最近のコーヒーはなんであんなに高いのか?【バリスタ的考察】
世の中には二種類のコーヒーしかない。
お高いコーヒーか、安いコーヒか。
こんにちは!
ちょっとそれっぽい感じで始めて見ました。今回はコーヒーの投稿です。
昨今のコーヒーの品質は目を見張る物があり、100gで10,000円するような高級なコーヒーも多く見受けられます。コーヒー一杯にすると余裕で1,000円を超えたりもします。スターバックスリザーブとかでも一杯1,000円超えのコーヒーは見ますね。
100gで10,000円までは行かずとも、100gで2,000円とか5,000円とかだと、こだわっているコーヒー屋さんなら置いてることも少なくありません。
しかし、なんでこんなに価格が跳ね上がるのか?
多くの人が疑問に思っていると思います。
そこで、仕事柄いろんなコーヒーを飲む私が、バリスタの観点から見て、なぜコーヒー豆の価格が高くなるのか?というところを掘り下げてみようかと思います!
それではいきましょう!
なぜ価格が高いのか?
さて、なぜコーヒーの値段が跳ね上がるのか??
要因としてはいくつかあり、ザックリまとめると
①希少性によって価格が上がる
②ブランディングによって価格が上がる
③品質の高さによって価格が上がる
この3つです。
この部分だけでもちゃんと説明しようとするとどえらい長くなりそうなので、端的に説明を試みます。以下をどうぞ!
①希少性によって価格が上がる
例えば昔からある希少価値の高いコピルアック(ルアークコーヒー)とかがそうです。コピルアックって本当に獲れる量が少ないので、どうしても値段が高くなってしまいます。
ジャコウネコがコーヒーの実を食べて、便として排出されたものを洗って焙煎するという一風変わったコーヒーですが、ジャコウネコに無理やりコーヒーの実を食べさせているところもあるらしく、動物愛護団体からやんや言われていました。フォアグラと同じような感じですね。
コピルアック、飲みたい方や興味ある方はぜひググってご覧ください。
そして最近は猫だけではなく、像とかにも食べさせているらしいですが…(ブラックアイボリーコーヒー)
残念ながらこれらは飲んだことがないのです。あまり興味がわきませんで。ただ、独特な香りがするとだいたい書かれています。
②ブランディングによって価格が上がる
お次はブランディングによって価格が上がるパターンです。有名どころで言うとブルーマウンテンとかがそうですね!このブランディングによるマーケティングは一昔前に流行ったのですが、木樽でコーヒーを輸出したり、「英国王室御用達コーヒー」という全く根拠のないキャッチコピーがつけられたりと、なんやかんややっていたそうです。
ただこのブルマンは、日本人に対するブランディングが大成功していたことで、ほぼほぼ日本にしか輸出されていなかったそうです。(ブルマンのコーヒーの80%以上が日本に輸出されていました。)
味覚評価が定まっていなかった当時においては、品質の保証が十分ではないにもかかわらず流行っていたらしいので、まんまと情報に踊らされて、マーケティングに引っかかった感じですね。
私も飲んだことはありますが、特別美味しい記憶はありませんで…普通においしかったです。
このほかにも山系のコーヒーブランドはいくつかあり、得てして日本人はマウンテンという言葉に弱かったそうな。
エメラルドマウンテン(コロンビア)やキリマンジャロ(タンザニア)、コアなところでいくとインドネシア・バリ・アラビカ神山(しんざん)なんてのもあります。
エメマンってジョージアの印象が強いですが、実際にコロンビアにある山で、コーヒー豆の状態で売っているコーヒー屋さんも昔はよく見かけました。
マウンテン以外のブランディングだとハワイのハワイ・コナ・エクストラファンシーとかですね。詳しくはエクストラファンシーは等級の表示なのですが、名前がなんかもう特別感ありますね。
個人的にハワイのコーヒーは個性に乏しい印象なので、酸味系苦手な人に補足でオススメするくらいですね。
ちなみにブルマンとハワイコナ以外はそんなに高くはないです。
③品質の高さによって価格が上がる
2,000年ごろから徐々にこの流れが主流になってきました。いわゆるスペシャルティーコーヒーの台頭に伴う、適正価格の取引という名のコーヒーの高価格帯での値付けです。
それまでのコーヒーの等級は、欠点のあるなしや、栽培されている標高の高さによって決められるというもので、コーヒーの品質を担保するというものではありませんでした。
つまり、等級が高いからといっておいしいというわけではなく、むしろ等級が高くてまずいものも存在していた、ということです。
そんな中、その評価方法に意を唱えたのがアメリカのマスターオブコーヒー・ジョージハウエル氏です。スペシャルティーコーヒー業界においてこの名前を知らない奴は、おそらくモグリです。
氏は「この評価方法じゃあ品質の高いコーヒーは見つけられないよ」的なことをおっしゃり、品質評価のためのスコアシートを発明したのだそう。
それがきっかけとなり、各地で品評会が行われるようになりました。
特に、カップオブエクセレンスという品評会が有名で、この品評会で出品されたコーヒーは得点と順位をつけられ、その後オークションにかけられ、各国のバイヤーに落札されます。
ちなみに過去最高額の落札は日本の丸山珈琲で、1キロ¥73,000という超絶高値で取引されたそうです。
末端価格にすると100gで¥20,000以上とかするんじゃないでしょうか?ブルマンが1キロ¥4,000〜¥5,000なので、その圧倒的な価格帯に驚かされます…
さて、かなりザックリですがこんな感じの理由でコーヒーの価格が上がりますよ〜というお話をしてきました。
ブランド戦略や希少性により高価格がつけらているコーヒーもありますが、やはりコーヒーの品質の高さに応じてつけられる価格は群を抜いています。
価格は高いものの、今まで搾取され続けてきたコーヒー生産者に、適正な対価を支払うことができる仕組みができあがったことは非常に喜ばしいことです。これにより生産者のモチベーションを上げることで、品質の高いコーヒーが生まれるきっかけにもつながります。
今までの不確かな値付けに比べれば、非常に本質的な値付けでもあるので、皆さんにも高価格帯のコーヒーを味わってみて欲しいと思います。
しかし!実際問題その高いコーヒーはおいしいのか?値段が張るだけに、おいしさは担保されててほしいもの…
次回はその高いコーヒーは実際においしいのか?というところを掘り下げていこうかと思います。
それでは、また!