「オレンジ色のこいのぼり」 辻下直美創作童話
うんと晴れた四月の日曜日。
南ちゃんと弟の陽平はお父さんの手伝いをして、庭に街一番の大きなこいのぼりをかかげました。
南ちゃんはこのこいのぼりが大好きでした。おじいさんが陽平の5月の節句のために買ってくれたこいのぼりには、黒いお父さんの鯉、赤いお母さんの鯉、子供の水色の鯉のほかにオレンジ色の鯉がいたからです。おじいさんはなにも言いませんでしたが、きっと南ちゃんが子供の日に一人だけ入れてもらえなくて寂しくないように考えて買ってくれたにちがいありません。
友達のどんなこいのぼりを