読書紹介『魚コードがコピられるまで』
明和電機、というアーティストをご存じだろうか。最近だと、オタマトーンという電子楽器がヒットしたので、その名を目にした人も居るかもしれない。
青いツナギを着て、自作の電子楽器を演奏するというパフォーマンスを行ったりと、活動の幅は広い。
その明和電気の「ナンセンスマシーン展in沖縄」と言うものに、旅行先でタイミング良く偶然出くわした。
※ 2024.7.13(土)〜9.16(月)なので、すでに終了している。
展示あり、コンサートありで、いい年したおっさんでも楽しく過ごすことができた。
コンサート後に、サイン会もあったので、購入した本、『魚コードがコピられるまで』に土佐信道氏のサインも貰った。
『魚コードがコピられるまで』という本を何故買ったのかというと、表題の通り、明和電気がプロダクトとして作成した、魚の骨の形をした、USBケーブルが、無断でコピーされ、販売されていたという事件を扱ったものとして面白そうだったからだ。
この本を読むと、著作権、と言うものに対する認識が新たになるし、昨今、ネット上で流通している多くの中国製の製品と言うものがどのように製作されているのか、ということも知ることができる。
特に、工業製品の中国でのマッチングサイトでのやり取りだけで、簡単な機能のおもちゃや、企業が配るようなノベルティグッズ的なものは、短期間で制作できるうえにクオリティも一定の水準に達している状況は想像以上だった。
おそらくは日本で流通しているものの多くがこうして中国で生産されて、公式非公式に出回っているのだろう。
以前からアパレル関係では、販売元から正式な発注を受けて商品を作っているところが、同じ工場で偽ブランドの商品も作っている、などと言われていたが、3Dプリンタやコンピュータ制御の工作機械が安く高性能になってきた今では、ありとあらゆる製品がそうなっているのかもしれない。
中国という国との貿易に規制をかけたところで、この流れは世界中に広がっていくことだろう。
良い悪いは別にして、デジタルデータ化できるものは、ほぼ何でも製造できる世の中になっていくのは、この先止めることはできないのだろう。