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きょうは特別なおやつ 花びら餅

3連休の中日。

午前中に宅配便の受け取りがあったので、朝から家の用事を済ませながら待つことに。

そして、ぽっかり空いた午後の予定。
きょうは珍しく青空が見えています。
日本海側で冬の晴れは本当に貴重なんです!

この晴れを有効活用したい。
そうだ、ちょっと遠くまでおやつを買いに行こう。ドライブがてら。
せっかくだから、いま届いた新しいスカートも履いて行こう。
一気にわくわくする休日になってきました。


目的地は住宅街にあるお店。
建物はそんなに古さを感じないのだけど、
入り口ののれんと引き戸に和菓子屋さんらしい風情を感じます。

どら焼き
いちご大福
もなか
お団子
わらび餅

こぢんまりとした店内に行儀よく並んでいる和菓子たち。
きっとどれを選んでも正解。
目移りしてなかなか決められません。

そんな中、私と同じように迷っていた様子のお客さんから
「これは1月限定だから」
という声が。
「限定」という言葉に思わず振り向くと、そこにあったのは、白とピンクのかわいらしい見た目のお餅。
あっ、花びら餅の季節だ!と思わず手に取ったのでした。


和菓子にあわせて抹茶も点ててみました


甘辛く煮たごぼうが包まれています


白餡とごぼうのあまじょっぱい組み合わせがツボです。
お餅がすごくやわらかくて、あっという間に食べてしまいました。
あの和菓子屋さんが人気なのも納得。


花びら餅のことをはじめて知ったのは、
小説『和菓子のアン』シリーズでのこと。

「花びら餅というのは平安時代から続く歯固はがための行事で出される菱葩ひしはなびらというお菓子を基にしたもので、茶道の初釜はつがまにも使われる年始のお菓子です」

「(歯固めとは)歯で物をきちんと噛むことができるように、齢を重ねる。つまり健康に過ごしていきましょうという意味合いの行事です。なので、お菓子になる前は干した肉や野菜、魚などを食べていたらしいですよ」

「その供されるものはやがて、菱葩という押し鮎の入った汁気のない味噌雑煮になります。薄い餅と味噌餡の椀の上に載せられた一文字の鮎。その鮎を甘く煮た牛蒡で模したのが、花びら餅です」

坂木司『アンと愛情』


なんで、ごぼう?ってふしぎに思うけど、由来を知って食べると奥が深いお菓子だなと思います。
食べやすいように、作りやすいように、
形を変えながら1000年も受け継がれてきたもの。
年のはじめにとっても縁起がよさそう。

ちなみに現在の天皇陛下もこの行事を行われ、菱葩を召し上がっておられるんですよ。
そう言われて、私はめまいがしそうになる。平安時代から現代まで、歴史と今が地続きすぎる。

坂木司『アンと愛情』


もしかしたら、紫式部や藤原道長も食べたことがあったかも?
なんて想像してみたら、『光る君へ』を思い出してうれしくなりました。
和菓子っておもしろい。


思いつきで出かけてみたら、いつものおやつが特別なものになりました。
ことしも、のんびりおやつタイムを楽しみたいです。


和菓子の記事はこちらもどうぞ




また次の記事でお会いできますように♪


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