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わたしの本棚

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#講談社

わたしの本棚76夜~「和解する脳」

わたしの本棚76夜~「和解する脳」

 

 脳科学者として、池谷裕二氏の解説もわかりやすいです。この本は、弁護士の鈴木仁志氏が池谷裕二氏に尋ねるような対談として成り立っています。弁護士として裁判という場で、長年、紛争を扱ってきた鈴木氏が、人間の行動原理を探るべく、池谷氏に切り込んでいます。2010年の第1刷の値段です。

☆「和解する脳」 池谷裕二×鈴木仁志著 講談社 1400円+税

 鈴木氏が進化生物学で最も感銘を受けているのは

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わたしの本棚75夜~「空気を読む脳」

わたしの本棚75夜~「空気を読む脳」

 中野信子さんの本は、難しいことを簡単に解説してくれていて、脳科学と敷居が高そうな論考を、恋愛、いじめなどの感情を絡めたことに持っていくので、読みやすいです。この本も、日本人の同調圧力は遺伝子に組み込まれたものであり、戦中の「特攻隊」の発想は、神経伝達物資セロトニンの分泌によるものだといいます。コロナ禍において、同調圧力は高まっていますが、それも日本人特有の義理と人情、恩と返礼を大切にする日本人の

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わたしの本棚60夜~「星の王子さま」

わたしの本棚60夜~「星の王子さま」

昨日、コロナの死者が過去最高の33人というニュースで気持ちが沈みました。怖いです。12月になり、冬本番。どうか、乗り切らなくては、と。当面、自粛生活が続きます。

「星の王子さま」と「モモ」は、大人になって読むたびに、発見があって、深いなあ、と思います。小学校の課題図書で読みだしたのが始まりで、そのときはさして感銘なく、義務で読みました。それ以来、この二冊は、読むたびに感じることが違ってくる本です

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わたしの本棚36夜~「掃除婦のための手引書」

わたしの本棚36夜~「掃除婦のための手引書」

関西現代俳句協会のホームぺージのエッセイ(2020年2月)に書いた文章を本の紹介部分だけ、加筆・訂正したものです。

 毎年、12月、自分への1年のプレゼントとして、本屋さんで本を買うことにしています。日頃は、図書館で借りたり、手軽にアマゾンで買ったりするのだけれど、師走のはじめ、本屋さんで、その年の数冊を選びます。
 この習慣は、知人の元北新地のママさんから、年の瀬に、祇園に着物や小物を自分自身

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わたしの本棚9夜~「スタアのいた季節」

わたしの本棚9夜~「スタアのいた季節」

 読書と同じくらい映画も好きです。映画は観終わったあと、感想を言い合うのも楽しくて好きです。違った観方を学べたり、こぼれ話、撮影秘話など聞けたりすると嬉しいです。そして、この本は、少し古くなりますが、昭和の時代、大映のスタア映画の話満載です。

☆「スタアのいた季節」中島賢著 講談社 1980円+税

20年近く、大映の宣伝マンだった中島氏の、出会ってきた俳優、日本映画の回顧録です。尊敬する永田社

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