彼曰く「いつか、でっけぇことやってやるから!……IT企業とか、な」|【第三話(2) 義務と兵隊】「【俗・】さよなら絶望先生」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
ポイント①
<1>
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・第1幕:望が叫ぶ「義務が次々と増えていく世の中に絶望したー!」(ここで言う「義務」は、「他人からの期待」くらいの意味) → しかし可符香らは「止めたっていいんですよ?」「ただの自意識過剰でしょ?」
・第2幕前半:望らは、【本人は「皆が期待している。期待に応えるぞ!」と頑張っているものの、実際には誰も期待なぞしていない = ただの自意識過剰】という事例に遭遇する
・第2幕後半:望が言う「善意の行動が、相手に義務感を与えることもある」→ そして嘆いた「皆のせいでドンドン義務が増えていく!」 → しかし可符香は「義務感を与えているのは、先生の方ですよ」
・第3幕:じつは望は、小森霧に義務感を与えていた → 小森霧の優しさに、望はグングン依存していく → 望はすっかり堕落し、ダメ男になる
<2>
ご注目いただきたいのは、「第1幕」と「第2幕後半」の太字部分です。
本話では、
・1:望が絶望する/嘆く
・2:可符香らが、望の言葉を否定する
……というやりとりが「物語の転換点」として機能していることが、おわかりいただけると思います。
ポイント②
私が好きなのは、「エンディング」の望のセリフです。
すなわち、「いまの俺は本当の俺じゃないんだ!いつか、でっけぇことやってやるから!……IT企業とか、な」。
これですよ、これ!
「IT企業とか、な」って……いいですよねぇ!
にじみ出る「とりあえず『IT企業』って言っとけばいいんだろ感」、「IT企業って儲かるんでしょ?よく知らんけど、あんなのちょろいでしょ感」が最高です!
そして……「とか」って何だよ!何を指してるんだよ!どれだけ漠然としてるんだよ!
いやぁ、これだけアホ全開なセリフはなかなかありませんよ。
これ、シリーズ第1期の「やたら被害者ぶる国が多い中、いい国じゃないか、この国は」(第12話、マ太郎のセリフ)に匹敵する名言だと思います。
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(担当:三葉)