最後に何が見えた?|ショートショート
私は友人の車を急いで降りて、道端で横たわっていた猫のもとに駆け寄った。暗闇の中で、猫はすでに死んでいた。首が折れ曲がり、辺りには血が流れていた。
夜のドライブ。温泉まで行った帰りだった。私の家の近く、よく知った裏道を走っている時だった。助手席にいた私は運転をしていた友人よりも先に、猫の存在を確認した。
知らないふりをしようと思ったが、さらに轢かれたりすることを想像すると、夢に出そうで嫌だった。
友人は面倒なことが嫌いだった。「誰かが何とかしてくれるって」「風呂に