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メンバーが育たない要因は採用じゃない。目標設定に理由があった/しくじりマネジメント

部下(以下:メンバー)がなかなか思ったように成果を出してくれない。成長しているかどうかも分からない・・・頑張ってはいるんだけど・・・このメンバーは大丈夫かな・・・
多くの管理職の方が一度はメンバーに対して、そんなことを感じた経験があると思います。

僕自身もあるメンバーのマネジメントに苦労しました。頑張ってはくれているものの、なかなか成果に繋がらない。本人もキャリアに焦りがあり、その焦りから集中力がなく、業務をやりきることができない。

どうにか成長したい気持ち・意欲を支援してあげたくてあれこれと関わっているものの、なかなかメンバーの経験が積みあがっていかず、また同じミスを繰り返してしまう。本人とも毎半期、業務の目標だけではなく、成長テーマを本人と設定しているのになかなか変わらない状況・・・
どうすればこのメンバーを成長させられるのか、メンバー自身が悩み込んでいたのもそうですが、僕も悩み込んでしまったことがあります笑

なぜ成長を支援することができなかったのか、実践を通じて学んだマネジメントのポイントについてお伝えしたいと思います。


目標設定しているつもりになっていた

「顧客の潜在課題を特定できるようになりたい」「顧客のブレインのような存在になりたい」「安定的に成果を出せるようになりたい」・・・等の目標(目指す姿)を描くメンバー。あれこれと目標をおくと集中できず、どっちつかずになってしまいやすいため、優先順位を絞り、どれが一番やりたいのかをメンバーとすり合わせ、目標を設定していました。

ですが、なかなか達成できず・・・
そもそも、日常的な業務でもミスが多く、設定した成長テーマを達成できる状況からは程遠い状況でした。

優先順位を決めて、本人とも納得感を醸成したうえで成長テーマを設定したはずなのに…
本人も決してやる気がなかったわけではなく、むしろ今期こそ頑張りたいと想いをもっていたはずなのに…

なぜうまくいかなかったのか?
この成長テーマの設定において、目標設定の5つの問題がありました。

しくじり①:業務内容と紐づいていない

メンバーと成長テーマを設定している方、それは日常的な業務と繋がっているでしょうか。多くのメンバーは成長を常に意識して仕事することはできません。目の前にある仕事をミスなく正しく取り組むことでいっぱいいっぱいです。

にもかかわらず、日常の仕事とは関係性が薄い目標を設定してしまうと、やること・意識することが増えてしまうのです。

例えば、営業をしている人に「マーケティングの知識を身につけること」という目標をおいても、なかなか身につきません(よっぽどの強い意志やバイタリティ高い人はできると思いますが)
であれば、日常の営業活動の中から、ご発注いただいた顧客の購買理由を明らかにして、顧客のインサイトを自分なりにまとめること。という目標を設定した方が日常の業務に近いし、マーケティングを学ぶきっかけになりますよね(設定する目標はマーケティング知識を身に着けたい目的によりますが)

冒頭でも目標が多すぎるとどっちつかずになってしまうので優先順位付けを行った。という話をしました。常に複数のやることを覚えておくことはほとんど不可能です。

日常的な業務の中で意識できること、プラス1アクションでできることで目標を設定するのがお勧めです。


しくじり②:目標が高すぎて自信を失う

理想の自分を設定している。こうなりたい、という想いがある。これは素晴らしいことだと思います。ですが、それだけを追い求めているとなかなか苦しいです。

つまり、マイルストーン=手前に目標をおくことが必要です。

例えば、『顧客のブレインのような存在になりたい』
素晴らしい目標だとは思いますが、まずはブレインのような存在になるためには、どんな状態になれると良いか?を考えることが必要です。担当すべての顧客でそんな状態を創れるはずがありません。まずは『1社で潜在課題を特定した提案を行う』という目標を設定するイメージです。

目指す姿を設定して目標を掲げることは良いことですが、そこに至るまでのプロセスを設計し、プロセスに目標設定することが重要です。


しくじり③:褒められなくて自信を失う

メンバー自身が自分の成長を感じるのはなかなか難しいです。昨今増えている自己肯定感の低いメンバーなら尚更です。

「褒めると調子に乗ってしまうのではないか」「これでOKだと勘違いしてしまうのではないか」そんな懸念を聞くことがありますが、絶対にそんなことありません。個人的には褒めちぎってみてから考えると良いと思います。

もちろん、やみくもに何でもOKと言う必要はありませんが、褒めることによって、自分自身の変化を自覚させることが大事なのです。

それでも褒めることに違和感があるようであれば、メンバーの変化・進化を細やかに捉えて、肯定的な話をするだけで構いません。
ぜひ試してみてください。


しくじり④:人と比較して自信を失う

例えば、『1社で潜在課題を特定した提案を行う』という目標を設定したメンバーがいたとします。進捗を確認する中で「今のままで本当に大丈夫か?」と振り返ることがあると思います。
自分の現在地はどこなのか、ゴールに向けて、今の成長曲線で大丈夫なのか・・・マイルストンはおいているものの、自分はこのままで良いのかと焦ってしまうことがありますよね。

そんな中で『Aくんは●件受注した。Bくんは新しい案件を受注している』という事実を聞くと「自分はヤバいかも」と比較して凹んでしまうことがあります。

でも、大事なのは人と比較することではなく、過去の自分と比較することです。例えば、前は顧客に言われたことに応えることで精一杯だったけど、言われていないことを提案できるようになり、顧客にも受け入れられている。と捉えられるようになることが大事です。

メンバー1人1人の成長角度は違いますし、1人1人の強みがあるはずです。
他人と比べるのではなく、本人の変化に着目し、振り返るようにしましょう。

できていないことではなく、できるようになったことに着目させることが大事です。


しくじり⑤:完璧にできず自信を失う

最後にこれだけはお伝えしたいことを書きます。自分に自信を持てない人。成長感を感じられない人の多くは完璧を目指しすぎています。
理想の自分。キャリアを積んだ先輩。どちらにしても、完璧な状態をイメージしてしまうからこそ、そのGAPに苦しんでしまいます。

でも、大事なことは完璧にすることではありません。
”完遂”することです。

完遂することを目指し続けられれば、きっと成功します。いや、成功に近づきます。「努力は裏切らない」と言いますが、そんなことはありません。成功するまで努力を続けるからこそ、結果的には努力は裏切らないのです。

上司がやるべきことは努力し続けられる環境をつくることです。メンバーが挫けそうになっても信じて任せ続けることです。期待し続けることです。

完璧ではなく完遂

ぜひ、キーワードとして、覚えておいてください。

終わりに

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仮谷泰祐|働くを愉しく
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