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冬アニメ「魔法少女にあこがれて」の研究 ~「うてな覚醒編」から「聖戦編」へ!

🥳本記事では、ポプカルMAXによるオンライン座談会「アニメ語り」(24年3月3日実施)の内容を一部抜粋してお伝えします。なお、完全版は動画でご覧いただけます→ こちら

「ポプカルMAX」とは?:ポップカルチャー(マンガ、小説、ラノベ、アニメ、映画、ゲームなど)好きのための、ゆるいコミュニティです。好きな作品について語ったり何かを作ったりして楽しむことを目的としています。


<座談会の参加者紹介>

👉清水大地 マスター・オブ・アニメ。年120作以上のアニメを見続けて20余年。好きな魔法少女アニメは「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」。

👉村上空気 好きな魔法少女アニメは「撲殺天使ドクロちゃん」。 →X(旧Twitter)でフォローしてね!!




✨今日のテーマは「魔法少女にあこがれて」!!


村上:今日は、「魔法少女にあこがれて」について議論しましょう!

清水:はい。

村上:「魔法少女にあこがれて」は以前も取り上げたことがあるんだけれど、あの時はまだ第1話しか放送されていなかった



村上:というわけで今日は改めて「魔法少女にあこがれて」について議論するわけですが――あのね、最初に言っておきたいことがありまして。

清水:何でしょう?

村上:俺の中では2024年の覇権アニメは「魔法少女にあこがれて」に決定しました(笑)。

清水:2024年はあと9ヶ月もあるんだけど(笑)。

村上:決まっちゃったんだから仕方ないだろ(笑)。

清水:そんなにハマっているのか……(笑)。


✨「うてな覚醒編」から「聖戦編」へ……!


村上:まずは、大雑把にストーリーの構成を確認しておきたいんだけれど。

清水:うん。

村上第7話終盤がターニングポイントだったことは間違いないよね。

清水:ああ、ベーゼがアズールに対して「解釈違いにもほどがある」と言い放つあの場面だね(笑)。

村上:そうそう(笑)。

清水:(笑)。

村上:第1話から第7話中盤は、①うてなが「真性のサディスト」に覚醒し、②最初は戸惑っていたものの次第に自分の欲望を受け入れられるようになり、そして③素敵な仲間とともに理想的な生活(魔法少女をいたぶったり、魔法少女が不屈の魂で立ち上がるのを間近で見たり)を送るようになるという話だった。

清水:そうね。

村上:それに対して第7話終盤以降は、うてなが自分の理想のために戦う話になったと言える。

清水:ふむふむ。

村上:最初に現れた「敵」はアズールだ。何しろ、うてなにとって魔法少女とは「崇高な存在」であり「愛と勇気を武器に戦う正義」であり、そして「不屈の魂を持つ者」だ。しかしアズールは無様に堕ちた

清水:うん(笑)。

村上:うてなからすれば到底認められることじゃないよね。

清水:なるほど。

村上:そして第8話、次なる「敵」が現れた。ロード団だ。彼らは魔法少女狩りをしていたらしいけれど――これまた、うてなが認められるはずがない

清水:うむ。

村上:つまり、うてなからすればアズールもロード団も理想を害する者であり、両者は等しく敵というわけだね(笑)。

清水:確かに(笑)。

村上:以上をまとめると、第1話から第7話中盤は「うてな覚醒編」、第7話終盤以降は「聖戦編」と整理できると思う。

清水:聖戦ね(笑)。

村上:そう。理想のための聖なる戦いよ(笑)。


✨主要キャラは総じて裕福な家庭で生まれ育った?


村上:そういえばさ、悪の組織サイドにしろ魔法少女サイドにしろ、本作の主要キャラは総じて裕福な家庭で生まれ育ったように見えるんだよね。

清水:ほぉ。

村上:主人公うてなは、魔法少女のフィギュアを大量に所有している。彼女はまだ中学生だ、アルバイトで稼いでいるとは思えない。つまりそれだけたっぷり小遣いをもらっているか、はたまた父母や祖父母に買ってもらっているのか……。

清水:なるほど。いずれにしろ生活に余裕がありそうだな。

村上:次いで、キウィちゃん。彼女は家族と沖縄旅行に出かけていた。どれだけお金をかけた旅行なのかわからないけれど、少なくとも家族で旅行に行くくらいには余裕があるわけだ。

清水:ふむ。

村上:そして、こりす。彼女は玩具をたくさん持っているよね。中には高価っぽいものもあった。

清水:確かに。

村上:それから、アズールの実家はなかなか大きな神社だ。まぁ貧しいとは思えない。

清水:ふーむ……。もしかするとうてなたちが通っているのは、裕福な家庭の子が集まる私立中学校なのかもしれないね。いわゆるお嬢様学校。

村上:あり得るな。

清水:ふむ。

村上:で、ここからが重要なんだけれど――要するにうてなたちは「経済的・社会的にある程度恵まれた環境=中産階級的・プチブル的なクリーンな環境」で生まれ育ったと考えられる。そしてそれゆえに、サドだのマゾだのといった「反社会的な欲望」を持つ自分を認められず、そういった欲望を無意識の内に心の奥底にしまい込んでいたんだと思う。

清水:なるほど。

村上:ところが、ヴェナリータという先導者や、共に戦う仲間、あるいは敵対者と出会ったことで、自らの欲望を表に出せるようになった。

清水:ふむふむ。

村上:ちょっと堅苦しくまとめると、本作は「中産階級のクリーンな価値観を内面化しているがゆえに認められなかった『自らの欲望』に向き合い、そんな欲望を持つ自分を肯定できるようになる少女たちの話」と整理することもできそうだなぁと思った。


✨「認識阻害魔法」って何だろう?


村上:ところでさ、「悪の組織サイドにしろ魔法少女サイドにしろ、変身中は『認識阻害魔法』が効いており、そのおかげで正体を見抜かれることがない」という設定があるじゃない。

清水:そうね。

村上:で、ふと思ったんだけど――認識阻害魔法が効いている人のことはどう見えているんだろうね?

清水:あー。

村上:顔にモザイクがかかって見えるとか(笑)?

清水:いやぁ(笑)。

村上:まったくの別人に見えているのかな?

清水:んー。

村上:もしも顔が判別できなくなるだけなら、お互いにさんざん裸体をさらしているわけで、いつか体つきとか肉づきとかでバレちゃいそうだよね(笑)。

清水:そうねぇ(笑)。

村上:それから、認識阻害魔法は仲間同士でも影響があるのかね?例えばベーゼには「キウィ」と「レオパルト」は別人に見えているのかな?

清水:ふーむ……。たぶん「ベーゼに変身した後も、うてなの顔はうてなのまま。しかし皆はそれがうてなだと認識できなくなっている」ってのが正解じゃないかな?

村上:あー、そうか。顔自体は変わっていないのか。まぁ「認識阻害」だもんね。

清水:そうそう。

村上:しかし……そう考えると結構怖い魔法だね。「何らかのトラブルで、変身を解いた後も認識阻害魔法の効き目が続く→誰1人としてうてなをうてなと認識できなくなる」なんてホラー展開もあり得るな(笑)。

清水:確かに(笑)。


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