縄文ZINE_note

フリーペーパー縄文ZINEのnoteです。縄文の楽しい話を主に。 http://jomonzine.com https://twitter.com/jomonzine youtubeチャンネルもあるぜ

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最近の記事

「はにわ展」と「ハニどぐ展」、どっちから見る?

10月16日(この記事の公開当日)に開幕した東京国立博物館の特別展「はにわ」(以下「はにわ展」)。そしてその二週間前、10月1日から東京国立近代美術館で始まった「ハニワと土偶の近代」(以下「ハニどぐ展」)。この二つの展示を見た感想である。 どちらも考古をテーマにした展示ではあるけれど、そのアプローチは大きく違う。 「はにわ展」は日本中のはにわの優品、各地の至宝とも呼べるはにわを一堂に集め、古墳時代のアイコンでもあるはにわの魅力を伝える特別展。東京国立博物館でのはにわ展が50年

    • 特別展「はにわ」内覧会レビュー

      明日16日から始まる東京国立博物館特別展「はにわ」内覧会を取材してきました。トーハクでのハニワ展は50年ぶりということでかなり力の入った展示。数ではなく質で勝負の展示で一つ一つがすごい。 まずは挂甲の武人5体。国宝であるトーハクの所蔵する挂甲の武人と同等の優品、かつ同じ工房、同じ工人の作ではとも考えられるほど似ているこの5体が揃うのははじめて。気分はゴレンジャーの展示。なんとシアトルから約60年ぶりに帰国した挂甲の武人はにわも!これは今回を逃したらほとんど見る機会はないだろ

      • 10年前の空き巣の話

        (この話は縄文とは関係がありません) ちょうど10年前の話、ちょっと思い出したのでnoteに書いておきます。 その頃、僕の経営する渋谷区北参道のデザイン事務所では2匹の事務所猫がいました。その頃といっても二匹は10年後の今でも健在で、ただしほぼ僕の自宅で元気にゴロゴロしています。 名前は「やつい」と「かたぎり」。好きな深夜ラジオのパーソナリティの名前を付けましたが、とくに深い意味はありません。雑に付けた名前の割には結構気に入っています。 その「やつい」ですが、当時もう3歳

        • いつも行くあのコンビニの下は遺跡だよ

          実はいつも行くあのコンビニの下が遺跡だったなんてもこともある。 いや、それどころか住んでいる場所、よく歩いている道、今いる場所も、もしかしたらそこは遺跡の可能性がある。 でもよく考えてみれば当たり前の話だ。僕たちの暮らしている場所はかつて誰かの暮らしていた場所で、僕たちが「いいな」と思う場所はかつての誰かにとっても「いいな」と思える場所だった可能性だってある。 先日、Twitterで井の頭公園の周辺は遺跡だよと呟いたら、かなりの人が反応してくれた。 身近な場所や、思い出の

          [孤独の考古館]no.2 つがる市森田歴史民俗資料館

          この民俗資料館に入る前から予感がしていた。古く、こじんまりした佇まい、時代に足並みをそろえず、どこか痩せ我慢をしているかのようなこのエントランスはある種の理想に思える。くたびれた綿の素材のコートに似て、初めて訪れたのに懐かしさすら感じる。 三内丸山遺跡時遊館は三内丸山遺跡の資料を展示する考古館だったが、ここは、つがる市の石神遺跡の資料を展示する考古館でもある。 入り口のガラス戸には「開館中」と手書きで書かれている。早速ガラガラと戸を開け「おじゃまします」と小さく呟く。 「は

          [孤独の考古館]no.2 つがる市森田歴史民俗資料館

          [孤独の考古館]no.1 三内丸山遺跡時遊館

          私の名前は井石廻。しがないライターをしている。 ここ最近は地方をテーマにしたウェブマガジンを中心に仕事をしている、地域で流行っている定食屋や、面白い取り組み、特有の文化、それについて取材して原稿を書いている。自分で言うのもなんだけど、仕事は早い方で締め切りは守る。クオリティはそこそこだけど、意外とページビューは稼ぐ。多少の良い評判もありいくつかの媒体では自分の名前でコラムも持っている。 この仕事は別段ギャラがいいわけでもないし、毎回取材は地方に行く必要があり泊まりになってし

