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2024年2月25日 13:05
夜明けの終わり。カーテンの隙間から差し込む明かりが、あなたの頬にそっと色を乗せる。これから先、私たちは幾度となく、同じようで全く違う、甘くて痛い夜を越えていく。うっすらといびきをかくあなたの、目にかかる前髪をそっとどかし、おでこにゆっくりと口づけをした。それは、とっても甘くて、耐えられないほどに痛かった。私の涙が、うっすらと寝息をもらすあなたの、私の体温が
2020年11月17日 09:54
朝起きて、諸々のことを済ます間にやかんでお湯を沸かすのが私の習慣だ。が、今日はお湯が沸くまで、じっと待っていたい気分だった。実家のやかんは大きめだから、考えごとをするのには丁度いい時間を与えてくれそうな予感がしたのかもしれない。水を注いで火にかける。スタバのカウンター席に用意されたものと同じくらいの高さの椅子に腰かけて、軽いストレッチをしながら青い炎と古びたやかんを見つめていた。