＃32　「地域」が求めているものって？

「地域おこし協力隊」になっておいて、これを言うのもアレなんですが、
そもそもそもそも、「地域」って「振興」「活性化」「創生」「再生」etc しなければならないのでしょうか？してほしいのでしょうか？

前回の、ボランティア以上、ビジネス未満についてお話した時、協力隊だけが一生懸命取り組んでも、地域は成長しな～い！なんて、偉そうに（笑）
ともすると、上から目線！？的なことを言ったように思います。

そもそも、「地域」は成長しなければならないのか？
「地域」は発展し続けなければならないのか？

そう、私は当たり前のように、次のような考えを大大大前提にしています。
「地域」は「振興」しなければならない、
「地域」は「活性化」しなければならない、
「地域」は「再生」しなければならないetc

「そりゃ、そーでしょ」
「地域おこし協力隊なんだから」、とつっこまれるかと思いますが、

このような考えの背景には、
「地域」の少子高齢化が止まらない、
「地域」の人口流出が止まらない、
「地域」の過疎化が止まらないetc

といった、大きな社会問題があります。これらを「地域」の課題と捉えて、どこの自治体も「地域おこし協力隊」のミッションに、少しでも、これらの解決につながるような取り組みを盛り込んでいます。

しかし、私は、なんだか、
「地域」だけに、この大きな「社会問題」を負わせすぎやしないかい？
と思います。

この大きな「社会問題」を、
あまりにも「地域の問題」「地域で解決する、解決できること」だ、
と思わされているように感じます。誰にだよって話ですが（笑）。

＃７で「地域」の中身が分かれば、これらの大きな社会問題の解決につながる取り組みをする（かも？べき？した方がいい？）人達がリアルに見えてきます。その「地域」の振興協議会のメンバーや、自治会長、民生委員、各組合に入っている方達などです。

そして、しばしば、「地域おこし協力隊」と、これら地元で「地域」のために何がしかの役を担当している方達との間に、軋轢が生じるといった話を耳にします。

私の場合も、私なりに思うところはありますが、この方達に、この社会問題に対する取り組みを求める前に、ちょっと一呼吸必要かなと。

彼らも、この大きな社会問題はもちろん認識しています。ひしひしと！気付いていない人なんていません。ですが、それに取り組むのが自分達の役目、と思っている方がどのくらいいるでしょうか。

自分達が、「地域」の少子高齢化を何とかしなければならない、
自分達が、「地域」の人口流出を食い止めなければならない、
自分達が、「地域」の過疎化を解決しなければならない、と。

しかも、＃７でお伝えした通り、彼らは、このような役割を担当することで生計を成り立たせているわけではありません。彼らの仕事や生活の一部、延長上、＋アルファ、で行っているのです。

これは、そういった彼らの意識から何とかしよう、彼らにもっと問題意識を持ってもらおうと言いたいのではありません。

もちろん、自分の「地域」に問題意識を持って何かに取り組むのは素晴らしいことです。そういう方達がいたり、増えたりしたら、「地域」にとってもプラスだと思います。

私がお伝えしたいのは、
彼らは、たまたま、少子高齢化や人口流出、過疎化といった大きな社会問題が顕著になっているこの時代に、そういう役回りについている、と捉えることもできるのではないか、ということです。

時代が違えば、このような役回りの方達は、違う問題を抱えていた、ということです。

「そりゃ、そーだろうね」ですが、

一昔前まで、例えば、
この地域行事には、〇人必要で、その〇人をどう配置しようか、誰に声かけようか、誰に音頭を取ってもらおうか、〇人入る会場はどこだ、備品は何がどんぐらいいるか、など、人がいる時代の動き方しか経験ない方達に、

人がいないこの時代の動き方を、ただその役回りだからと言って、以前と変わらず求めるのは、少々荷が重いのではないかと思います。

「いる・ある」ものをどうするか、という時代と、
「いない・ない」ものをどうするか、という時代では、考え方や発想、動き方などがかなり違ってくる、全く違うと言ってもいいくらい、と思うのは私だけでしょうか。

「だから、彼らだけでは難しいから、地域おこし協力隊のような制度があるんでしょ？」となりますが、

そ、そうなんですが、前回の私の主張では、「地域おこし協力隊」と「地域」が試行錯誤して、成長しないと意味がない、です。

し、しかし、一緒に取り組んで成長しましょう！のお題は、
今回お伝えしたように、今までの時代の動き方と、全く違うやり方・発想が求められる荷が重い課題となっております。

もし、仮に、私の父や母がこのような役回りになったとしたら、

いやいや、難しすぎるでしょ！おとーさん、おかーさん！と思います。
無理せず、できることをしたらいーよ！と言います。

一緒に取り組んで成長しようなんて、言えるかな～（汗）

う～ん、やはり奥が深すぎる「地域振興」、
一体全体、誰の何のための何を目指しての何なのか。
誰が何のために何を求めているのやら。私の思考回路も迷子（笑）

と、いうことで、
やはり「自治体」について語らねばならない時が来ました。
次回から、「自治体・行政」についてお話したいと思います。