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特別なキャラのための「他のキャラとは違う特別な登場シーン」!!|『ロープ』に学ぶテクニック

名作映画を研究して、創作に活かそう!

本記事では、「ロープ」に【「特別なキャラのための、特別な登場シーン」の描き方】を学びます。

※「ロープ」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。

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テーマ発表!!


本記事では、「ルパートというキャラの初登場シーン」に注目します。


<あらすじのご紹介>

1:「自分たちは選ばれた人間だ。殺人すら許される」というエリート思想に憑りつかれた2人の青年(ブランドン、フィリップ)が、大学時代の同級生(デイヴィッド)を絞殺。遺体をチェストに詰め込む。

2:ブランドンは強気で自信満々。一方フィリップは比較的弱気で、殺人を後悔し、発覚を恐れている。

3:彼ら(主にブランドン)はさらなるスリルを求めて、パーティを開催。デイヴィッドの両親らを招く。そしてパーティ会場(2人の自宅)には、遺体入りのチェストを置き、テーブル代わりに使うなどする(なんと悪趣味な!)。

4:パーティ中にアレコレあって……ルパート(参加者の1人。ブランドンらの大学時代の恩師)が2人の凶行に気づく。最終的に彼が警察を呼ぶところで、物語は幕を閉じる。

※つまりルパートというキャラは、本作の探偵役です。


特別な登場シーン


本作の舞台は、高級アパートメントの1室。ブランドンとフィリップの部屋です。

そして物語は、2人がデイヴィッドを殺害するシーンから始まる。続いて、物語開始から約12分経ったところで、買い物に出ていた家政婦が帰宅。以降、パーティの参加者が順々に登場します。ブランドンらの同級生、デイヴィッドの恋人、デイヴィッドの父と伯母。


彼らは全員、①呼び鈴が鳴る → ②ブランドンらが出迎える → ③「やぁ、久しぶり」「どうもどうも」などと挨拶を交わす、というステップを踏んで部屋に入ってきます。

鑑賞者はそのやりとりを見て、「それがどのようなキャラなのか」「キャラ同士の関係はどうなっているのか」を理解する。要するに「主要キャラの紹介パート」ですね。


そして、最後に部屋にやってくるのがルパート。

彼の登場シーンは、他のキャラとは一味違っています。すなわちルパートは、いつの間にか部屋の中にいるのです。おそらくは、カメラに映っていないところで家政婦が部屋に招き入れたのでしょうが……ブランドンやフィリップ、そして私たち鑑賞者にとっては「①呼び鈴も、②ブランドンらの出迎えも、③挨拶もすっ飛ばして、突然現れたキャラ」に見える。

ブランドンとフィリップは、「おっ、いつの間に」という感じで驚いた顔をします。

同様に、多くの鑑賞者もびっくりするでしょう。しかし、それだけではありません。私たちは直感する「このルパートという男、特別なキャラに違いないぞ」と。


まとめ


はて。私たちはなぜ「ルパート = 特別なキャラ」と感じるのでしょうか?

ズバリ、「①呼び鈴が鳴る → ②ブランドンらが出迎える → ③挨拶を交わす」というステップを4回繰り返し見た後だからこそ、それらをすべてすっ飛ばして登場するルパートに「特別さ」を感じるに違いありません。


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つまり、「他のキャラとは異なるスタイルで登場させることで、鑑賞者に『これは特別なキャラだぞ』と印象づけるテクニック」ですね。

このテクニックを使えば、説明的なセリフやナレーションによって「彼は特別ですよ」と伝えるのと比べて、グッとスタイリッシュな「初登場シーン」を描き得るはずです。

みなさんも、ぜひ使ってみてくださいねー!


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(担当:三葉)

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