アニメ「咲-Saki-」第25話(最終話)を3つの視点から分析する👀
※引き続き、アニメ「咲-Saki-」を分析します。本記事で取り上げるのは第25話(最終話)。第24話以前を分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!
分析対象
あらすじ
【ポイント①】巧みなキャラ立て
<1>
本話は、アニメ「咲-Saki-」の最終話。
最終話らしく、前話以上にお祭り感にあふれている。何しろ、4校のレギュラー選手総勢20人が一堂に会するのだ!
<2>
そして本話がすごいのは、なんと20人全員に一通りスポットライトが当たっているという点だ(厳密には「純代以外」と言うべきかもしれない……)。
特に主要キャラについては、短いながらもそれぞれの持ち味を活かした出番が用意されている。
例えば……
▶ 久
・人の善さ:ゆみからデータをもらった後、繰り返し礼を言う。
・機微に聡い、戦略家:咲がショックを受けた際、いち早くそれに気づく。しかし自身は動かず、後輩を信頼する(「和、任せたわよ」)。また、咲が立ち直った時にもすぐにそれを察していた(「もう心配なさそうね」)。さらに、藤田プロを招待したのも久だ。
▶ ゆみ
・人の善さ:久にデータを託す。礼を言われると赤面する。
・かじゅモモ(桃子×ゆみ):桃子の積極的なアプローチに赤面する。また、2人きりで温泉を満喫。さらに卓球シーンでは、純や華菜が激闘を繰り広げる横で、この2人はのんびりラリーを楽しんでいた。
▶ 透華
・高飛車お嬢様 → 衣に甘い → すぐ熱くなる/負けず嫌い:卓球シーンでは、当初「そんな庶民的なもの、私はやりませんわよ」と発言。しかし衣が嬉しそうにはしゃぐと、「しょうがないですわねぇ」。そして一度ラケットを握るともう止まらない。皆をぶちのめす。
▶ 美穂子、華菜
・常識人:温泉シーンでは、この2人だけ体にタオルを巻いている。
・美穂子LOVE:なお華菜はお調子者キャラであり、<素っ裸で温泉に飛び込む。ついでに泳ぎ出す>というのがよく似合うと思う。それでは、なぜタオルを巻いているのか?……無論、美穂子の影響だろう。華菜がどれだけ美穂子から影響を受けているかよくわかる演出だ。
キャラ立てが巧みな「咲-Saki-」らしい最終話である。
【ポイント②】百合とバトルものが高次に融合した作品
<1>
ところで……「咲-Saki-」とは一体どのような物語であったのか?
一口にまとめるなら、【百合とバトルものが高次に融合した作品】ということになるだろう。
なお<高次>というのは、
・1:百合の濃度が高い
・2:ストーリーも演出も、王道バトルものの伝統を踏襲している
・3:上記以外の夾雑物が少ない
……という意味だ。
<2>
そして、本話もまた【百合とバトルものが高次に融合したエピソード】となっている。
例えば……
▶ バトルもの要素
・かつて戦った強敵(ライバル)が、いまや主人公たちの仲間になっている
・主人公も強敵も、それぞれ魅力的な特殊能力を持っている
・主人公には特別な過去(家庭崩壊 etc.)がある
・主人公には宿命の敵(照)がいる
▶ 百合要素
・あちらにもこちらにも百合カップル(特にゆみと桃子、咲と和はいちゃいちゃしまくっている)
・主人公がピンチに陥った時、彼女を救うのは百合パワーである
<3>
本話のラストシーン(つまり「咲-Saki-」全25話のラストシーン)は、咲と和の<名前呼びイベント>だ。
最後の最後まで百合!
見事である。
【ポイント③】大盤振る舞い
最後に、私が1番好きなシーンをご紹介したい。
すなわち……
・Step 1:咲と和が露天風呂に入る
・Step 2:2人きりかと思いきや……ゆみがいた
・Step 3:桃子もいた
・Stap 4:さらに、久、透華、一、美穂子、華菜もやってきた
次から次へと素っ裸のキャラが登場するのだ。スタッフの<持ってけ泥棒!>という声が聞こえてくるようではないか。
最終回らしい大盤振る舞いに噴き出してしまう。
「咲-Saki-」の分析はこれで終了です!
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(担当:三葉)