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きのう何食べた? 日常こそが愛おしい

夕食づくりのために定時退社

スーパーで特売に一喜一憂しながらお買い物
頭の中ではスーパーのテーマソングが鳴り響く

残りものの食材を有効活用できたときの達成感

家計簿をつけて予算内でやりくり

そんなどこにでも転がっている日常が愛おしく思えるドラマに出会いました。
ここには私と同じように、毎日ごはんづくりをしている人がいる。

『きのう何食べた?』
最近、Netflixでまとめて見ました。

「シロさん」こと筧史朗(西島秀俊)と「ケンジ」こと矢吹賢二(内野聖陽)は、史朗の部屋で同棲するカップル。
食事管理をするのはシロさん。月の食費を2万5千円に収めることを目標にして、仕事をなるべく定時で切り上げて、2人の食事づくりに喜びを感じている。
2人で一緒にいることの意味を確かめ合って絆を深める姿を「食」を通して紡ぐ物語。


ドラマに出てくる料理がどれもすごくおいしそう。
そして、このドラマで好きなのは調理シーン。シロさんが手際よく料理しているのと、レシピ本のように詳しく解説してくれるのが見ていて楽しいです。
おかわりを止められるほどのケンジの食べっぷりも微笑ましくて、もっと食べさせてあげてもいいのになと思ってしまいます。

2人の食卓からは相手への「思いやり」や「愛情」が伝わってきます。
シロさんが毎日、ケンジの帰宅時間に合わせて夕食づくりをしているのは、きっと出来たてを2人で食べたいから。
接客業をしているケンジには、休みの前日にだけ、にんにくガッツリメニュー。献立も工夫してくれています。

ケンジもおいしいと思ったら、素直に感想を伝えてくれます。
食べやすいように魚の骨を取ってくれたんだね、とか相手の気遣いを感じとってくれる繊細さのある人です。ガツガツ食べているだけではなくて。これはシロさんもうれしいはず。

食べてくれる人がいて、作ってくれる人がいる。それはとても幸せなこと。


私のひとり暮らしの夕食づくりはどうだろう。
1人で作って、食べて、片付けて。
毎日に疲れきってルーティン化していないだろうか。
好きな小説を思い出してみる。

給料分の仕事をして、ていねいに家事をして、自分の体を労り、美味しいものを作って食べる。ひとりでゆっくりと好きなことをして過ごす。この日常の繰り返しこそが沙名子にとっての幸せである。

青木祐子『これは経費で落ちません!』

そっか。そうだった。
私の幸せも日常の中にあったんだ。
自分を労るための夕食づくりもいいよね。

自分のお金で好きなものを買い、好きな分だけ作って食べられる。失敗しても成功しても自分だけのもの。

青木祐子『これは経費で落ちません!』


1人だからなんでもいいやではなくて、好きなものを好きなように、ちゃんと心を込めて作りたい。

自分のために美味しいものを作って食べる。
きっと、それもとても幸せなこと。


「夕食づくり」という誰にでもある場面を丁寧に描いていて、私も何気ない日常を大切にしたいなと思えるドラマです。

最近の野菜や卵の物価高。シロさんはどうやって倹約に励んでいるのかな、なんて想像をめぐらせてみたら心がゆるんでくるのです。


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また次の記事でお会いできますように♪


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