新型コロナウイルスに関しては、まだ決定的な治療も、十分な医療体制も整ったというニュースも聞いていないのに、すでに、季節性インフルエンザと同様の「5類」に移行することになっている。
その「正常化」の中には、感染死者数が、増え続けていることに対して、それを減少させるという項目は含まれているのだろうか。
マスクを外す、外さない、の議論はよく聞いた記憶があるが、死者数を増やさないようにするという「制度設計」に関しては、私が情報弱者のせいなのか、ほとんど聞こえてこない。
高齢者の現場
今後のことを考えても、当然ながら、「5類移行」として、分類を変えたからといって、感染が収束するわけでもない。だから、もしも、感染予防対策が緩めば、当然、再び、感染は増え、高齢者を中心に死者数も増えることが予想される。
特に、介護現場では、危機感があるようだ。
島根県出雲市の高齢者施設の施設長は、こんな話をしている。
これは、2月初旬の山陰地方のテレビ局の記事だが、いわゆるキー局の、こうした視点での報道自体が少なくなっているようだし、この最後の「きめ細かな対応」の具体的な話を、今も聞いた記憶がない。
今後の危機感
そして、今後のことに対しての、専門家のこうした重要な見方も、それほど広くアナウンスされているわけでもない。
そして、2類から5類に移行する、という緩和政策に対しても、こうした指摘をしている。
これ↑は、2023年1月中旬の記事だが、それから1ヶ月以上が過ぎようとしているのに、こうした「合意形成」が図れている気配を、ほとんど感じない。
その理由を、やや粗い表現だけど、推察も含めて、言い切っている経済の専門家もいる。
高齢者差別
ただ、経済学者が社会的に人気があるとすれば、それは、望まれるような発言をする能力がある、という見方もできる。
だから、もし高齢者への差別ととられても仕方ないような発言をしても、その後にダメージがあまりないということは、その発言が、社会的に、ある程度以上、支持されている。そう考えてもいいのではないだろうか。
高齢者は、今の日本社会では、憎まれている。
だから、経済学者の発言がアウトにならないのではないだろうか。
そういえば、ここ20年ほど、どこまで政権の意図かどうかは分からないけれど、高齢者が「悪者」になっていく空気は、少しずつ濃度が高まってきたように感じてきた。
高齢者への見方
以前も、この記事は引用したのだけど、医療人類学者・磯野真穂氏が、ここで、コロナ禍における「弱者」のことを話題にしている。
繰り返しになるが、この人↑たちが「弱者」と呼ばれず、逆に「弱者」と言われる高齢者にも、こんな存在↓がいると話している。
これが意図的なのか、私の理解が追いつかないせいか不明なのだけど、この場合は、例として出している「シングルマザー・ファーザー」は、明らかにコロナ禍での「弱者」であり、例に出されている高齢者は「弱者」とはいえない。
高齢者の「弱者」とは、「一戸建てに住んで自粛生活が始まっても生活に何ら変化がなかった人」ではなく、何度も例として出すのは失礼かもしれないが、こうした存在↓だと思う。
こうした、治療を受ければ、もしかしたら助かったかもしれない高齢者は、傲慢な表現で申し訳ないのだけど、「弱者」の立場にいると思えるし、磯野氏が例としてあげていた若い「シングルマザー・シングルファーザー」も、コロナ禍での「弱者」として、どちらも助けようとするのが、支援であり、政策であると思う。
ただ、この磯野氏の例のあげ方は、意識しているかどうかは分からないが、高齢者への敵意を増やすような方法に、結果としてなっていると思う。
ただ、そのことによって、磯野氏を責めるというのではなく、2023年現在で、そのことが、もしかしたら支持されるかもしれない状況になっているのがどうしてなのか?
高齢者への憎悪といったものが、なぜ生じているのか?
それを、遡って少しでも再検討した方がいいのかもしれない。
※「後編」へ続きます。
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