不気味で異常なキャラを描こう!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
名作映画を研究して、創作に活かそう!
本記事では、「見知らぬ乗客」に【「不気味で異常なキャラ」の描き方】を学びます。
※「見知らぬ乗客」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。
---🌞---
テーマ発表!!
本記事では、「ブルーノの不気味さ・異常さがよく伝わってくる名シーン」を分析します。
<ざっくりキャラ紹介>
▶ ガイ:20代半ば頃の男性。テニスプレイヤー。
▶ ブルーノ:ガイより少し年上(30歳頃?)の男性。富豪の子息。じつは精神異常者。
「不気味さ・異常さ」がよく伝わってくる名シーン
それでは、映画開始からおよそ48分経ったところで挿入されるシーンを見てみましょう。
舞台はテニスコートです。
コート脇のベンチには、ガイが座っている。彼は自分の出番を待っているのです。
コートでは、2人の選手がラリーを続けています。右から左へ、左から右へ、ボールが飛んでいく。観客席に座った人びとは、ボールを追って一斉に首を左右に振っている。
ところが、ふいにガイが気づく。
観客席の中に、1人だけ微動だにしない男がいるではないか!よく見ると、あれは……ブルーノだ!
ブルーノは、じっとガイを見つめているのでした。
ポイントは、「対照的なキャラを周りに配置すること」!
多くの鑑賞者は、ブルーノというキャラに底知れぬ恐怖を感じるはずです「コイツ、普通じゃない……!!」。
まさにその通り。ブルーノは精神異常者です。彼は狂っている。
そしてこのあと、ガイはブルーノによってどんどん追い詰められ、破滅寸前にまで至るのですが……これは、そんなブルーノの「不気味さ・異常さ」がよく伝わってくる名シーンと言えるでしょう。
このシーンのポイントは、「『首を左右に振る観客』と『微動だにしないブルーノ』の対比」です。つまり、「『動』と『静』の対比」。
「1人の男が遠くの方から、主人公をじっと見つめている」……それだけでも、まぁ不気味と言えば不気味なシチュエーションです。怖いと言えば怖い。
しかし、より一段と不気味さ・異常さを強調する方法があります。ズバリ、その男の周りに「絶えず動き続けるキャラ」を配置すべし!
すぐ傍に「動き続けるキャラ = 比較対象」を置いてやることで、「主人公をじっと見つめる男」の不気味さ・異常さが際立つというわけです。
つまりこれは、「不気味なキャラ・異常なキャラ」の周りに「対照的なキャラ = 比較対象」を配置することで、その「不気味さ・異常さ」を強調するというテクニックです。
みなさんもぜひ使ってみてくださいねー!!
関連記事
▶ 「見知らぬ乗客」の「三幕構成」分析は、こちらの記事でどうぞ😁 → 【三幕構成の実例】見知らぬ乗客
▶ 「機能的で、かつオシャレなオープニングシーン」を描こう!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
▶ 「アクは強いが、鑑賞者に好かれるキャラ」の描き方!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
▶ 「どこから見ても善人としか言い得ぬ『善人キャラ』」はつまらない!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
▶ 「手に汗握るシーン」の描き方を学ぼう!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
▶ 約15分間続く「クロスカッティング」を徹底分析!!|『見知らぬ乗客』に学ぶテクニック
---🌞---
関連
---🌞---
最新情報はTwitterで!
---🌞---
最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)