自分が輝ける場所があるとするなら・・。
課長と仕事が終わった後に食事をする機会があった。
時間が進むにつれ、会話の内容が今週末に控えている異動内示の話題になった。
課長はどうやら、4月から6年目になる僕を、とあるベテラン職員と2年目になるルーキーの間に据えて、クッションのような役割を担わせようと考えているようだった。
課長は頭を悩ませていた。
新人さんは、ある事柄に対して少なくとも自分が納得できなければ、自分が受けたボールを次に渡すことはできない。ある意味では「新人らしい」新人である。
対して、その新人さんの指導を担うはずのベテラン職員は、マイペースに仕事を進めていくことを好み、あまり他人の仕事には干渉してこない。
他人の仕事には干渉しないベテランと、質問攻めをする新人
両者のコミュニケーションがうまく取れていないことは、課長も含め他の職員からみても明らかだった。
僕の役割は、そんな2人の緩衝材というわけである。
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課長は、僕も新人さんと似た思考であることを見抜いていた。また繊細な性格を活かして、新人さんに最も寄り添える職員として、双方で課題に取り組んだりしながら一緒に成長してほしいという思いがあることを知った。
僕も自分が受けたボールは、自分が説明できない限り次に渡すことのできない「抱え込む」タイプの人間である。しかし短くも5年という職業経験のなかで、仕事を「割り切る」ことの大切さも経験しながら、思考回路がちょうどその過渡期にあることを自分自身でも分析していたところだった。
また、自分では弱点ばかりだと思っていた繊細な性格が、誰かの役に立てるかもしれない。仕事のなかで有利に働くかもしれないと思うと素直に嬉しくなった。
この経験ができれば、個人的な仕事の概念が大きく変わるかもしれない。
まだまだ不安定な体調が不安ではあるが、根拠のない直感が頭をよぎった。
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もし、今の職場のなかで輝ける場所があるとするならば・・。
仕事の意義を模索していた自分にとってこんなに嬉しいことはない。
大変な道のりになるかもしれないと分かっていても、素直に頑張ってみたい。