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読書ログ4 『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』 菅付雅信

 たまに読みたくなるよね、自己啓発本。役に立つかどうかは読む前も読んだあとも大抵の場合わからんが、少なくとも読んだ直後は全能感に似た何かが出る。やる気とか元気とか。

 四冊目、こういうものを。さっき読み終えた。

『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』 菅付雅信

 ほぼタイトル買いに近い形で手に入れたもの。世の人々、天才という言葉が何かしらフックになるようで、そこはまああたくしも似たようなもんである。天才になる習慣。知りたいじゃん。そりゃ知りたいよ。

 クリエイティヴとは、という中心点をめぐってあれやこれやを論じる本でした。とにかく強調されているのはインプットの大切さであって、本を読み、映画やアートを観て、音楽を聴き、ということを日々ハードにやり続ける先にしかクリエイティヴな人生はないよといっている。現代の偉人みたいな人たちの例も挙げつつ、楽には創造的な作業やら仕事やらはできないことが示される。本書で説かれるようなクリエイターとしての生き方に倣おうとすれば、それはかなりヘヴィな生活になるでしょう。
 いくつか引こう。

 よく「暇な時間を見つけて本を読みたいけれど、なかなか暇がつくれない」という声を耳にするが、インプットとしての読書は「暇な時間」にやることではけっしてない。
 それは日常のルーティンであり、仕事の一環だ。

65ページより

 しかしプロにとって、映画は単なるエンタメや娯楽ではない。映画は日進月歩で進化する芸術であり、最強のイメージ・リソース。そして映画の作り手はますます高度な「読み」を観客に要求しており、プロはそれを「読む」ことが求められている。まさに現代アートのように。

123ページより

 あんまり引くと怒られるかもしれんのでこのくらいで。この他の話もたくさんあっておもしろいんだけども、本気というかガチ感のあるこうした話(何もこの本に限ったことではないんですが)を鼻で笑っている限り、何か優れた成果は出てこないんじゃないのかと。というよりも、クリエイターを目指しておいて、本書を読むとした場合のその時点で、本書の中で実践を勧められていることのどれにもまだ縁がなかったならば、それこそ天才になる習慣というものが必要なのではあるまいか、というところなのでしょう。

 ただちょっと音楽の章に物足りなさを感じた。音楽と創作の関係を常々考えているんで、ここをもっとガッツリと教えてほしかった。村上春樹と大江健三郎の音楽好きに関しては(引用であるにせよ)興味深く読んだけど。どうやら小説と音楽は切り離せないようですよ。

 偉大な芸術家はみな偉大な労働者でもあった、といったのが誰だったか忘れたし、道でカーネギーホールへの行き方を尋ねたら「練習だよ練習!」といったのが誰だったかも忘れた。そんな余談もこうやってぼんやりといいつつ、がんばりましょうってだけですね。

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