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歌うたいから送る宛先のない手紙✉️🫧

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深海に生きる

護ることは手放すことだというのは 少し寂しいような気がしたけれど、 それで君を青空の下へと かえしてやれるならいいと思った 命はすべて同じ重さだと言った誰かは この深海に生きるぼくと イコールで結ばれることを よしとするだろうか? 命が途切れる瞬間まで この手を離さないと約束してくれた君を 殺したくなかった ひとつ、ひとつと作られる 泡ぶくの数が増えるごとに 君が消えていくのを見たくなかった ぼくを見るまっすぐな視線に応えたまま ゆっくりと手を離す 君が笑った ぼく

    • あなたのそばにはいられない

      窓から差し込む月明かりが あなたの寝顔を照らすから 見ないようにしていたのに 最後の夜 ひとり声を殺した 揺らぎそうになる 明日には名前のない関係 勝手に決めて勝手にもがいて 譲れないものがあるから あなたが蔑ろにした わたし そばにいれば安心かと言えば そんなことはなくて 2人でいてもいつもひとりだった 適当に笑って 適当に抱かれて わたしってなんだっけ ふと湧き出た声に胸が痛んだ これから先も一緒だよ なんて 漠然とした約束をしたことすら あなたは忘れているのでしょ

      • ないものねだり

        もしも、 わたしに足りないものがあるとしたら 胸の穴を埋められるものがあるとしたら それはきっと、 自分から自分への愛だけだと ついに見つけ出したような顔で ずっと前から知っていたことを忘れて ノートの1ページに書き記すのだろう すべての人に好かれるのが無理なら せめて自分だけはと思いながら それをないものねだりと言うことを 人知れず理解した瞬間、 たまらないほど消えたくなった ああ、いいな 周りはみんな幸せそうで ひとりぼっちに見えるあの人は 左手に指輪が光ってる

        • なにか、ひとつ

          わたしが自分から好きになった人は なにかひとつを 熱心に追いかける人だった なにかひとつは スポーツでも、勉強でも 遊ぶことでも、弾くことでも なんでもよくて 真っ直ぐに、真剣に キラキラとした眼差しで 遊ぶように、楽しげに、大切に それと向き合う人だった いつも周りには誰かがいた いつも輪の中心にいた あたたかい気持ちになるから その姿を見てるのが好きだった 分け隔てなく優しくて 気にかけてくれて 笑わせてくれて 穏やかな空気が心地よくて だから好きなんだよなって

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        深海に生きる

          できるだけ長く

          人を好きになるって ものすごくエネルギーがいる 泣いたり笑ったり、 落ち込んだり喜んだり、 いつも心は忙しなくて その人が好きだと自覚したときから その人はわたしの一部になって 揺さぶり続けてくる 元気かな、何してるかな、 休めてるかな、もう寝てるかなって ふとした瞬間に浮かんできて 誰よりも幸せでいて欲しい できるだけ苦しみがないように どうか、そうであってと願いたくなる どうしてこんなに愛おしいんだろう どうしてこんなに胸が熱くなるんだろう どうしてこんなに涙が

          できるだけ長く

          知った気になるなよ

          死にたい、殺してくれと 喚き散らすわけではなく 土に雨粒が染みていくように 淡々と静かに同じ言葉を 繰り返しこぼし続けるわたしを なだめる方法が未だ見つからない 楽しいはずなのに、なぜだかふいに 自分がひどく無力な気がして 存在している意味もわからなくて それでいいって思ってるはずなのに それでいいわけないって 明確な理由を密かに探しつづけている 明るく見えてたって 前向きに見えてたって それがすべてではなくて それはあくまでもある一面なだけ たったそれだけで わたしを

          知った気になるなよ

          自分だけは

          幸せな人が憎くてもいいじゃない 自分より不幸な人を見て喜んでもいいじゃない そう思いながら善人でいたがってもいいじゃない そんなことを心の中で思うことくらい 許してあげたっていいじゃない 何があっても自分だけは 自分にやさしくしたっていいじゃない

          自分だけは

          わたしにとっての好きな人

          吹いてくる風が涼しくなってきたねとか 金木犀がすごくいい匂いだったとか 紅葉見に山登りするのもよさそうとか そろそろお鍋の季節だねとか そういうことを一番に話したい人 そしてそれを一緒に味わいたい人 休みの日に手を繋いで 見慣れた街を歩くだけでも 心が満たされてしまうような人 特別何かを語らなくても そばで温もりを感じていたい人 一日の終わり、目を閉じる前に おやすみと言える距離にいたい人 顔が好みだとか背が高いとか お金をたくさん稼いでいるとか、 あったら嬉しいものだ

          わたしにとっての好きな人

          愛の記憶

          誰かを愛し、誰かに愛された記憶は そう簡単に消えるわけなくて ほんとにふとした瞬間、 身体がピタリと止まることがある。 会いたいわけじゃないけれど やり直したいとかもないけれど たしかにあった2人の時間に すこしだけ、浸ることはあるよ。 顔に靄がかかり出す。 思い出すたびに欠けていく。 そうしていつか 思い出すことすらなくなって、 思い出せなくなっていることにも 気付かなくなるときがくるのだろうか。 お互いを瞳に映す時間が 永遠だと思っていた。 かけられる愛の言葉は わ

          愛の記憶