるだろうか?
あるだろう。
この小説の茶席の至福さは、本物の利休の茶席より至福かも知れない。
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利休切腹直前のシーンから、過去へ過去へと時間を遡り、最後に利休切腹のシーンに戻って来るという構成。
その遡りの中で、利休が「利休」になった伏線が回収されて行く。
それぞれの章題に、その時代に利休と関わった人の名が付けられており、その人物の視点で各章が語られる。
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例えば「木守」という章には、このような副題がついている。