<主人公っぽいキャラがじつは主人公ではなかった>という展開で、鑑賞者・読者を仰天させる!!|映画「ザ・ハント」に学ぶ
主人公かと思われたキャラが次々と死んでいく……!
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映画「ザ・ハント」の前半では、【それまで主人公っぽく描かれていたキャラが突如死ぬ → また別の主人公っぽいキャラが登場する】という展開が2度、3度と繰り返されています。
※補足:作品の詳細については以下の記事をご参照ください。
具体的には以下の通りです。
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▶STEP1
森の中で11人の男女が目を覚ました……。
彼らは自分たちがなぜここにいるのか、ここがどこなのかまったく記憶がない。なお、彼らの傍には武器(銃、ナイフなど)が置かれていた。
カメラは1人の金髪女性が驚き、戸惑い、動揺し、辺りを散策する様子を追いかける。たいていの鑑賞者は「なるほど、この人が主人公か」と思ったはずだ。
▶STEP2
しばらくして、親切そうなイケメンがやってくる。そして「何が起こるかわからないから持っていた方がいい」と言って銃を手渡し、その使い方を教えてくれる。
多くの鑑賞者は「ほぉ。この男が副主人公かな」と思ったことだろう。
▶STEP3
やがて、11人はどこからか銃撃を受ける。11人は慌てふためき、物陰に身を隠した。金髪女性とイケメンも同様だ。多くの鑑賞者は「おっ!いよいよ始まったぞ!さぁ、まずは誰が死ぬのかな?あの小汚いオッサン辺りかな?」なんて身を乗り出したはずだ。
ところが……その直後、金髪女性の頭部に銃弾が命中!金髪女性は血と脳漿をまき散らして死んでしまった!
私たち鑑賞者は仰天せざるを得ない。「えー!お前、主人公じゃなかったの!?」と。
▶STEP4
続いて、たいていの鑑賞者は思ったはずだ「ってことは、このイケメンの方が主人公だったのかな?」。
その後、イケメンは重傷を負ったキャラを救出するなど活躍を見せる。
おお!やはりこいつが主人公だな……と思った次の瞬間、カチリ。嫌な音が響く。彼は、地面に埋まっていた地雷を踏んでしまったのだ!かくして1秒後、イケメンは木っ端みじんに吹き飛んだ。
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とまぁこんな調子で、主人公かと思われたキャラが次々と死んでいくんですよ。
そして映画開始から26分(!)経った辺りで、それまでほとんど目立っていなかったクリスタルという名の女性こそが真の主人公だと明かされ、彼女の大活躍が始まります。
【主人公かと思われたキャラが次々と死んでいく】という展開のメリット
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さて、この【主人公かと思われたキャラが次々と死んでいく】という展開にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
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大前提として、
・1:本作が<マンハンティングもの = 人が死にまくる映画>であることは明白です(ポスターや予告を見れば一目瞭然)
・2:また、わざわざ本作を見ようという人は、人が死にまくる映画を見慣れている可能性が高い
つまり、登場人物の頭が吹き飛んだところでいちいち驚きはしないでしょう。
しかし……そう!<それまで主人公だと思っていたキャラの頭が突如吹き飛ぶ>ということになれば話は別。どんな鑑賞者だって、これにはびっくり仰天せざるを得ないはずです。
つまり、【ちょっとやそっとのことでは驚いてくれない厄介な観客すらもびっくり仰天させられる】というメリットがあるわけですね。
【主人公かと思われたキャラが次々と死んでいく】という展開を応用しよう
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物語の初っ端で鑑賞者・読者の度肝を抜いてやる……!
これはとても重要なことです。
何しろいまの時代、みんな忙しい上に、世の中には娯楽が溢れていますからね。「あー、ハイハイ、そのパターンね」なんて思われてしまったらそこでジ・エンド。鑑賞者・読者は興味を失い、そっぽを向いてしまうことでしょう。
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その点、この【主人公かと思われたキャラが次々と死んでいく】という展開は応用が利きそうですよね。
例えば、ラブストーリーならどうでしょう?
・STEP1:物語冒頭、いかにも奥手っぽい少年が登場する。鑑賞者・読者は「なるほど。これは、この奥手の少年が意中の人と結ばれるまでを描く物語だな」と思うでしょう。
・STEP2:ところがその直後、彼はいともあっさり意中の人に告白してしまう!しかも成就する!さらにそれから間もなく、その少年は相手の少女を妊娠させたとかで大騒動になる!そして退学!
・STEP3:鑑賞者・読者は呆然とするはずです「えっ!?一体これはどんな物語なんだ?」。とそんな中、その少年のクラスメイトこそが真の主人公であると明かされるのです。
……とまぁこんな展開でしょうか?
みなさんもいろいろ応用してみてくださいねー!!
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(担当:三葉)