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ピラティスで痩せれるらしい!?

こんにちは!デイジーです。今回は『ピラティスで痩せれるのか』を研究してる論文を紹介したいと思います。



タイトル

過体重または肥満に対するピラティスの効果:システマティック・レビュー

1. イントロダクション

過体重および肥満は、異常または過剰な体脂肪の蓄積として定義され、慢性疾患や早期死亡の主要なリスク要因である。2016年の統計では、世界の成人の39%が過体重、13%が肥満であった。過体重や肥満の予防と治療には、適度な身体活動が最も効果的とされるが、一部の運動は関節に負担をかける可能性がある。ピラティスは筋骨格系の負担を減らし、体重減少と体組成の改善に役立つ可能性があるため、注目されている。

2. 対象者

本メタ分析に含まれる研究は、過体重(BMI ≥ 25)または肥満(BMI ≥ 30)の成人を対象としている。妊娠中の女性、運動療法に禁忌がある参加者、摂食障害のある参加者は除外された。11のランダム化比較試験(RCT)が分析に含まれ、総計393名の被験者が参加した。

3. 検査方法

データベース(PubMed、Cochrane Library、Web of Science、中国国家知識インフラ(CNKI)、EMBASE)を系統的に検索し、2020年11月12日までの関連RCTを抽出した。3名のレビュアーがデータ抽出と研究品質の評価を独立して実施した。主要アウトカムは体重、BMI、体脂肪率、除脂肪体重、ウエスト周囲径であり、データは平均差(MD)と95%信頼区間(CI)で統計的に解析された。

4. 結果

11のRCTからのデータを分析した結果、以下のことが示された:

  • 体重:ピラティスは体重を有意に減少させる(MD = -2.40, 95% CI: [-4.04, -0.77], P = 0.004, I2 = 51%)。

  • BMI:ピラティスはBMIを有意に減少させる(MD = -1.17, 95% CI: [-1.85, -0.50], P = 0.0006, I2 = 61%)。

  • 体脂肪率:ピラティスは体脂肪率を有意に減少させる(MD = -4.22, 95% CI: [-6.44, -2.01], P = 0.0002, I2 = 88%)。

  • ウエスト周囲径:ピラティスはウエスト周囲径に有意な効果を示さなかった(MD = -2.65, 95% CI: [-6.84, 1.55], P = 0.22, I2 = 0%)。

  • 除脂肪体重:ピラティスは除脂肪体重に有意な効果を示さなかった(MD = -0.00, 95% CI: [-1.40, 1.40], P = 1.00, I2 = 23%)。

5. 考察

ピラティスは、特に肥満のみの参加者や長期の介入期間において、体重、BMI、体脂肪率の改善に効果的であることが示された。

・長期の介入期間:ピラティスの介入期間が10週間を超えると、体重とBMIの減少効果がより顕著であった。長期的な継続が効果を高めた可能性がある。

・肥満の程度:肥満の参加者は過体重の参加者に比べて初期の体脂肪量が多いため、ピラティスによる体脂肪率の減少がより顕著に現れた可能性がある。

・筋肉の強化と代謝の向上:ピラティスは筋肉の強化と代謝の向上に寄与する。肥満の参加者は基礎代謝が低下していることが多く、ピラティスによって筋肉量が増加し、基礎代謝が向上することで体重減少効果が顕著に現れたと考えられる。

・精神的・感情的な要因:ピラティスはリラクゼーション、集中力の向上、呼吸法のコントロールを含むため、ストレスの軽減や精神的な安定にも寄与する。肥満の参加者はストレスや感情的な要因が過食や体重増加に影響を与えていることが多いため、ピラティスが精神的な健康を改善することで体重管理に効果を発揮した可能性がある。

6. まとめ

本メタ分析により、ピラティスは過体重または肥満の成人に対して体重、BMI、体脂肪率を顕著に減少させることが示されたが、特に肥満の成人には顕著であった。ウエスト周囲径および除脂肪体重には有意な効果は見られなかった。これらの結果は、ピラティスが体重管理の一環として有効であることを示唆している。

7. 疑問点や今後の課題

現時点では、ピラティスの安全性についての報告が不足しているため、将来の研究では安全性の報告を改善する必要がある。
また、他の運動との比較研究や食事介入とピラティスを組み合わせた研究も必要である。


以上が今回の論文紹介になります。

個人的には、徐脂肪体重は落ちずに、体重と体脂肪率が落ちた事は嬉しい報告かなと思います!
これは、筋肉量はそのままで脂肪が落ちた と解釈できるかと思います。

まさに理想的な体重の落とし方!!

ただ、今回は元々脂肪が多い人をターゲットにしていた為、標準体型の人がより体を絞ろうとする場合は、食事管理や有酸素運動はなどがやはり必要になる事が多いので、ピラティスだけで絞れると思われるのは注意が必要です!

今回も、読んで頂きありがとうございました!
この論文の詳細は以下をご参照ください。


Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33776797/

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