          [孤独の考古館]no.1 三内丸山遺跡時遊館

          私を通り過ぎた26本の石棒たち

          石棒は日本では主に縄文時代の遺物で、その形状から男性器(男根)をモチーフにしているとされているモノだ。と、一口に言っても、その形状はさまざまで、どのように使われたのかもよくわかっていない不思議なモノだ。 男根と決めつけてはいけないという意見もあるが、写実的な造形で男根としか言いようのないモノも多く、すべてとは言わないが「男根をモチーフにしている」という説明は間違いではないのだと思う。 前段で触れたように、石棒は色々だ。形状も違えばサイズも違う、地域性もあれば地域を飛び越えて

          私を通り過ぎた26本の石棒たち

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          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(4)

          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(4)

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          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(3)

          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(3)

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          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(2)

          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(2)

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          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(1)

          写真で見る:2023年出会った忘れられない土偶や土器や石器たち50(1)

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          『土偶を読むを読む』出版後、四方山話

          今年(2023年)4月28日に出版された『土偶を読むを読む』。皆さんお手にとって頂けたでしょうか? 検証・批判する元本『土偶を読む』の存在を前提としているため、普通に考えると、非常に間口の狭い書籍であるにも関わらず、6月に2版、11月に2版2刷、実質3刷となり、部数も1万部を越えることができました。ひとえに読んでいただき楽しんでいただいた皆さんのおかげです。もちろん部数だけで言えば『土偶を読む』(現在9刷?)に今のところ全く歯が立ちませんしベストセラーとは言いませんが…。

          『土偶を読むを読む』出版後、四方山話

          十日町市でアートを見に行く(縄文巡り外伝)

          旅に出ればいつも忙しなく考古館を巡ってしまう僕ですが、先日のお馴染みの十日町市の旅はちゃんとアートを見てきました。実は十日町市とそのエリアは2000年に始まった世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」の舞台。今までほとんど行ってなかったけど、十日町市のアートはすごい! 越後妻有里山現代美術館 MonET まずは街中にある「越後妻有里山現代美術館 MonET」へ、駐車場から見える外壁には勝坂式の土器に描かれるような未確認水棲生物が!(浅井裕介『physis』) MonETには

          十日町市でアートを見に行く(縄文巡り外伝)

          国宝の火焔型土器の出土した笹山遺跡で実際に掘った人と語り合い、その後、国宝の火焔型土器を見に行って火焔型土器のクッションを物色して、〆に火焔型土器インスパイア系ラーメンを食べる火焔な1日

          笹山遺跡 先日新潟県十日町市に伺い、こんな贅沢な体験をしてきました。 国宝の火焔型土器の遺跡、笹山遺跡で、その国宝の火焔型土器のNo.1(笹山の土器は全部で57点が国宝と指定されているが、その中でも代表的なものとしてNo.1がある)を掘った担当者だった、現在は十日町市の教育長の渡辺さんと話をする機会をセッティングしてもらい。しばし色々な話を聞く。 場所は笹山遺跡の復元の竪穴住居。 結構有名な話だけど、発掘調査終了の本当にギリギリの最終日にNo.1が見つかったこと、たくさん出

          国宝の火焔型土器の出土した笹山遺跡で実際に掘った人と語り合い、その後、国宝の火焔型土器を見に行って火焔型土器のクッションを物色して、〆に火焔型土器インスパイア系ラーメンを食べる火焔な1日

          シンポジウム「御所野遺跡が心配だ」12/9

          世界遺産でもある岩手県一戸の御所野遺跡、御所野縄文博物館の運営体制が来年度からこれまで携わってきたいちのへ文化・芸術NPOから町営に変わることになりました。その通達は突然で、急な体制変更に心配をする声が各所から上がりました。岩手県の新聞にも御所野遺跡が心配だという趣旨のコラムが掲載されました。 僕自身、御所野遺跡、御所野縄文博物館は何度も訪れ、場所と展示を楽しんで、すごく好きな場所で、また、何度もお仕事をさせていただいている縁もあり、内情は全くわからなかったこともあり、急な体

          シンポジウム「御所野遺跡が心配だ」12/9

          「北の縄文世界と国宝」展、行ってきましたよ!

          行って来ました北海道博物館「北の縄文世界と国宝」展。北海道に国宝の土偶たちと、世界遺産になった遺跡からたくさんの遺物がやってきています。これは絶対に見逃せない展示です。 個人的にもいくつか見たかった資料があったのですが、やはり最初に今回のシンボル的土偶のカックウにご挨拶。場所が変わっても相変わらずの少し上向きの飄々とした表情…だがそこが良い。 何を隠そう「北の縄文世界と国宝展」で一番見たかったのはN30遺跡の土偶。実は初対面。ほとんど完形の土偶だけど、土偶の心臓の場所だけが

          「北の縄文世界と国宝」展、行ってきましたよ!