幼馴染み|短編小説 前編
膝に迫るほど雪が積もっていたのはゲレンデだけでなく、駐車場も同じだった。午前中に車を停めたときはまだ黒いアスファルトの地面がはっきりと見えていたが、今はもう真っ白で何も見えなかった。赤いコンパクトカーにも雪が降り積もり、かまくらのようになって車体を覆っていた。出発しようにもできそうになかった。
おれはゲレンデの麓にあるベースキャンプで着替えを済ませ駐車場に出てきたのだが、スコップを探すため、すぐに中へと戻った。スノボの用具を返却したレンタルショップでまだスタッフが作業を