おはる

主に読書感想です。

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最近の記事

【読書記録】2024年8月

9月になりました。徐々に陽は短くなってきているのに、まだまだ暑い日が多いのが気に食わないです……。 1冊目:姫野カオルコ『整形美女』あらすじ(文庫本裏表紙より引用) 姫野さんの小説は初めて読みました。 最初のうちは甲斐子の考え方も間違ってはいないのではないか?と思って読んでいたけど、読み進めるにつれて整形前の甲斐子が男性たちに都合良く扱われたのは見た目だけのせいではなかったんだろうな、と思いました。 整形してまで手にしたかったのが玉の輿。聡明そうに思えた甲斐子が途端に

    • 【読書記録】2024年7月

      毎日暑いですね。涼しい部屋で読書しましょうか。 1冊目:一本木透『だから殺せなかった』あらすじ(文庫本裏表紙より引用) 一本木透さんの小説は初めて読みましたが、読みやすくてあっという間に読了してしまいました。 この小説では大きく2つの謎があります。一つは連続殺人事件の犯人は誰なのかという謎。もう一つは陽一郎くんの本当の父親の謎。 疑わしい人間が複数いる中で、最後に明かされる真実には驚かされました。 アマプラでは玉木宏さん主演のドラマ版を視聴することができます。読了後

      • 【読書記録】2024年6月

        いつの間にか7月も終わりかけているんですが、今回は6月の読書記録を更新します。時間が経つのが早すぎませんか? 1冊目:森美樹『主婦病』あらすじ(文庫本裏表紙より引用) 率直に生々しい作品だな、と思いました。 私も主婦の端くれだけど、この本の六編に出てくるどの主婦にも共感出来なかった。 何というか、この本に出てくる主婦の皆さんは性的なものに縛られている気がしました。性的欲求が生々しく溢れていてグロテスクでした。 最後の話は少しファンタジーな感じがあり、死役所のような雰囲

        • 遺伝 惰性 諦めきれない何か

          小学校低学年の時から何かしら書いている。それらを継続できたかは別として、「書く」という行為は25年以上続いている。 自分がどうして書いているのか見つめ直したい気持ちもあり、藤原華さんのnoteコンテスト「なぜ、私は書くのか」に参加しようと思う。 仮説1:遺伝私の母は「書き続けている人」だ。 私が幼いころから母は台所のテーブルの定位置で一心不乱にノートに鉛筆を走らせていた。テーブルの下は母のノート、原稿用紙、分厚い辞書でまるで魔窟のようだった。 母はノートを「殴り書きノ

        【読書記録】2024年8月

          【読書記録】2024年5月

          1冊目:松素めぐり『保健室経由、かねやま本館。〈7〉』単行本であらすじはないので省略します。 『かねやま本館』シリーズもとうとう7巻です。相変わらずとてもとても面白いです。 今回がこれまでと違うのは、「次巻へ続く!」的な終わり方をしたこと。 これまでは1冊完結型だったから、今回の終わり方には「ええっ?!」となってしまいました。 一平くんはテラジ先輩を助けることができるのか……次巻も楽しみです。 2冊目:東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』あらすじ(文庫本裏表紙より引

          【読書記録】2024年5月

          【読書記録】2024年4月

          5月も半ばを過ぎてしまいました。暑い日が増えてきましたね。すでに気温のアップダウンの激しさに身体がついていきません……。 今回は4月の読書記録です。 1冊目:浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』あらすじ(文庫裏表紙より引用) 浅倉秋成さんの小説は初めて読みました。11月には映画も公開される予定のこの作品は単行本を見かけたときからずっと気になっていました。 とても面白くてあっという間に読了してしまいました。 就活生の闇を描いているようでいて、採用側である企業の闇を描いているよ

          【読書記録】2024年4月

          【読書記録】2024年3月

          桜の季節になりましたね!すでに終わりかけではありますが、春はワクワクします。 今回は3月の読書記録です。 1冊目:まさきとしか『彼女が最後に見たものは』あらすじ(文庫版裏表紙より引用) シリーズ第二弾です。まさきとしかさんの著書も3冊目の読了です。 別々の事件が徐々に繋がりを見せていく過程が面白いです。 被害者はホームレスとして人生を終えたけれど、そんな彼女は不幸だったのか。それが紐解かれていく。 私には彼女が不幸だとは思えなかった。自分が手を差し伸べた子どもに再び会

          【読書記録】2024年3月

          【読書記録】2024年2月

          3月もあっという間に半ばになってしまいました。気温の変動についていけず、とうとう風邪をこじらせました…… 1冊目:原田ひ香『まずはこれ食べて』あらすじ(文庫版裏表紙より引用) ほのぼのとした仕事に疲れたアラサー会社員たちを家政婦が料理の力で癒していく話かと思いきや…… 話が進むにつれてミステリー要素が出てきて面白かったです。 「ぐらんま」の社員たちに共通するかつての「仲間」。その人物に対するそれぞれの印象は全然違っていました。それが紐解かれたときに、かつての「仲間」との

