お兄さんは 「アニソン」を武器に生活習慣病と戦う!
こんにちは。
運動音痴でなければ、もっと楽しい学校生活が送れたんじゃないかと回想する管理栄養士 美香です。
今日は「とにかく寡黙なお兄さん」の話をしたいと思います。
毎回、栄養相談の予約時間よりも、かなり早くから来て待っている生真面目なお兄さんがいます。
生活習慣病(ここでは具体的な病名は伏せます)の診断を受けて当院にいらっしゃいました。
たいへん寡黙で口数が少なく、
あれこれとあまり聞かれたくない様子で、
こちらの質問には、最小限の返答しかいただけないので、
細かい情報を十分にとることができません。
どうやら、
・運動は苦手なのでやりたくない
・食事は肉類と炭水化物中心
・不規則勤務なうえに職場の人間関係も悪く、常にストレスを抱えている
・寝る前の「ゲームしながら甘いものを食べる」時間が唯一の楽しみ
ということでした。
それでも、何とか一緒に「できそうなこと」を考え、
一か月後には「ふりかえり」をする。
これを何度も積み重ねていきます。
しかし、何カ月たっても改善されている様子はなく、
体重や血液検査データも全く変化がみられません。
それがあるとき突然、生活習慣病を示す数値が「ポコッ」と下がったのです。
「え?どうしたの??」と不思議に思わずはいれらないくらいの下がり方で。
私は、寡黙なお兄さんを問い詰めます。
「何か始めましたか?」と。
すると、「歌は健康によいとテレビでやっていたので、好きな曲を歌ってみようと一人でカラオケに行ったら、楽しくてはまってしまった」とのこと。
「カラオケ」という言葉を、お兄さんの口から聞いたのはこの時はじめてでした。
そして、今まではこちらの質問に「ぽつりぽつり」とこたえてくれる感じだったお兄さんが、突然おしゃべりになります。
・家の近くにあるカラオケ屋は、昼間のサービスタイムがドリンク付きでめちゃくちゃ安いこと。
・約8時間立ちっぱなしで汗をかきながら歌い、70~80曲はいけること。
・食事もとれるけどポテトフライなどの揚げ物が多いのでやめていること。
・少なくても週に2回、昼間の勤務がない日に通い、2ヵ月近くも続いていること。
1か月前にそんな話はおくびにも出さなかったのに、
次から次へといろんな報告をしてくれます。
しかし、その日何度もたずねた
「どんな曲を歌うのですか?」
という質問に、
「アニメの歌です」
と、答えてもらったのは、
それからさらに1ヶ月後でした。
自分に合っていて、無理なく続けられる、
「消費エネルギーを増やす方法」
としてお兄さんが選んだのは、
8時間耐久アニソンカラオケ(途中水分補給あり)
略して
「アニカラ8耐」
これには、私も同僚も感動です。
私は、寡黙なお兄さんとうまくコミュニケーションが取れないことを密かに悩み、臨床心理士さんに相談していたのですから。
けれど、実はしっかりと私の話を受け止めて、ご自分にできる方法を考えていてくれたんですね。
この時は本当に嬉しかった😂
こうやって、アニソンを武器にして生活習慣病に挑みはじめたお兄さんですが、
その後もいろいろな試練に見舞われます。
この続きは、また今度。
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました😘
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