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「コロナ禍」で、誰かを「悪者」にするのは、やっぱり変だと思います。

 たぶん、正面切って「悪者にするのはやめてください」と問えば、「そんなつもりはない。そう思う、あなたの問題では」といった答えが返ってきそうですが、この1年ほど、政治の世界では「コロナ禍」に関して、「悪者」をつくっては、そこに責任があるかのような「ほのめかし」が繰り返されてきたような印象があります。

 覚えているのは、「ライブハウス」や「夜の街」。そして「若者」。さらに「飲食店」は、ずっと「悪者」のように語られてきたように思います。

 それも、数字やデータなどをあげて、科学的に真正面から、というよりは、なんとなく「悪者」と思われるように、「暗に指し示す」という方法がとられてきたから、より嫌な印象があります。

「週刊プレイボーイ」

 そんな中、「テレワークすらできない無能な政治家が、若者と飲食店を悪者にするな!!」という見出しを見て、久しぶりに「週刊プレイボーイ」を買いました。

 それは、ダイヤモンドプリンセス号に乗り込み、その感染症対策の不備を指摘していた岩田健太郎教授が、その記事に関わっていたことをツイッターで知ったからですが、何しろ、その見出しの言葉で、購入を決めました。

 そして、週刊プレイボーイをパラパラと見て、若い女性の水着が、こんなにたくさん載っていること。だけど、ヌードがなくなっていること。キン肉マンの連載がまだ続いていること。バイクの記事が載っていること。その変化と、変わっていないようにも思えることに対して、何か不思議な衝撃を受け、戸惑いました。

 話がそれました。すみません。

「若者と飲食店を悪者にするな」

 そして、目的の岩田健太郎教授の記事です。

「テレワークすらできない無能な政治家が、若者と飲食店を悪者にするな!!」
 勢いのある見出しですが、その内容は、そうした勢いだけのものでなく、納得できるものでした。

 まるで「悪者」のような扱いを受けている飲食店について。

 間違っていけないのは、感染を広げているのは飲食店そのものではなく、そこで「飲み食いする人たちの行動」だということです。
 具体的に言えば、必要な感染対策をせず、大勢で飲み食いをする人たちが飲食店でクラスターを発生させているのであって、飲食店はむしろその被害者ともいえる。
 感染予防対策が取られた店でひとりで食べる。あるいは同居家族のみの少人数で楽しむなら、たとえ何時だろうと飲食の場を通じた感染のリスクは低いです。

 そうであれば、緊急事態宣言でも、飲食店の時短ばかりが強調されていたのですが、感染拡大防止に、そんなに効果はないのに、去年の「夜の街」からのつながりを(意図的?無意識に?)作っているだけなのかもしれないと思えてきます。

 特に、このインタビューの中の「飲食店は、むしろその被害者といえる」という言葉は、もう少し広く伝えられていい「見立て」だとも思います。

 さらに、「若者」に関して、です。

 高齢者を守るために、自分たちばかりが犠牲を強いられ、しかも悪者扱いされるのは耐えられないという彼らの気持ちはわかります。この問題は、管理職世代の能力不足が大きいです。
 テレワークをするのが難しい仕事もあるのは事実ですが、管理職が「営業は現場に行かなきゃダメだ」という昭和の感覚でしか考えられないので、若い人たちが外回りの営業や出張を強いられ、テレワークが十分に広がらずに感染抑制にもつながらないというケースも多い。

 このことに関しては、私のような中年世代に、色々な責任があると改めて思います。思うだけでは、より無責任で申し訳ないのですが、例えば、マスクをすることに関しては、若い世代ほど、利他的な行為になっていると思っています。(こんな言い方も失礼だとは思うのですが)。

「テレワークすらできない無能な政治家」について。

 日本の場合、コロナと先頭に立って闘うはずの政治家の多くがテレワークを一切できていないので最悪です。国会の予算委員会やぶら下がり取材を、いまだに対面でやっていることが信じられませんし、何も学習していないんだろうなと思います。

 こうした引用も、内容の一部に過ぎませんが、最後に、岩田教授が、自分たちの世代の責任についても触れているので、現代の大人としては見習うべき態度だと思いました。

同調圧力

 特定の誰かを「悪者」にしているのを批判しているのは、感染学の専門家だけではないようです。例えば、「世間学」の研究を続けている佐藤直樹教授は、鴻上尚史氏との対談の中で、こう指摘しています。

 緊急事態宣言解除前後に起きたこととして、行政によってことさらに「夜の街」の危険性が強調されました。感染経路不明者が多数いるなかで、朝夕の満員電車に効果的対策をとらず、とくに「夜の街」だけを強調するのは、正当性があるとは思えません。これは、「世間」に「身分制のルール」があるため、もともと「夜の街」で接客する人間に対する差別意識があり、そこから生まれる同調圧力を行政が利用した一例といえます。

 これは、「世間学」に関しての知識があれば、より理解できるとは思うのですが、それでも、言おうとしていることは分かるように思います。


 こうした流れの結果として、現在「若者」と「飲食店」が「悪者」にされているようですが、まずは安易にそれに乗って、社会の憎しみや分断を増やすのは避けることが、今の自分でも、少しでも出来ることではないか、と改めて思いました。

 

 今回、岩田氏と、佐藤氏の発言に、完全におんぶに抱っこした形の記事になってしまいましたが、何しろ、こうして誰かを「悪者」にするような「コロナ対策」は、やっぱりおかしいと思いましたので、駆け足でも、紹介した方がいいと考えました。



(他にもいろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでくだされば、うれしいです)。



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