          【読書記録】2024年2月

          【読書記録】2024年1月

          あっという間に2月も半ばに入りました。 雪が降って寒かったり、急に暖かかったり、身体がついて行かないです。しんどい……!! 1冊目:三日市零『復讐は合法的に』あらすじ(文庫版裏表紙より引用) 私好みな物語でした。 合法的な復讐ってテーマとして凄く魅力的ですよね。 現実にエリスのような人が目の前に現れたら藁にも縋る思いで頼る人はきっと多いのではないかと思います。 復讐を依頼するわけじゃなくても美しい女性を演じられる男性……一度お目にかかりたいものです。 テンポよく楽しん

          【読書記録】2024年1月

          【読書記録】2023年12月

          新年明けましておめでとうございます。 2023年12月の読書記録です。 1冊目:アンドレイ・クルコフ『ペンギンの憂鬱』あらすじ(単行本そで部分より引用) こちらの単行本は発行されたのが2004年9月30日です。 2023年12月現在、キエフはキーウと表記されますが、ここで感想を書く際には本書本文に基づきキエフと書かせていただきます。ご了承ください。 この物語は掴みどころのない不穏さに満ちています。「敵はどこだ?」と当たりを見回したくなる感じです。 ヴィクトルが飼ってい

          【読書記録】2023年12月

          【読書記録】2023年11月

          師走ですね!今年も残り2週間です。今回は11月の読書記録です。 1冊目:児玉雨子『##NAME##』単行本なのであらすじは省略します。 第169回芥川賞候補作の中の一つです。 小~中学生の頃にジュニアアイドルをしていた主人公のせつな。大学生になったあともジュニアアイドルだった過去がついて回ってしまう。 アイドルである本人たちは悪いことをしていたわけではない。悪いのは子どもの憧れや夢を性的なものとして搾取してきた周りの大人たち。それなのに本人たちが後ろめたい過去としてそ

          【読書記録】2023年11月

          【観劇感想】The Great Getsby 2023

          2023年11月27日㈪ 12:00開演のThe Great Getsby 2023 Classicチーム の公演を観てきました。今回はそちらの感想です。 思いついたことをざっくばらんに箇条書きにしていきます。あんまり内容(ストーリー)には触れません。内容に関する感想を書けるほどの語彙力も理解力も無いので……。 感想 ・「ようこそ、ギャツビー邸へ」と劇場に迎い入れてもらえる これは良い。観客もギャツビー邸のパーティ参加者なんだなあ……と思える。 観客がパーティ参加者とい

          【観劇感想】The Great Getsby 2023

          【読書記録】2023年10月

          気温の変動が大きすぎて体調を崩しそうです……。今回は10月分の読書記録です。 1冊目:朝井リョウ『正欲』あらすじ(文庫版裏表紙より引用) 稲垣吾郎さんと新垣結衣さんで映画化しましたね。そちらの原作小説です。 夏月と佳道、同じ秘密を共有する二人の関係性が好きでした。世間体をうまく誤魔化すための関係のようでいて、徐々に信頼関係を築いていく様子が良かったです。 夏月にしても佳道にしても「いなくならないから」と伝えたい相手になっていて、この先二人の未来が真っ暗ではないんだなと思

          【読書記録】2023年10月

          【読書記録】2023年9月

          少しずつ寒くなってきましたが、思い出したかのように暑くなったりして、体が全く落ち着きませんね……。 9月の読書記録にまいります。 1冊目:小池一夫『人を惹きつける技術』あらすじ的なものは特になかったので省略します。 小池一夫さんの著書は初めて読みましたが、とても読みやすいし、内容も興味深かったです。 物語の主人公を如何に魅力的にさせるか。この本では漫画におけるキャラクターの在り方という感じでしたが、小説などでも同じことが言えるな、と思いました。 一時創作する方は参考にな

          【読書記録】2023年9月

          【読書記録】2023年8月

          9月も半ばですが、一向に涼しくなった気がしませんね。日が短くなってるから秋っぽいといえばそうなのですが…… では、8月の読書記録です。 1冊目:松素めぐり『保健室経由、かねやま本館。〈6〉』単行本なのであらすじは省略します。 シリーズ6冊目です。 主人公と同時期にかねやま本館に訪れる中学生は大体主人公と離れた他県に住んでいることが当たり前で、同時に近所の中学生を呼べないシステムでもあるのかと思っていました。 しかし、今回中学生の行動範囲で会える距離に住んでいました。単純に

          【読書記録】2023年8月

          【読書記録】2023年7月

          毎日暑くてグッタリしています。早速、7月の読了本の紹介です。7月は10冊読んだので駆け足でいきます。 1ー2冊目:綿矢りさ『生のみ生のままで〈上〉〈下〉』あらすじ(文庫版裏表紙より引用) すごい情熱的かつ官能的な小説だった。 前半の彩夏から逢衣への情熱も後半の逢衣から彩夏の情熱も熱かった。 好きなままに引き裂かれたとして、会うことはおろか連絡を取ることも出来ず、逢衣のように7年も気持ちを途切れさせずにいられるだろうか。 私には出来ない芸当だなあ。 3冊目:斜線堂有紀『廃

          【読書記録】2023年7月