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【書評】美しい心がよい人生を作る!!! 稲盛和夫『心。』

こんにちは。昨日感動しすぎてしまい、一瞬で読み終えてしまった
稲盛和夫氏の『心。』の書評をしていきたいとおもいます。

まず、この表紙デザインからしてすごい。

真っ白な背景にでかでかと書かれた『心』という文字。
これは書店でもかなり目を引くデザインです。ぶっちゃけ自分は、この表紙だけで『ジャケ書い』しました。自分の「心」を信じて、購入した。

自分の直感は間違っていなかった!! 
ビジネスマン、経営者のみならず、人間全般にとって大切な『心』を解説してる本なので、メッセージはいたってシンプルなんですね。

人生で起こってくる
あらゆる出来事は、
自らの心が引き寄せたものです。
それらはまるで映写機が
スクリーンに映像を写し出すように、
心が描いたもの忠実に再現しています。 (表紙裏より)

この本のメッセージはいたってシンプル。

「心」の持ちようによって、現実はどうとでも変わる!!!

ということです。
「いいことが起きる」のも、「いい心」を持って、常に感謝の気持ちと謙虚な気持ちを忘れていないから。
同じく、「わるいことが起こる」のも、「わるい心」を持って、周りを馬鹿にして、自分を過大評価し、おごり高ぶっているから。

人生のすべての出来事に対して、どっしりと構える「山のような心」を持つことで、人生の「悟り」に近づこうと日々懸命に努力する。
これが、いい人生をつくる「心」だと、稲盛氏は述べています。

【結局は「心の持ちよう」】

 著者は、自身の実体験を多く盛り込み、そのなかで感じた反省や己の過ちなどを、ありありと描写しています。著者の稲盛和夫氏は、京都セラミックを一大企業に成長させるだけでなく、崩壊寸前の会社、例えば航空会社を、従業員の「心」を磨くことによって救ったりなど、実に波瀾万丈の人生を送ってきました。なかには労働争議に巻き込まれたり、同僚から晒し者にされたり・・・。読んでいる自分も、その波瀾万丈な人生を追体験しているような錯覚を受けました。
 そんな稲盛さんだからこそ、自信を持って主張することができる「心」の大切さ。彼はこう述べています。

「心の構造」がしっかりしていれば、
人生もよい方向に進んでいく。
ビジネスや普段の生き方においても、
「利己」ではなく「利他」の観点から動けば
おのずとうまくいく。

現代の競争社会で生きている我々の目を覚まさせてくれる考え方ですね。
企業の正義は「利益」を上げることにあります。しかし、その目的のためにいかなる手段を使っていい、というわけではない。

「自分達のためだけの利益追求」は一時はうまくいっても、
いずれは崩壊する。
「他人の利益を追求」すれば、おのずと謙虚で美しい「心」が生まれ
組織は長続きする。

著者は以上のように主張しています。

確かに、
「自分だけがいい!!」だと、明らかに反感を買います。
「俺は俺は」だとジャイアンです。
ジャイアンではなく、
秘密道具を分け与えて他人のために動く
「ドラえもん」のような人間になりたいですね。

また、ビジネスで重要な点が

「他人のため」を思うビジネスは、成功する。
なぜなら、ニーズが生まれるから。

結局、「利他」で動くことが一番の利益への近道ではないか、と思います。
誰にも必要とされてないビジネスをやっても何にもならないし、「勝手にやってれば」となります。そうではなく、「他人のためになる」ビジネスをやっていれば、「賛成!」と思った人がどんどん集まり、自然とそこにお金も集まってくる。お金があれば、また面白いことができて、また人が集まる・・・といった「好循環」ができると思います。

大事なのは「知識」や「スキル」ではない。
結局は「心の持ちよう」が一番重要。

この本を読んで、私はそう感じました。

【とにかく、「一転突破」!!】

本書では、「あきらめない心」の重要性も説いています。
人生は断崖絶壁のようなもので、そのなかでとてつもない障害が出てくる。その障害に、正面から堂々と取り組む、ということが大事だと氏は述べます。

