96.ととのう休日
先週は頑張りすぎない「ご自愛」をテーマに掲げて平日を送った結果、週末は大きく体調を崩すこともなく迎えられた。土日、朝もゆっくり起きて、外出後には昼寝もして、とにかく睡眠を挟んだ。寝ることや何もしないことに罪悪感を持たず、また平日を頑張るために休むんだ、と頭の片隅に置いて、前向きに休息を取り入れた感じ。暑い暑いこの夏はこんなペースで過ごしていこう。
***
そんな日曜日は午前中に家事諸々を終えて、車で1時弱にある日帰り温泉に行くことにした。初めて行くその温泉施設は、深々とした緑が連なる山の麓にある。小規模ながら、きちんと温泉が湧いているとのことで、真夏に温泉も悪くないと、山道を夫の運転に任せて向かった。
既に満車に近い駐車場からは、レジャー帰りの家族連れが多く来ていた。受付の混み合いから浴場の混雑を不安に思ったものの、かなり空いていたのでのんびり入浴をすることができた(お昼頃だったので受付の混雑は併設の和食レストラン?)。
はじめに入ったのは、緩めの温度に設定された薬草風呂。天然温泉に六種の薬草が含まれた薬湯は、生薬の優しい香りを楽しみながら身体を芯からぽかぽか温めてくれる感じ。入浴中に眺めるは、夏の青空に山の緑が映える素敵な景色。温泉って秋冬のイメージが強いけど、真夏もいいかもしれない。緩めのお湯に浸かりながら山々を眺め、しばらく何も考えないぽけーっとした時間がとても心地よかった。
緩めといっても10分弱くらい半身浴をしていたら十分に身体が温まってきたので、足湯コーナーで休憩。強い日差しで躊躇しつつ、せっかくなので露天風呂にも足を運び、2分くらい浸かってすぐに撤退、ドライサウナの部屋に誰もいなかったので、そそくさと入室。檜のいい香りがふわっと広がり、後からすぐにサウナのもわっとした熱気が追いかけてきた。
昔からのぼせやすい体質なので長時間の入浴やサウナは避けてるのだけど、たまに入るとやっぱり気持ちがいい。サウナに関しては身体中の毛穴から汗がじんわり流れると共に、凝り固まった疲れとか悪いものとかが外に出ていくような気がする。
サウナから出て、少し足湯で休憩。
熱りを冷ましてから向かうは水風呂。実はこれまで、水風呂に肩までとっぷり浸かったことがなく、というのも、水風呂のひんやり感が苦手で、浸かっていく程にぞくぞくぞく!として断念していた。
そして近年のサウナブームにより、「ととのう」というワードをよく耳にするようになり、その「ととのう」を体験するには水風呂を避けられないということを知り、最近、どうしても水風呂を克服したかった。手桶で足首にかける水はやはり冷たく、一人で顔を歪めながらなんとか膝下までの入水。上半身にも手で少しずつ水をかけながら徐々に浸かる。最後、思い切って肩を沈めた瞬間、水風呂に入れた!と、確信。
「ととのう」という境地にはおそらく至ってないけど、サウナで熱った身体に水風呂はとても気持ちがよかった。相まって、今まで入れなかった水風呂を克服したという達成感が清々しく、自分の中ではできることが一つ増えたような、ちょっと照れ臭い嬉しさに包まれた。
なんてことない日だけど、昨日と今日の自分はちょっと違うような、ほんの少しだけ進化した気分になった。
***
ゆっくり過ごした週末も明け、迎えた8月。
初日から猛暑日というニュースが流れている。月初ムードのせかせかペースに飲み込まれず、焦らずに。今月も今週も、無理なくご自愛を意識して過ごしましょう。
おわり
いつも記事を読んでいただき、ありがとうございます。「スキ」を押していただいたり、フォローしてくださる皆様、コメントをいただけること、心より感謝です。今後共、よろしくお願いいたします ⚘⚘⚘
**********************************
OSUSUME !!!
7/20 リリースとなったnoteのサークルから生まれたエッセイ・アンソロジー。『noteと私』というテーマについて、10人のメンバーがそれぞれ彩るエッセイをお楽しみください。絶賛発売中***
**********************************