「鵼の碑」読了
京極夏彦・著「鵼の碑」を今日で読了。とても満足に楽しんだ。これまでの著書も、シリーズ跨ぎもある壮大なエンタメだと思っていたが、壮大なパズルだな、と思った。
推理小説というのは、そういうものか。
私がどこか勝手に、人がたくさん死んでしまう、と思っていたりもする。
死は無関係ではないのだが、それよりもパズルに似た面白さの方を強く感じた。
ここでは、せっかくのパズルのネタバレはしない。
お気に入りの著者ではあるが、分厚い本を読むのは体力的に大変、という理由で、他の著書は既に手放してしまっている。
今回の読書も、紙は軽くなったとはいえ、体が痛くなりがちで、なかなか大変だった。ベッドの上で、姿勢悪く読もうとするからなのだろうが。
ということで、過去作品については記憶に残っている範囲にしかないが、それでも、とても懐かしい箇所がたくさんだった。
たくさん笑ってしまったりもしながら楽しんだ。
最後は、思い出した内容から、たくさん泣いた。
そんなことで、懐かしい温かさ、という印象も強い本だった。
過去の作品や、他のシリーズを知らずに読む人にとって、どういう印象になるのか想像できない。が、一冊だけを読んでも楽しめる工夫は、どの作品にもされてきたはず。
過去作品を読んできた人は、この本を読み終え、何冊、読み直したくなっただろうと気になったりした。過去作品でも、「あー。その話は確か、別な本の中に…」という展開で、過去作品を読み直すことになっていた。
あとは、今の時代に合った内容があちらこちらにあり、歴史や過去というのは、こうやって活かすものなんだなとか、いろいろな考え方、大切なことを教わったとも思う。激しく歴史音痴な私だが、しっかり受け取りたい内容も多かった。
いろいろな意味で面白さの詰まったレンガ本。
また読み直すだろうな、と思う。