本書中にも、「めちゃくちゃなクライアントor親会社の要求」を、泥臭い努力で満たしてきた

事例がたくさん出てきます。その全てが「実体験」なので、生々しいことこの上ないですが、全て「稲盛さんの強い心」によって突破しています。

ここから感じたこと。

「信念」を貫き通せば、不可能はない。
他人がどう言おうと、とにかくやる。

これがビジネスにおいても、生き方においても大事なことだと思います。

【謙虚は大事】

氏は、「成功をおさめた人物が、不祥事によって没落してしまうのはなぜか?」という疑問に答えています
それはズバリ

清らかだったはずの「心」が、
傲慢さによって汚れてしまったから。

成功するのも「心」であれば、悪い方向にいくのもまた「心」だというわけです。この一貫性に、稲盛氏の強固な「哲学」を感じました。

稲盛氏は、倒産寸前の会社をたち直すためにはまず「経営者の心を変える」ことを行ったようです。やばい状況の会社の社員に、「セミナー」を日々開いたみたいです。
当然、「こんなやばい時になにをのんきな・・・」という批判の声もありましたが、稲盛氏は「心が全ての根源」と信じてやまなかったので、まずは「経営者の心」を変えることに専心しました。ときには社員との激しい衝突もあり、「人の心を変えることの大変さ」がどれほどのものか、これもまた生々しく描かれています。念願叶って、その会社は倒産から立ち直ることができたみたいです。全ては「よい心」のおかげ。カスタマーサービスの賜物。

「俺らの会社はなんでダメなんだ」
「なんで他のやつより・・・」

そうした「悪い心」を「きれいな心」に磨く。これが、「会社を救う」ことに繋がったわけです。謙虚さは大事。

人間は、社会的地位が上がると「謙虚さ」を忘れてしまう。
そうすると、「感謝の心」もなくなり、
次第に「心が汚れ」てしまう。
そうならないために、「感謝」を忘れずに「謙虚」に生きる。

ことが大事だと氏は述べています。

私の解説ではまだまだ不十分ですが、本書中では

「宇宙」まで話が広がり、
仏教的な「真善美」をもつことで
自然な「謙虚さ」が沸き上がってくる

ということを述べています。実際にお坊さんに師事した経験があり、古きよき仏教的考え方に囲まれた家庭環境で育った稲盛さんだからこそ、理解できた「世界の真理」に近いものだと思います。この部分は深く感動します。

【残念な点】

この本は素晴らしいことこの上ないですが、共感できなかった点が2つあります。

①他人に嫌われようがやりとおすこと
②家族に迷惑をかけてしまうが、「心」のためにはそれもやむを得ない

この2つは、「違う」と思いました。
自分なりの哲学を持ち、貫き通すことは素晴らしいとおもいます。しかし、だからといって「他人を不快にさせてもいい」というわけではありません。

よい「心」をもつために、他人を不快にさせてしまっては
本末転倒じゃないか?

と思います。何事も極端すぎるのはよくない。たまには「妥協」も必要なのではないかと思います。バランスをとりましょう。

【結論】

「悟り」を目指し、「清らかな心」を持つ努力を続けていけば、おのずと人生は好転する。
そのためには、日々の「感謝」を忘れず、
どんな困難もやんわり受け入れる「謙虚さ」をもつことが大事。

私が本書を読んで気づいた点は以下の3つ。

①「自分が損するからイヤ」ではなく、
「他人が損するからイヤ」と考えるべし。

②目標を決めたら、すぐにへこたれるな。目標には頑固に。

③人生は困難がつきもの。
それをうまく乗り越える「心」をもつことが大事。

素晴らしい本でした。学生のうちに読んでてよかったと思えるような本になりそう。
あと、『Think Clearly 』もそうだけど、サンマーク出版はアタリが多い気がする。

書誌情報 稲盛和夫『心。』2019年 サンマーク出版

美川

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