【読書記録】2023年9月

少しずつ寒くなってきましたが、思い出したかのように暑くなったりして、体が全く落ち着きませんね……。
9月の読書記録にまいります。



1冊目:小池一夫『人を惹きつける技術』

あらすじ的なものは特になかったので省略します。
小池一夫さんの著書は初めて読みましたが、とても読みやすいし、内容も興味深かったです。

物語の主人公を如何に魅力的にさせるか。この本では漫画におけるキャラクターの在り方という感じでしたが、小説などでも同じことが言えるな、と思いました。

一時創作する方は参考になる本だと思います。


2冊目:小川哲『君のクイズ』

あらすじ(単行本帯より引用)

クイズ番組『Q-1グランプリ』決勝に出場した三島玲央は、対戦相手・本庄絆がまだ一文字も問題が読まれぬうちにボタンを押し正解し、優勝を果たすという不可解な事態を訝しむ。いったい彼はなぜ正答できたのか?真相を解明しようと彼について調べ、決勝を1問ずつ振り返る三島はやがて――。

今年のアメトーークの読書芸人で紹介されていたこちらの本。どうやら私の推しも読んだようなので、私も読んでみました。

クイズのルールとかプレイヤーが早押しできる理屈とか知らない世界を見ることができて面白かったです。

でも、個人的にはこれは小説というよりはストーリー仕立てのクイズの指南書だな、と思いました。(漫画が挟まる資格の参考書みたいな)

映像化が向いている作品な気がするので、そのうち映画化しそうだなあ。


3冊目:葉真中顕『ロスト・ケア』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び――悔い改めろ! 介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味……。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!

こちらは松山ケンイチさんと長澤まさみさんで映画化された『ロストケア』の原作小説です。
映画は観に行きたいと思っているうちに終わってしまったので、原作を読むことにしました。

めっちゃ好きなタイプの小説でした。社会問題が背景にあるミステリは結構好きです。一部例外はありますが。

ミステリ小説で犯人に共感することはあまりないのですが、こちらは犯人に共感してしまいます。この小説の犯人を「悪」と一刀両断することはできませんでした。

でもこの小説の犯人のように要介護者に手をくだすのはやはり犯罪です。読みながら私は介護が必要になる前にピンピンコロリで死にたいと思いました。


4冊目:島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都『はじめての』

4人の直木賞作家×YOASOBIの短編集。

YOASOBIの楽曲を聴く→作品を読む→もう一度楽曲を聴く

という順番で1作品ずつ読んでいきました。
作品を読む前に楽曲を聴きながら「どういう物語なのかな?」と想像して、作品を読んでみて「こういうことだったのか!」と感激し、もう一度聴いて「ああ、なるほど!」と納得。滅多にできない読書体験をしました。

楽曲は「セブンティーン」が一番好みでした。

作品はどれも面白かったなあ。どれが一番とか決められない。全部良かった。


5冊目:逸木裕『祝祭の子』

あらすじ(単行本帯より引用)

十四年前、宗教団体〈褻〉が運営する施設内で大量殺人事件を起こし世間を震撼させた。団体トップの石黒望がコミューンで育った子供たちに信者らの殺害を命じたのだ。子供たちは〈生存者〉と呼ばれ、事件後も後ろ指をさされる生活をしている。そのうちの一人・夏目わかばは警察から石黒の遺体が発見されたことを聞く。石黒は名前を変え整形手術をし十年以上別人として生きていた。混乱しているさなか、わかばが何者かに襲われたところで、かつての仲間と再会し――。

新興宗教、大量殺人事件、現在を生きる生存者たち……あらすじを読むだけで面白そうな要素でいっぱいだと思ったけど、物語は考えていたのとは違っていました。

物語が腑に落ちない理由は、首謀者の動機が薄い。過去に自分を裏切った恋人への恨みが全ての事件の引き金ってどういうこと。
最初の計画が失敗したあと首謀者が潔く諦めてくれたら、十四年後の事件は起きなかったのに。

首謀者にも、首謀者に共感した十四年後の協力者も、被害者意識が強すぎてイライラした。


おわりに

9月は4冊が積読でした。
9月は積読が14冊まで減ったのですが、本屋さんに行ってしまったので6冊増えて、20冊になりました。

年内に読み切ることは諦めています。探偵ガリレオシリーズだけでも読み切りたいですが、難しいだろうなあ。

10月もゆるゆると読書します。



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