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いま、ついに、主人公たちの足並みが揃った!!|【第5局:合宿】「咲-Saki-」に学ぶ

※引き続き、アニメ「咲-Saki-」を分析します。本記事で取り上げるのは第5話。第4話以前を分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!


分析対象


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あらすじ


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分析メモ


■1:咲は少年みたいでかわいい♥

温泉からあがった咲が、体を冷まさんとして扇風機の前に立つシーンがある。咲はほぼ全裸だが、恥ずかしがることなく平然としている(一方、和は顔を真っ赤にする)。

短い髪、凹凸が少なく痩せ型の体躯、そして全裸で扇風機の前に立って体を冷ますという行動……咲はほとんど少年である。じつにかわいい♥


■2:咲はピュアでかわいい♥

咲のかわいさという点でもう1つ。久の指示を受けて、咲がネット麻雀に挑戦するシーンに注目してみよう。

すなわち、咲のハンドルネームは……「みやながさき」。本名である(なお、和は「のどっち」というニックネームを使っている)。

そして久の読み通り、咲はネット麻雀が弱い。連敗する。かくして半泣きになる。

ネット上で本名を使ってしまう、麻雀に負けて半泣きになる……このピュアな感じがじつにかわいいのだ♥


■3:久は見抜く

久は優希、和、咲それぞれの弱点を見抜き、それを補うメニューを提案する。さすがは部長である。

特に、

・事実①:和はリアル麻雀では実力を出しきれない。ネット麻雀の方が強い。

・事実②:和はぬいぐるみがないと寝つけない。ぬいぐるみがあると安心して眠れる。

・事実① + 事実② → 仮説:ぬいぐるみを抱きながら麻雀をすれば、リラックスして実力を発揮できるのでは?

……というのは、かなり論理的で説得力がある


■4:大切な人の存在が足枷になる

久とまこ曰く、和がリアル麻雀で実力を発揮できないのは<麻雀以外の情報>に惑わされているから(ネット麻雀では、画面に映し出された麻雀の情報に集中できるらしい)。

そして、その<和を惑わす情報>の筆頭が……そう、咲だ!

これ、バトルものなどでお馴染みの【大切な人の存在が足枷になる】になるという王道的な設定だと言えるだろう。


■5:回想シーンを挟むなら

久の回想によって、久自身と麻雀部の過去が初めて明かされる。

短い回想ながらも、

・久というキャラの性質(どんな苦境に陥ろうとも決して揺るがぬ芯の強さ)

・久が麻雀に懸ける想い、麻雀部員への感謝(麻雀部に入ってくれてありがとう。一緒に全国に行こう)

……が伝わってくる名シーンである。


そして何よりもご注目いただきたいのは、この回想シーンが無理なくサラッと描かれているという点。というのも、この手の回想は強引に挿入されることが多く、蛇足感や冗長感、引き伸ばし感、ご都合主義感が漂いがちだ。

しかし本話は違う。【優希は以前から「咲や和に勝てない」と嘆いていた(第3話) → 本話でもまた嘆く → 久が優希を鼓舞しようとして、自らの体験を語る】という形でスムースに描かれているのだ。


■6:ラブストーリーではない。部活ものである!

終盤、咲と和は滝を見に行くにあたって優希を誘う

一見すると何気なく見えるシーンだが、これ、じつは非常に重要な場面だと思う。だって、もしもあなたが作者ならどうだろう。<咲と和の2人だけの時間>を描きたくならないだろうか?

しかし、本作はあくまでも部活ものであり、熱血スポ根ものだ。ラブストーリーではない。

ゆえに、ここで優希を誘うことが重要なのだ。鑑賞者に対して【咲と和はいまや相思相愛のカップルだ。しかし、2人は閉じた世界にいるのではない。あくまでも麻雀部の一員であり、優希も大切な仲間なのだ】と示しておく必要がある。

こういう細かい心遣いが巧いなぁと思った。


■7:和はなぜ戦うのか?

第3話の終盤で、<咲同様、和も家庭環境に問題があるようだ>と示唆された。そして本話冒頭、その詳細が明かされた

和の父は、

・和が麻雀(父曰く「ただの運ゲー」)に熱中していること

・和がド田舎の高校に通っていること

……を不満に思っているようだ。彼は、娘を東京の進学校に通わせたいらしい。


また和と父が、「全国優勝したら清澄高校で麻雀を続けてもいい(逆に言えば、優勝できなかったら麻雀を止めて転校?)」という約束を交わしていることも明かされた。

つまり和が県予選を突破し、全国制覇を目指す理由は【咲らと共に麻雀を続けたいから】


■8:咲はなぜ戦うのか?

第3話の終盤、咲は【予選を突破して全国に行く】という目標を抱いた。和や久は以前から【全国に行く/全国制覇する】という目標を抱いていたので、つまり<咲は仲間と共に、同じ目標に向かって歩み始めた>ということになる。

……が、しかし。この時点では、<皆の足並みが揃った>とは必ずしも言いきれないのだ。


というのも、和や久は麻雀部の皆と一緒にいたい/一緒に頂点を獲りたい】と思っている。これがモチベーションだ。一方、咲が全国を目指すのは【照(実姉)と麻雀を打ちたいから】。

要するに、モチベーションがズレていた。


ところが本話の終盤、咲は言った「私、もっと皆と麻雀したいな。少しでも長く一緒にいたい!」。そのためには、勝って勝って勝ち続ける必要がある(敗北した瞬間に久が引退を迎えるため)。

そう!ここに至ってついに、咲は和や久らと足並みが揃ったのだ。準備は整った。そして次話、いよいよ県予選が始まる……!



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(担当:三葉)

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