【読書記録】2024年8月
9月になりました。徐々に陽は短くなってきているのに、まだまだ暑い日が多いのが気に食わないです……。
1冊目:姫野カオルコ『整形美女』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
姫野さんの小説は初めて読みました。
最初のうちは甲斐子の考え方も間違ってはいないのではないか?と思って読んでいたけど、読み進めるにつれて整形前の甲斐子が男性たちに都合良く扱われたのは見た目だけのせいではなかったんだろうな、と思いました。
整形してまで手にしたかったのが玉の輿。聡明そうに思えた甲斐子が途端に滑稽に見えました。
一方で整形で派手で美しい容姿を手にした阿倍子は、徐々に整形後の容姿に違和感や恐怖を覚え、元の自分を可能な限り取り戻そうとしています。
そこだけ切り取ると幸せになれる容姿は整形後の甲斐子(整形前の阿倍子)なのかもしれません。けれど、甲斐子の結末を見ると結局は内面が成熟していなければ望んだ幸せなど掴めないように思えました。
2冊目:倉井眉介『怪物の町』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
倉井さんの小説も初めて読みました。
255頁なので、サクッと読めます。
ハラハラ、ドキドキ、ゾクッとしたい人にはいい本かもしれません。
あかね町に住む人たちは殺人の存在に潜在的に気づいているのに、自分が巻き込まれないように無意識にそれらを無視をしているらしい。
そんな状況を無視できないのが主人公の良太や良太を助けた「先輩」。
危険人物だと思われる人間を調べれば調べるほどに良太と先輩は知らず知らずのうちに窮地に追いやられていく。
良太と先輩には一緒に幸せになってほしかったです。
3冊目:中山七里『嗤う淑女二人』
あらすじ(単行本帯より引用)
嗤う淑女シリーズの第三弾です。
こちらもとっても面白かった!!
何といっても、『連続殺人鬼カエル男』の有働さゆりが結構なメインどころで出てくるなんて熱い展開じゃないですか。
ついでに古手川くんも出てきたので嬉しかったです。
ダークヒロインものは嫌いじゃないのですが、このシリーズの警察が蒲生美智留にいいように振り回されていて、「もっと頑張れ警視庁……」と思ってしまいます。
あと何人殺されたら警察は蒲生美智留を捕まえることができるんでしょうか……。頑張れ、警察。
4冊目:早坂吝『四元館の殺人 探偵AIのリアル・ディープラーニング』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
早坂さんの小説も初めましてでした。
AIや人工知能が発達した世界ではどんな不可能な殺人も可能になっちゃうんかい!!とツッコミながらも読了しました。
これはミステリと言えるのですか?こんな犯人がありなら、何でもありだわ。
どうやらシリーズ三作目みたいなのですが、前の二冊もぶっ飛んでるのかな。気になるけど、読みません。
5冊目:和田竜『村上海賊の娘<上>』
あらすじ(単行本帯より引用)
7月に広島を旅行しまして、その時に因島水軍城も見に行きました。それもあって瀬戸内海を舞台にしたこの『村上海賊の娘』を読みたい!と思い手に取りました。
本当は8月中に下巻まで読了したかったのですが、下巻は読了できなかったので、下巻の感想は9月の読書記録で書きたいと思います。
この小説、序章が本当に読み進められなくて……歴史小説を殆ど読まないこともあり、歴史に基づいた説明に差し掛かると教科書を読んでいるようでしんどかったです。
主人公の景が出てきてからグッと面白くなり、ズンズンと読み進めることができました。
地元周辺では醜女と思われ続けてきた景が泉州の海賊たちには美人と囃し立てられ女性として気持ちが大きくなってくるところは可愛くもあり、面白くもあり。
景を夜這いから守ろうとする七五三兵衛が上巻では本当にいい男でな……。源爺のところは切なかったけど、戦の現実を景に教えた姿は実に男らしかった。
ホント上巻では断トツに好きだったんだ、七五三兵衛。
(来月更新予定の下巻の感想に続く)
おわりに
8月は5冊読了しました!
8月末に読んだ『村上海賊の娘』に意識が全部持っていかれています。
もう、めっちゃ面白かった。序章読み進められなくて3週間近く放置してたの悔やまれるくらいに。語彙力なくて上手く感想を書くことができないのが歯がゆいです。
ちなみに上巻を読んでる間、初見の単語や読めるけど意味が曖昧な単語を電子辞書で調べながら読んでいました。
歴史小説っていうのもあると思いますが、知らない日本語が多すぎてめっちゃ辞書使いました。
普段如何に前後の文脈から何となく意味を汲み取っていたのかを実感しました。
語彙力を増やすためにも、これからもわからない単語は調べながら読書しようと思いました。
最後に因島にある大浜SAから撮影した景色をどうぞ。
では、また。