「妹」なら何でもいいのか!?|『妹さえいればいい。』に学ぶテクニック
名作アニメを研究して、創作に活かそう!
本記事では、「妹さえいればいい。」を参考に【妹、妹萌え】について考察します。
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作品概要
「妹」って何だ!?
本作の主人公は、ラノベ作家の羽鳥伊月くん。
彼は、「妹/妹もの作品」が大好きです。……いや、「好き」なんてレベルははるかに凌駕している!
本記事では、彼の「妹/妹もの作品」への偏愛っぷりをご紹介しつつ、「妹」や「妹萌え」についてアレコレ考察していきます。
【テーマ①】妹原理主義者
伊月くんは「妹/妹もの作品」を愛しています。「妹/妹もの作品」こそが彼の人生と言ってもいい。
顕著なエピソードをいくつかあげてみましょう。
<1>
「いいところが何1つとしてないパーフェクトブサイクでも、それが妹なら結婚したい」と発言(第1話)。
<2>
32歳の女性(大野アシュリー)から「お兄ちゃん」と呼ばれて歓喜する(第4話)。友人が「正気に戻れ!」と諭すが、伊月くんは「バカヤロー!妹に年齢なんて関係あるか!」と猛反論。
<3>
「ただ妹であるというだけで、人はどれだけ妹を愛せるのか?」というテーマの小説を書く(第10話)。
僕の妹は身長2m弱、敵を威嚇する時は5m以上に膨れ上がる。全身が触手や突起物に覆われ、背中と肩に15のコブがあり、中には脳のような物体が浮いている。人間のことは基本的に食料と認識しており、意思の疎通は難しい。
そして編集者から「お前はこんな妹を愛せるのか!?」とツッコまれて、「ギリOKかな」と回答。
つまり伊月くんは、外見や内面が自分の好みに合うかどうかは二の次。「妹」でさえあればそれでよし、という狂気に満ちたキャラなのです。
何とストイックなのか!
まさに「妹原理主義者」という言葉がぴったりくるでしょう。
図で表現するとこんな感じ。
伊月くんの「異常さ」を理解するには、比較対象があった方がいいでしょう。
そこで下図。先の図に、「アニメやマンガでよく見かける『妹好きキャラ』の3つのタイプ」と、「理解不能派(妹が恋愛対象になるだなんて理解できない)」を書き加えてみました。
伊月くんの「異常さ」をご理解いただけたかと思います。
なお、伊月くんのような「妹原理主義者」は、我々常人からするとなかなか理解しがたいものですが……彼らにとっては「妹 = 神」であり、「妹への愛 = 神への信仰」なのだと捉えれば、その言動が納得しやすくなるかと思います。
【テーマ②】妹はサメである
第1話の冒頭で、主人公は狂気じみた小説を披露します。
すなわち……
▶ 朝、全裸の妹が主人公を起こすシーンから始まる。妹が言う「目覚めッチング?お兄ちゃん」。
▶ 主人公は、妹が入浴した風呂の残り湯で顔を洗い、妹のブラジャーで顔を拭く。
▶ 朝食には、妹が産んだ卵で作ったオムライスと、妹のミルクが並ぶ。主人公は「クリーミーでコクがあり、口の中で妹が広がっていく♡」と満足げ。
はい、なかなかに気色悪いですね。
生理的にきついものがある。
ここまでくると、もう「妹萌え」とかそういう範疇の話ではない。
だって、卵を産む妹って一体何ですか?いつから妹は卵生(卵を産む動物のこと)になったんですか?
ここで語られているのは、私たちの知っている「妹」とはかけ離れた何か……と、ここまで考えてふと気づいたんですよ。
これ、何かによく似ていると思いませんか?
……そう、サメ映画!
サメ映画(主にC級サメ映画)には、現実から遠く離れたサメがしばしば登場します。例えば、竜巻に乗って空を飛ぶサメ。あるいは砂地を泳ぐサメ。さらに悪霊になって人びとを襲うサメ。
「卵を産む妹」と「空を飛ぶサメ」は、【現実から遠く離れている = 概念の拡張】という点でそっくりだと思うんですよね。
つまり「新しい『妹もの』に挑戦するぞ!」と意気込む方は、C級サメ映画のぶっ飛び具合を参考にするといいのではないかと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)