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投稿生活中にやらなきゃよかったこと
前回の記事の姉妹編です。主にメンタルについて書きます。
投稿生活中のメンタル
基本的に、投稿生活は「賞の結果発表」というものに付きまとわれます。短くない時間と多大なエネルギーを費やした、自分の「存在」とも呼べる作品がどう扱われるのか。そこに怯えることになります。
落選
「落選」の場合、だいたいは「結果発表の場所に自分の名前がない」という、「無言」「空白」によって知らされます。
選評がつくようなエネルギッシュな新人賞ならまだしも、だいたいは、まるで自分の作品が存在していないかのような平面がつきつけられます。
「今回もまた『アレ』を味わうことになるのか」という恐れと「いや、そんなこと考えちゃいけない、自信を持て」という抵抗の繰り返しで、潜在的に疲弊します。 いま振り返ると、この精神的圧力は自覚以上のものだった、とわかります。
しかし私は無自覚に、疲弊を増幅させていました。
恥をしのんで書きますので、ぜひ私を反面教師にしてください。
投稿生活中にやらなきゃよかったと思うこと
インターネット掲示板を見る
投稿した原稿の審査経過など、ネット上に出ているわけもありません。しかし何らかの情報を得たくなります。たとえ憶測や妄想であってもないよりはマシです。というわけで◯ちゃんねるに吸い寄せられました。
同じ地獄の釜で茹でられている者同士なので、ある意味共感はありました。しかし血糖値スパイクみたいに心的乱高下がすごいので、シンプルに健康に悪いです。
無駄に情報を漁る
上記とも共通しますが、とにかく自分の作品がいまどこにいてどうなっているのか、どんな扱いを受けているのか、ということが気になって仕方がありません。しまいには「私の将来はどうなるのか」という疑問の答えをネット上で探そうとしています。「ネットに答えなどない」と知っているときほどネットを見ていたりします。
着替えてケーキを食べに行ったほうが100倍良かったです。
インターネット上で創作論を見る
創作の方法も哲学も、人の数だけあります。同じことを言われても、素直に聞ける相手と聞けない相手というものもあります。いらん反発心が呼び起こされるといらんエネルギーばかり使います。
「この作家の作り方を知りたい!」と特定の情報を目指すか、書籍化されているものを読むのが良かったです。特に書籍化されているものは、編集者など複数のフィルターを通っているので、インターネットにあるものよりも格段に読みやすいです。いくつか読むと、創作論にも共通項があることが見えてきます。それが「メソッド」「セオリー」なのだとわかります。
それを見つけたとして、素直に受け入れられるか、反発するかは、精神的な疲弊状態によっても変わってきます。やはり有象無象の情報を取り込むのはおすすめしません。
占いを見る
ここで言う占いとは「一定の代金を支払った上でパーソナライズされたものを受ける」という行為のことではありません。 雑誌やインターネットで無料で見られる占い・診断のことです。書籍化されているものでも、「占い方法」を教えるものではなく、少ないカテゴリの中から「あなたはどれに当てはまるか」と、ホテルの部屋番号を教えるようなものは自身の矮小化と期待の肥大化に繋がります。
たとえば占いに「9月に大変化が起きる」と書かれていて、9月に新人賞の結果発表が控えていたとしたらどうですか。これは…!と思いませんか。私は思いました。そして見事に落選して地面にめり込みました。高いところに登ったときほど落下の衝撃が大きいのは当然です。
このたぐいの占いを否定しているわけではありません。この項目は「結果待ち」という特殊事情を抱えている方に向けて書いています。 結果待ちをしている作家志望者のメンタルというのは、携帯の着信が鳴るたびに血圧が急上昇し、ディスプレイに「母」と表示されているのを見て急降下するというような日々を送っています。すでに疲労困憊なのです。これ以上「期待」という名のはしごを上らなくてもいいのでは、という意味です。
でも「待つ」ってめちゃくちゃしんどいですから、何かに「大丈夫、未来は明るい」と言ってもらいたいのも確かです。真っ暗な道を走っていて、しかもゴールがどこにあるのかわからないのですから。
そういうときは一定の代金を支払って、パーソナライズされたものを受けるといいと思います(相手は厳選してください)。「自分の話を聞いてもらう」というのは大きな癒やしだと思います。
情熱大陸など、トップランナーに密着した番組を観る
いちばん観ていたのは二十代後半頃でしょうか。 いま振り返るとヤバいというか書くのも恥ずかしいのですが、観終わったあと毎回、過呼吸になるほど号泣していました。自分の人生の土俵に上がって命をきらめかせている人がいる一方、なぜ私はこんなところでくすぶっているのかと、みじめでたまらなかったからです。「観るなよ、寝ろよ……」と過去の私に言いたい。
この類の番組からはモチベーションを得られます。 しかし「夢を叶える」ヒントを得ることは、じつは難しいのではないかと思います。トップランナーがトップランナーになったのは、その人がその人であったからで、語られる情熱や哲学は、その人だけに当てはまる一回性の強いものだからです。「運」を真似することもできません。共通するものがあるとすれば「やることをやる」ということだけだと思います。
この類の番組から何かを得られるとしても、よほど精神力が鍛錬された人でなければ「コンプレックスの刺激」というノベルティを受け取ってしまいます。観るとしても推しが出演するときなどに限ったほうがいいと思います。
小説に人生を捧げると決意する
書くのも恥ずかしいですが本気でそう思っていました。情熱の奴隷になるというやつです。何一つ良いことはありません。悪霊と呼んでもいいくらい。 私の場合は「出家しそうな顔してるじゃん! パンケーキ食べに行くよ!」と言ってくれる友人がいたので、その蟻地獄から抜け出すことができました。
自分の人生、多くの要素の集まりです。小説だけがすべてじゃないので、パンケーキとか焼き鳥とか、登山とか買い物とかカラオケとか、窓を開けて鳥の声を聞くとか、してください。
つまるところ
余計な情報を入れず、思い詰めないこと。という点に尽きます。
振り返ると、まじで地獄を通ってきたなと…。
ご参考になれば幸いです。そして喜びと楽しさを感じながらの執筆ができますように。私もそうします。
やっぱり楽しいんですよ
メンタル面でも紆余曲折を経たわけで、いまもなお曲がり角を間違えては迷い道に出ている私ですが、それでも書いているというのは、やっぱり楽しいからです。
来る12月1日には、「文学フリマ39」に出店します。
私の書いたものを、誰かに受け取ってほしい。
このシンプルで、かつ大切な初心を思い出させてくれる文学フリマ。
会場の熱気を浴びるだけでも、モチベーションが上がります。
ぜひ、遊びに来てください。
【文学フリマ東京 39】
📚日時:12月1日(日) 12:00〜
📚場所:東京ビッグサイト(西3・4ホール)
📚入場料:¥1,000
📚出店名:塚本はつ歌
📍ブース位置:え-25
💡無料配布、商業作品もあります!
![](https://assets.st-note.com/img/1731791762-XQxFNECGPvJkaZ70Wy61BjH3.png)
暗い部屋のなか、ひとりで泣いたことのある人へ。
![](https://assets.st-note.com/img/1731791834-Di6USZNAF1rJPzYBREbvTauh.png)
20年におよぶ投稿生活の中で諦めかけたとき、「書く」ことの楽しさを思い出させてくれた主人公です。天真爛漫な「おトイちゃん」が、自由にきらきらと駆け回ります。
【イベント詳細】
https://bunfree.net/event/tokyo39/
【ウェブカタログ】
https://c.bunfree.net/c/tokyo39/w/%E3%81%88/25
ココにいます。
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